⑦投資家の合理性
競売の現場で印象に残っているのは、
不動産を購入する側の「判断の基準」でした。
競売で物件を取得する人は、
その後に運用するか、売却するかを前提に動きます。
つまり、買って終わりではなく、
その先まで含めて成立させる必要があります。
そのため、判断は自然とシビアになります。
現場で見ている限り、
感情で動いているようにはあまり見えませんでした。
むしろ、
収支やリスクといった数字を基準に、
淡々と判断している印象が強かったです。
競売という仕組み上、
「いかに安く取得するか」が重要になります。
それは投資として考えれば、
ごく自然な判断だと思います。
ただ同時に、
その価格が成立している背景には、
別の立場の事情があることも感じました。
誰かが手放さざるを得なかった不動産が、
別の誰かにとっての投資対象になる。
競売という場は、
そうした構造の上に成り立っているように見えました。
善悪で割り切れるものではなく、
それぞれが自分の立場で合理的に動いている。
ただ、その重なりの中で、
結果として大きな差が生まれている。
現場に立って初めて、
その現実を実感するようになりました。
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