⑥無知のリスク
競売の現場で感じたことの一つに、
「知らなかったことの影響の大きさ」があります。
最初は、状況が悪化する人には、
何か特別な事情があるのだと思っていました。
しかし実際には、
必ずしもそうとは限りませんでした。
例えば、
どの時点で手続きが進んでいるのか
何をすれば回避できるのか
どこに相談すればいいのか
こうしたことを把握しないまま、
時間だけが過ぎていくケースがあります。
競売は、ある日突然始まるものではなく、
いくつかの段階を経て進んでいきます。
ただ、その過程を知らなければ、
気づいたときには選択肢がほとんど残っていない、
という状態になることもあります。
「知らなかった」という理由で、
手続きが止まることはありません。
制度は、あくまで制度として進んでいきます。
現場で見ていて感じたのは、
問題の大きさそのものよりも、
「どの時点で状況を把握できたか」が、
その後に影響しているように見える、ということでした。
もちろん、
知っていればすべて防げるわけではありません。
ただ、知らないままでいることが、
結果として選択肢を狭めてしまう場面は、
少なくなかったように感じます。
このテーマは、
特別な人の話ではなく、
気づかないまま進んでしまう、
日常の延長にあるものなのかもしれません。
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