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三度目で届いた場所と、届かなかった現実

「20代後半、警察官試験を受験していたときの話です。」

👉「当時は今より視野が狭く、物事を自分中心に考えていました。」


警察官の試験は、三回目でようやく筆記試験を突破した。
人によっては難なく通る試験なのだと思う。だが自分の場合、教養試験ができなかったり、小論文が書けなかったり、毎回どこかで足を引っ張られた。弱点を一つずつ潰していき、三回目でようやく一次を通過した。

二次試験に進めば、あとは面接だ。
「ここまで来たのだから、次は採用だろう」
当時は、そう考えていた。

想定される質問を洗い出し、自分なりに回答を準備した。最初は正解が分からず、いろいろな人に話を聞いた。結果として、形は整ったが、今振り返ると、それは丸暗記に近い準備だった。

丸暗記は応用が効かない。
質問の意図を考えず、用意した答えをそのまま当てはめてしまう。本人はそれに気づかない。

当時、そうした点を指摘してくれる人はいなかった。
せっかく進んだ二次試験だったが、結果は不合格だった。

年単位で時間をかけても、不合格になれば、すべては無かったことになる。
当時の公務員試験は倍率が最低でも十倍以上。ほとんどの人が落ちる。その「その他大勢」の一人になっただけだった。

当時の自分にとって、公務員は最善の選択肢だった。
だが今なら、同じ選択はしない。

当時は客観視ができず、「自分は例外だ」「努力すれば報われる」と思っていた。だから、受かる未来しか想定していなかった。

だが面接官は、どれだけ努力したかなど見ない。
警察官側からすれば、そんな事情は関係ない。
どれほど準備しても、最終的には鶴の一声で落ちる。不条理は普通に起きる。

公務員試験(事務系・公安系)の筆記対策は、筆記試験にしか使えない。
別の場所で役に立つことは、ほとんどない。リスクヘッジにはならない。

今なら、電気職や業務職を選ぶ。
専門試験がそのまま資格試験対策になり、その後の選択肢も広がる。

当時は周囲にブルーカラーの人がいなかった。
だから、その発想自体がなかった。

この試験勉強が、数年後に別の形で役に立つ。
そのことを、当時の自分は想像すらしていなかった。


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