アジフライが好きなんだよね
昼休み5分前。厳密に言うと、いや、厳密に言わなくても、終業時間内だ。それは明らかだった。オフィスの椅子に座ったまま、スマートフォンの画面をタップして、アプリケーションを起動する。隠れる訳でもなく、堂々とした態度で。そして、悪びれる訳でもなく。
昨日はサボったから、今日のお昼ご飯はほっともっと。残業だったのだから仕方がなかったんだと自分に言い訳をして、あらゆる家事を保留した。放棄ではなく、あくまでも、保留だ。
ほっともっとのアプリケーションを開くと手慣れた手つきで、今日から始まる新メニューアジフライのりタル弁当を1つ注文した。スマートフォンに予約番号が表示された。

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アジフライが好きなんだよね。ひと齧りした瞬間、カリッとした衣とフワッとしたアジの身の食感とが相まって、その思いが浮かび上がる。タルとだし醤もいい仕事をしている。これがマリアージュなのだ。
その刹那だった。
でもね、揚げ物の油がね、と月並みな初老の体験も同時に経験した。
そんなことは言いたく無かったんです。いや、自分がそういう年になることを想像していなかったんです。いや、想像はしていたけれども、実際に体感してみると、この感じがたまらないのである。情けなくて。
こんなこともできないのか、と日々衰えを実感する。そして、それは加速していく。いや、人生でいうと、減速か。この長い長い下り坂を僕は一人で下っていく。
誰ですか?こんなことにしたのは?
とあたる先のない怒りのようなものをぶつけられたって、ぶつけられた方は困惑。読者の皆様に置かれましても、このような駄文をご覧になる羽目になり、大変申し訳なく思う次第ではごさいます。
それは、誰のせいでもなかった。全部、太陽のせいだ。
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ふせ【布施】
①[仏]利他の心で他者に施しを行うこと。六波羅蜜の一つ。物を与える「財施」、仏法を説く「法施」、不安を除く「無畏施」がある。
②葬儀や法要の際、読経や戒名授与の謝礼として施主から僧侶や寺院に贈る金銭。本来は寺院を支える財施の一種。
③一般に金品を施すこと。