見出し画像

緊張するとおしゃべりになる現象。

韓国のオリーブヤングで買ったMARSHIQUEのパッチ。緊張集中でできた眉間のしわ対策。

わたしは元来せっかちで落ち着きがない。たぶんその原因のひとつは、緊張しいだからだと思う。失敗すまいと先のことまで準備し、シミュレーションしてみて、いまできることは事前にやっておこう、となる。次はコレでその次はコレ。必要なのはアレ、ということはコレも調べておいた方がいいかも。現場で失敗しないために、と、緊張を分散させているようだ。

若いころは手に汗を握る緊張しいだった。比喩表現じゃなくて、実際手がぬるぬるになるのだ。年齢とともにだんだん緊張感を手なずけられるようにはなったのだけど、きっと表情は硬く行動はせわしない。見た目にはわかるに違いない。

うまれてこのかた接客業をしたことは数えるほどで、トータル時間も1か月はないんじゃないか。つまり自分は客の立場であることがほとんどだった。仕事ではたくさんのヒトに会ったけど、いわゆるサービス業としての対個人ではない。お客さまとのやりとりは、たまにSNS対応やメールか電話に出るくらいだった。そんなわたしが接客業をするのは、還暦にして新たな挑戦なのだった。

「どちらがよろしいですか」「かしこまりました」「コレはこうでコチラはこうです」「このほうがお得かもしれませんね」
にこやかに、穏やかに対応しているつもりだけど、きっと目に緊張が表れて早口になっているに違いない。それをカバーするかのようにまた口が動く。
「そう…ですね、はい、お待ちくださいいま確認いたします、お待たせいたしましたこういうことですのでこうしていただけるとよいかと思いますお手数おかけしますがよろしくお願いいたしますありがとうございました、あ、こちらお渡しするのを忘れてました失礼いたしました、はい次のかたおまたせいたしました」
落ち着け、息を吸え、微笑め。

「落ち着きなさいな」
と思われているような気もする。なんとなく、お客さまの目に不安がにじんでいる、とも感じる。ああ、もうちょっと落ち着いて、せめて不安を与えないようにしなければ。その焦りがまたおしゃべりターボを回す。

ゆったりとした作業のときもあるのだが、やはり時間をかけると失敗は少ない。いや、失敗しても回収する時間がある、ということなのだきっと。早かろうが遅かろうが、なにかを飛ばすこともあるし間違うこともある。それをカバーできる時間があるか、関係性があるか。ほぼ一期一会のヒトとの一瞬の対応のうちに、関係性が結べるものか。でもこれ、できそうなんである。

「あ、少しお待ちください、恐れ入ります。コレはアレでよいのですっけ、はい、すみませんこちらで確認しました、いま出します、何度も失礼しました、大変お待たせいたしました申し訳ないです、どうぞまたよろしくお願いいたします」
お詫びの言葉とやりとりを挟み、その間に作業し、最後に目を見て頭を下げる。沈黙の時間が少ないと、なんとなくお客さまの態度が固くならない気がするのだ。無料ゲームの途中に入る広告動画の終わり時間カウントダウンを待つように、ちょっと様子を見ておいてくださる、というか。もうすぐだな、あとこのくらいで終わるな、という見通しがあれば、不安が少し減るように思える。いちばんイヤなのは「いつまで待たせるんだ」という不安感なんじゃないか。

もちろん、べらべらとしゃべられるのがうるさくてたまらん、というかたも絶対にいるはずだ。それでも「状況説明」「報告相談」は現代における必須項目なはず。アカウンタビリティ、説明責任というと硬すぎるが、なにが起きているのかは知りたいところだろう。とはいえ
「タッチミスで金額が倍になっちゃったのでいま修正しています、少々お待ちください」
なんて言われるとがぜん信用度が下がる。だとすると時間がかかっているがあとどのくらいでできそうか、という雰囲気を醸し出すのがいい落としどころなのではないか。
「少々お待ちくださいませ、お支払はカードに変更ですね、ただいま準備しております…はいお待たせいたしました、金額ご確認ください」
にこやかに、焦りを見せず。

とはいえしゃべるのはかえって集中力を削ぐのではないか、とも思う。ある程度の緊張感を持続させて集中しつつ状況説明。高度なテクニックだ。

ミスカバーのおしゃべりを極力減らすため、集中力を鍛えねばならない。緊張しすぎて集中できなくなったり、逆に集中力を絞りすぎたりしないように緊張をコントロールするのだ。いまのところ深呼吸くらいしか実行していないのだが、もしかしていいスイッチがあるのかもしれない。机の上の整理、単に方向を揃えたり場所を戻したりするだけでも、リセットされる感はある。もう少し時間があれば、いったん資料を読む、というのも「脳の別のところを使う」感じがする。

緊張、やっかいだけど大切な集中力のトリガー。いまだ緊張に耐えられず、どうでもいいおしゃべりが続いてしまう。

 

いいなと思ったら応援しよう!