【詩】ポケットの中の10円玉。
【詩小説】 ポケットの中の10円玉。
きゅっ。
握りしめれば聞こえるよ。
颯太と10円玉の声────────。
「なあ颯太。オレを使って今日は何買うんだ?」
「そうだなぁ・・・フーセンガム、フィリックスガムかな?」
「おいおい、そりゃ普通過ぎ。
折角オレを使うんだ。 もっと珍しいモノにしな。」
「じゃあ『こざくらもち』・・・
いやいや『チロルチョコ』かな!?」
「お!! まあまあイイじゃん。
けどソウ太、ずっと前から欲しがってたのが在ったじゃん!?」
「あ!? 『ソフトグライダー』!! そうしよ!!」
「よし!! 決まりだ!!
かっこ良くオレを使うんだぜ!!」
!?
「ん~~・・・今日はもういいや。別に何にもほしくない。」
ソウ太は踵を返し────────
お家に帰っていきました。
ソウ太は見てしまったのです。
「使う」と言ったその時の・・・
10円玉の悲しそうな顔を・・・
10円玉の寂しそうな その顔を。
ソウ太は心に決めました。
この10円玉は絶対に使わない・・・と!?
それを知ってか知らずか
当の無邪気な10円玉は
颯太のポッケの中で────────
満面の笑みで
ピカピカと鈍色に
光り輝くのでした。

★片桐みかん様
今回も素敵な「お題」を ありがとうございます。
とっても楽しく
「物語り」を紡がせていただきました。
いつも
本当にありがとうございます。 朔太」
★こちらのマガジンにもありがとうございます。
