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Fnac France Inter BD賞2022が発表されました!

こんにちは! 海外コミックスのブックカフェ書肆喫茶moriの店主です!

2022年1月6日にフランスのFnac France Inter BD賞(Prix de la BD FNAC FRANCE INTER)2022が発表されました!
フランスの大手書店Fnacと、ラジオ局France Interが主催するバンド・デシネの賞です!

https://www.fnac.com/prix-bd-fnac

2022年で4回目となるこちらのマンガ賞。
2021年10月にノミネート22作品が発表され、12月に決定された最終ノミネート5作品の中からグランプリが選ばれました!

ちなみに昨年のグランプリはマチュー・バブレ『Carbone & Silicium』

では2022年はどんな作品が選ばれたのか見ていきます!

Youtubeライブでもご紹介しているので、こちらもどうぞご覧ください!


ノミネート作品

『47 Cordes(47コード)』

作:Timothé Le Boucher(ティモシー・ル・ブーシェ)、発行:Glénat

自由に姿を変えることができる”女”は、アンブロワーズという名の若い男に恋をする。彼の心を射止めるにはどうすればよいのか。彼女は、ハープ奏者のアンブロワーズに取引を持ち掛ける。47の試練に勝ち残れば彼が夢に見た楽器をあげると。

『Ces jours qui disparaissent(消失する日)』『Le Patient(患者)』などの代表作を持ち、なんとも言えない色気のある作品を描くティモシー・ル・ブーシェの最新作。


『Les Amants d’Hérouville: une histoire vraie(実話に基づくエルヴィルの恋人たち)』

画:Romain Ronzeau(ロマン・ロンゾー)、作:Yann Le Quellec(ヤン・ル・ケレ)、Thomas Cadène(トマス・カデネ)、発行:Delcourt

1970年、マリー・クロードは、映画音楽で知られる作曲家ミシェル・マーニュに出会い、恋に落ちる。ミシェル・マーニュはエルヴィル城をスタジオに改築し、このスタジオで録音するために、エルトン・ジョン、ピンク・フロイド、デヴィッド・ボウイらが集う。

50年代から80年代のポップカルチャーの中心的人物のひとり、ミシェル・マーニュの実話に基づくおとぎ話。


『Chez toi(君の家)』

作:Sandrine Martin(サンドリーヌ・マルタン)、発行:Casterman

2016年、EUのボーダー・ケア・プロジェクトでギリシャを訪れた作者によるルポルタージュ・コミック。妊娠中のシリア難民女性と、ギリシャの助産師、二人の女性の感動に満ちた物語。


『Corto Maltèse Océan noir(コルト・マルテーゼ 黒い大洋)』

作:Hugo Pratt(ユーゴ・プラット)、 Martin Quenehen(マルタン・ケネヘン)、画:Bastien Vivès(バスティアン・ヴィヴェス)、発行:Casterman

イタリアのユーゴ・プラットによる海洋活劇マンガの傑作『コルト・マルテーゼ』シリーズを、バスティアン・ヴィヴェスが描いた最新作!

『コルト・マルテーゼ』についてはこちらの動画もご覧ください!

シナリオのマルタン・ケネヘンとバスティアン・ヴィヴェスによるコンビは、若い警官と妻の失くした父娘のスリラー作品『Quatorze Juillet(7月14日)』に次ぐ2作目。


『Le Divin Scénario(神のシナリオ)』

画:Fabrizio DORI(ファブリツィオ・ドリ)、作:Jacky BENETEAUD(ジャッキー・ベネトード)、発行:Actes Sud

処女マリアのもとに受胎告知にやってくる天使ガブリエル。もしガブリエルがマリアとは別の女性のもとを訪れてしまったら……? 宗教や神話、文学などを織り交ぜた、極彩色のハイファンタジー・ストーリー。


『Le Droit du sol(土地のルール)』

作:Etienne Davodeau(エティエンヌ・ダヴォドー)、発行:Futuropolis

2019年、作者は800kmのバックパックの旅に出た。出発地は洞窟壁画が残るペックメルル洞窟。そして目指すは核廃棄物の研究所があるビュール。我々は将来の世代の土地に何を残すのか……? 

アングレーム国際漫画祭2022RAJA Eco-Fauveセレクションノミネート。

『ワイン知らずマンガ知らず』のエティエンヌ・ダヴォドーが手掛けるルポルタージュ・コミック。


『Entre les lignes(行間)』

作:Baptiste Beaulieu(バティステ・ボーリュー)、画:Dominique Mermoux(ドミニク・メルムー)、発行:Rue De Sèvres

バプティストは古いトランクの中にラブレターを含む3つのノートを見つける。彼と父、そして祖父。親子3代の人生と秘密を紐解くドラマ。


『#J’accuse(私は弾劾する)』

作:Jean Dytar (ジャン・ダイター)、発行:Delcourt

1894年フランスで起きたドレフュス事件(スパイ容疑で逮捕され終身投獄を言い渡された将校の冤罪事件)を、ネットや動画配信など現代的な手法で追体験させる。タイトルは文豪エミール・ゾラが告発した公開状から。

ACBD批評グランプリ2022ノミネート作。


『Joe la pirate(海賊ジョー)』

作:Hubert(ユーべール)、画:Virginie Augustin(バージニー・オーギュスタン)、発行:Glénat

1900年生まれで女性ながらタクシー会社を経営し、戦争に行き、ボートレーサーにもなったジョー・カステアーズ。またレズビアンとして、オスカー・ワイルドの姪であるドリー・ワイルド、グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリッヒとも関係を持った。
ユーベールによる最初で最後の伝記バンド・デシネ。


『Lettres perdues(失われた手紙)』

作:Jim Bishop(ジム・ビショップ)、発行:Glénat

魚と人間が共存する島で、母親からの手紙を待ち続ける少年。やがて彼は母親を探しに旅に出るが、さまざまな冒険が待ち受けていた。宮崎駿リスペクトの美しいYA向け作品。


『Madeleine, résistante(レジスタンス・マデリーン1巻)』

作:Jean-David Morvan(JDモルヴァン)、 画:Dominique Bertail (ドミニク・ベルテル)、発行:Dupuis

第二次世界大戦、占領下のフランスでレジスタンス活動をする実在の人物マデリーン・リフォーの物語。共同脚本家としてマデリーン・リフォー自身が参加する自伝マンガ。3部作の第1巻。

ACBD批評グランプリ2022ノミネート、アングレーム国際漫画祭2022公式セレクション。
アングレーム国際漫画祭のルネ・ゴシニ賞2021を受賞しています!
※ルネ・ゴシニ賞:『ラッキールーク』『アステリックス』『プチ・ニコラ』の作者であるルネ・ゴシニにちなんで、優れた脚本家に授与されるアングレーム国際漫画祭の賞。


『Le monde sans fin(終わりなき世界)』

作・画:Christophe Blain(クリストフ・ブラン)、作:Jean-Marc Jancovici(ジャン=マルク・ジャコビッチ)、発行:Dargaud

エネルギーと気候変動の問題を中心に、環境を犠牲にする経済成長や生態系、社会問題などについて、エネルギー・気候変動問題のスペシャリストであるジャン=マルク・ジャコビッチを脚本に迎えて制作された。

アングレーム国際漫画祭2022RAJA Eco-Fauveセレクションノミネート。


『Oleg(オレグ)』

作:Frederik Peeters(フレデリック・ペータース)、発行:Atrabile

フレデリック・ペータースの『青い薬』(青土社、2013)に続く約20年ぶりの自伝的マンガ。
20年連れ添った妻と思春期の娘を持つ漫画家のオレグは、最近やる気を失っていた。『青い薬』では完全に自伝作品であったものを、第三者の「オレグ」という主人公で描く。

HIV/エイズの女性とのほろ苦くも優しい結婚生活を描いた『青い薬』は傑作なので、未読の方はぜひお読みください!


『Quelqu'un à qui parler(話し相手)』

作:Grégory Panaccione(グレゴリー・パナッチーネ)、発行:Le Lombard

独身でパリのアパートの屋根裏部屋に住んでいる陰気なサミュエルはやる気のない仕事にうんざりしていた。孤独な誕生日の夜、彼が子どものころに住んでいた家に電話をかけると、誰かが応答した。なんと子どものころのサミュエル――サッカー選手になりたいと願い、旅行や女の子を喜ばす小説を書くことを夢見る10歳の少年だった……。


『Queenie, la marraine de Harlem(ハーレムの名付け親クイーニー)』

作:Aurélie Levy(オーレリー・レヴィ)、Elizabeth Colomba(エリザベス・コロンバ)、発行:Anne Carriere

1933年のハーレム。とある黒人女性が刑務所から釈放された。彼女の名は、ステファニー・セントクレア。マルティニーク島の貧しい家に生まれた彼女は、横暴な警官たちから住民を守り、ハーレムを治める。


『J'ai tué le soleil(私は太陽を殺した)』

作:Winshluss(ヴィンシュルス)、発行:Gallimard

バックパックとライフルだけをもって、人っ子一人いない世界を食べ物を求めて彷徨う男。頭に傷を負い、記憶を失った男は、この世界である計画を考えていた……。『ピノキオ』(小学館集英社プロダクション、2011)『デス・クラブへようこそ』(小学館集英社プロダクション、2012)の邦訳があるヴィンシュルスの最新作。


『Le Tambour de la Moskova(モスクワの太鼓)』

作:Simon Spruyt (サイモン・スプルイ)、発行:Le Lombard

1812年、ナポレオンによるロシア戦役。軍を鼓舞するため悲惨な戦争に同行する太鼓を鳴らす若き兵士。トルストイの『戦争と平和』にインスピレーションを受けた作品。

ACBD批評グランプリ2022ノミネート。アングレーム国際漫画祭2022公式セレクション。


最終ノミネート作品

『Jours de sable(砂の日)』

作:Aimée de Jongh(エメー・デ・ヨング)、発行:Dargaud

1937年、ワシントン。大恐慌の影響を受けた農民を支援する任務を負った政府機関にやとわれた写真記者ジョンは南部の住民の貧困を目の当たりにする。

ACBD批評グランプリ2022最終ノミネート。
第15回日本国際漫画賞の最優秀賞も受賞しています!


『Dessiner encore(もっと、描き続ける)』

作:Coco(ココ)、発行:Les Arènes BD

2015年、風刺出版社シャルリ・エブドが襲われたテロ事件で犯人に遭遇した風刺漫画家ココが、事件当日や、自責の念に駆られて苦しむその後のトラウマを描く。

ACBD批評グランプリ2022ノミネート。

シャルリ・エブド事件と言えば、カトリーヌ・ムリス『わたしが「軽さ」を取り戻すまで』という邦訳作品もありますね!

『Dessiner encore(もっと、描き続ける)』については、フィガロジャパンの記事にこの作品が詳しく紹介されています。


『Le Choeur des femmes(女声合唱団)』

作:Aude Mermilliod(オード・メルミリオド)、発行:Le Lombard

優秀な成績で医大を卒業したジャン。外科を望んでいた彼女はインターンで婦人科に配属される。彼女を指導するカルマ医師は患者の声を聴くことに熱心で、避妊、出産、家庭内暴力、中絶……さまざまな相談が寄せられるなか、ジャンの考えは変わっていく。
Martin Winckler(マルタン・ウィンクレール)の小説のコミカライズ。


『L'Etreinte(抱擁)』

作:Jim(ジム)、画:Laurent Bonneau(ローラン・ボノー)、発行:Bamboo

師のロミーと、初めての展覧会の準備をする若き彫刻家ベンジャミン。週末、フランス国境に近いスペインの海岸の町カダケスで、思わぬことが起きる。海岸で撮影された見知らぬ人の物語。別れの物語。


グランプリ

『1984』

作:Xavier Coste(グザビエ・コステ)、原作:George Orwell(ジョージ・オーウェル)、発行:Sarbacane

思想・行動などあらゆる行為が規制された管理社会。歴史記録の改竄作業をおこなう下級役人のウィンストンは、禁止されている行為に手を染めてしまう。ジョージ・オーウェルのディストピアSF『1984』のコミカライズ。

ACBD批評グランプリ2022ノミネート。

なんとグランプリは、ジョージ・オーウェルのディストピアSF小説『1984』のコミカライズが受賞しました!
この作品は日本でも森泉岳土さんが2019年にコミカライズされており、このグザビエ・コステさんのほかにも海外でもいくつか最近描かれています。(世界的に流行りなのでしょうか…!?)

今回グランプリを受賞したグザビエ・コステと、昨年の受賞者マチュー・バブレのインタビューが動画になっています!
こちらもぜひご覧ください!
フランス語ですが、お二人の共作ドローイングも見ることができます!


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さてFnac France Inter BD賞2022のノミネート作品はいかがでしたでしょうか?

書店とラジオ局が主催するこのマンガ賞。
ACBD批評グランプリやアングレーム国際漫画祭の公式セレクションとはまた一味違った作品が選ばれていて興味深いです!
みなさまの気になる作品がありましたら幸いです。

ノミネート作品のうちフレデリック・ペータースの『Oleg』、ジム・ビショップの『Letters perdue』とバスティアン・ヴィヴェスの『Corto Maltèse Océan noir』(2022年2月時点取り寄せ中)は当店にもございます!
気になった方はぜひ見に来てください!

それではみなさま、素晴らしき海外マンガライフをお楽しみください~!

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