「ブタにそっくり」と新聞に掲載された本屋の店主が、唯一無二のブタのロゴを作ってもらう話
「わたしとブタ」について語る時、どうしても語らなくてはならないエピソードがある。
今からもう2年も前の話になるが、今思えばこの頃から、わたしが豚の名前を冠した本屋を開くことは、運命として決まっていたのかもしれない。
あれは未来屋書店。イオンモールの中に入っている、大型書店の中での話だ。
当時6歳の娘と一緒に、本屋で時間を潰していた。
絵本のコーナーを見て、コミックスのコーナーを見た後だっただろうか。
文庫本エリアを二人でうろうろしていた。
つい真剣になって、本選びに夢中になってしまった。
後ろからついてくる娘は、
「ねぇパパ~、ねぇパパ~、はやく行こ~」
と、ぐずり始めている。
せっかく本屋に来られたのに。
私の癒やしの場所なのに。
どうしても疲れた心を本で癒やしたい私は真剣に本選びを続けた。
そうしている内に完全に娘を見失った。
「はっ!! 娘! 娘はどこ?」
思うやいなや駆け出した。同じように文庫を物色する客の間をかいくぐって娘を探す。
隣の棚? 後ろの棚?
しまった、娘はどこだ。
そのとき。
隣の棚から発せられた娘の大声が、未来屋書店に響き渡った。
「ねえパパ!この本!パパにそっくりなブタがいる!!」
肩を小さく揺らして笑っている文庫本コーナーの客。
恥ずかしい気持ちと無事だった安堵がごちゃ混ぜになった私は、そそくさと未来屋書店を去ったのだった。


という一連の出来事を義母に話したところ、
義母、新聞に投書。
内容がちょっと違ってしまってはいるが、なんと県内版の新聞に掲載され、ばっちり名前付きで晒しあげられることになってしまったのであった。
と、いうわけで、ここまでが長い前置き。
ブタコヤブックスのロゴ兼アイコンの作成のお願いに行ってきたのだ。
「お店のロゴどうしよう」
って、かれこれ半年ぐらいずっと考えていた。
世の本屋さんのロゴは非常に格好がいい。
名古屋の本屋さんで言えば、じゃあ、まずON READINGさん。
シンプルかつ、クール。どこからどう見ても本屋。
これいいよなあって、目にするたびに思う。
カクカクブックスさん。
斜めに見ると所在地各務原の「各」になっている。
あと、イメージカラーがこの鮮やかな黄色で統一されている。スタイリッシュな雰囲気が、お店のご夫妻の雰囲気にぴったりだと思う。
本・ひとしずくさんも素敵。
店主さんやお店の雰囲気も含めて、やわらかい印象がとてもマッチしている気がする。
入口ののれんの色とも合わせてある。
フォントも、印象に大きな影響を与えるのか。
さあ、ブタコヤ。
私たちはどうしても、クールやスタイリッシュではいられない。シュッとまっすぐに立っていたいものだが、きっとそれは似合わないし、うまくできない。そういう人生なのだ。
もうこの似顔絵のままでいいじゃないか。

と、いうわけにもいかない。
そこで、お願いしてきたのは、このお方!

石田意志雄先生!

ちなみに先の、現在使用している似顔絵も、意志雄先生に描いてもらったものを使っている。
我々ブタコヤブックスはこの似顔絵で認知していただいているものだから、やはりここは意志雄先生に描いてもらうのが一番自然だと考えた。
わざわざ名古屋までお越しいただき、「こんな思いを込めたブタのロゴが作りたいんです」という思いをぶつけさせていただいた。
・三匹の子豚をモチーフにして…
・「学校・家庭・地域での教育」を表現して…
・正面を見ているブタがよくて…
・ほのかに香る程度の学校要素を入れてほしくて…
・子どもにも認識される分かりやすさで…
意志雄先生、大変である。
お願いしながら自分でも、「大変なこと言ってる…」と思ってしまった。
「学校・家庭・地域での教育を表現するブタ」とは。
もうここからは素人が立ち入れない、プロの領域。
そんな意志雄先生に最後にもうひとつ、熱い思いをぶつけてきた。
「矢場とんを超えましょう」
名古屋のブタと言えば「みそかつ矢場とん」。
目の前にはデカい壁。
こいつを超えなくてはならない。

なのでロゴ打ち合わせ終了後、夫婦で好敵手を食ってきた。

何を食っても美味い。

相手にとって、不足なし。

これは手強い。

ただ美味しく楽しく食っただけ。
とにかく、ロゴの完成が楽しみである。
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以上、【#08 起立 気をつけ 今から本屋を始めます】「ブタにそっくり」と新聞に掲載された店主が、唯一無二のブタのロゴを作ってもらう話 おしまい。
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