#15:変わらない組織には、『あきらめの空気』がある ── そこを変えた話
「うちの会社は変われない・・・」
経営者の方やマネジメントを担う方と話していると、よくそんな言葉を耳にします。
経営に関する相談を受け、その会社に訪問させていただいた際、たしかに、そういう「あきらめの空気」が漂っている会社は多い。
「社員さんが高齢化しているから」
「小さすぎる会社だから」
「アナログだし、何から始めていいかわからない」
「うちは特殊だから」
僕の会社も、かつてはまさにそうだった。
富山県で社員数わずか5名、平均年齢56歳。2つのセルフSSを運営する小さな会社です。
しかし、今では業界メディアの取材や講演依頼、地域のプロジェクトなど、さまざまな場面で「変化」の事例として扱われるようになりました。
僕たちの何が変わったのか?
なぜ“変われないはずの会社”が動き出したのか?
このnoteでは、そんな問いに向き合ってみたいと思います。
もしあなたがーー
✅ 自分の会社は特殊だから変わらないと思っている
✅ 社員の年齢層が高く、新しいことに踏み出すのが難しい
✅ 小さな会社でも変われるのか、疑問に思っている
と悩んでいる場合、この記事は、きっと何かヒントになるはずです

1. 「このままでいいのか?」という緊張感からすべては始まった
僕が会社の代表に就任したのは3年程前のことです。
ガソリンスタンドの代表権を持ち、富山の会社をマネジメントすることになりました。
とはいえ、僕自身はずっと横浜に住み続け、今もフルリモートで経営をしています。
最初に直感的に思ったのは「この会社にある“過去のやり方”は、一切持ち込まない」ということ。
形式的な引き継ぎすらしませんでした。
なぜなら、当時の会社にどんな空気があったか、正直すべてを把握できたわけではありませんが、少なくとも、
「変えようとしても変わらない」とみんなが思っている空気感を感じました。
「このままでいいじゃないか」と誰かが言っていたわけではない。
でも、変えようとすることが、逆に“損”になるようなムードが、じんわりと存在していたように思います。
だからこそ、僕は緊張しました。
「変えることは簡単じゃない」という、冷や汗をかくような空気を感じていたのです。
2. 最初の仕事は「変わる理由を設計すること」だった
「変えなければならない・・・」
でも、いきなり仕組みやDXから始めるのは違うと思っていました。
だから僕が最初にやったのは、「経営計画書をつくること」でした。
それも、ビジョンや理念を掲げるようなきれいなものではなく、
社員さんたちが“自分で動ける”ための羅針盤のようなものです。
評価基準、業務の分担、給与ルール……
すべてをゼロベースで見直し、納得と再現性があるものに組み直しました。
専門家の力を借りたわけでもなく、すべて自分の思う形をつくりました。
そして、社員さんが理解できなさそうな複雑な記載は徹底排除しました。
ポイントは、「社長が決めたからやる」ではなく、
「チームで進めることが、実は“得”である」という感覚を持ってもらうこと。
仕組みを押しつけるのではなく、
“変化することの意味”を構造化したんです。
経営者が言いたいことを書くというより、納得してもらうためです。
これは今振り返っても、必須の一手だったと思っています。
3. ストリートスマートな社員さんたちが、動き出した
ある日、社員さんがふと、こう言いました。
「やり方を少し変えてみたんですよ」
…すごくうれしかったんです。
あ、動き出してる。この会社、動き始めてるなって。
しびれますね。
ただ、今でも会社のメンバーからは時折、
「自分たちは底辺の人間なんで、こんなもんです」
なんて言葉が出てきます。
でもその言葉の奥には、「自分にはできない」という長年の刷り込みがあったりしますが、僕はあまりそうは思っていないし、今のうちのメンバーはそういう人格ではなくなっています。優秀です。
そもそも僕は、学歴と賢さは無関係だと思っています。
よく言うんです、「僕はストリートスマートな人が好きだ」と。
アカデミックスマート――つまり、学歴や知識で測れるような賢さもあるでしょう。
でも、僕がビジネスで必要だと感じているのは、お客さまを観察し、問題を読み解き、動く力です。
これはストリートスマートの領域。
うちの社員さんたちは、どんどんその力を伸ばしています。
それを見ていると、会社が変わったというよりも、
“変わる力”が引き出されたという表現が近いのかもしれません。
4. 小さな会社が動き出すために、必要だったこと
平均年齢56歳、社員数5名、地方のアナログガソリンスタンド。
このプロフィールだけを見れば、「変わるのは難しい」と思うのが自然です。
でも、僕たちは変わりました。
正確に言えば、「変化の設計図」を持ったことで、会社は動き出したのです。
何もしなければーー
人は変えられません。でも、変わる場はつくれる。
会社は変わりません。でも、変化する仕組みはつくれる。
大きな声を出さなくても、最新のITツールを導入しなくても、
静かに、確実に、前へ進む道はつくれると僕は信じています。
そっと背中を押すような。そんなイメージです。
Boost X projectのような取り組みも、まさにその延長線上にあります。
大きな会社じゃなくても、派手な投資をしなくても、
“仕組みと信頼”で、会社は変えられる。
人も、チームも変わっていける。
みんなのおかげで、そう思える瞬間が、今の僕にはたくさんあります。
5. まとめ
会社が変わるには、特別なリーダーシップや先進的なテクノロジーが必要だと思われる方もいらっしゃるかと思います。
僕の会社はDXという文脈で業界メディアの方々から見ていただけているのも事実です。
でも、僕がやってきたことは、とても地味で、泥くさいものでした。
「何が問題か?」と問い、「それを誰が担うのか?」を一緒に考える。
ときには遠回りのようなそのプロセスこそが、うちの会社を少しずつ前に進めてくれました。
社員さんたちは、もともと変われる力を持っていました。
というより、多くの人は持っていると思います。
ただ、その力がどう発揮されるのか、どこに出口を見つけられるのか、そこが見えづらかっただけです。
そして、経営者がそれを引き出す努力が必要です。
変化を起こすスピードは大きい会社ほど遅いです。
一方、”小さな会社”は小さな変化で変われますし、その変化スピードも早い。
「小さな会社なんで・・・」というのも、年齢もITスキルレベルも、すべて「変われない」理由とは思えません。
ある種、「変わる」という目的感のもとでは、大企業よりも圧倒的に有利です。
やるべきことは、
経営者が「正しさ」をただ伝えることだけでなく、
社員さんやメンバーが「変わるための理由」を設計し、
小さな変化を一緒に褒め合える関係性を築くことだったのだと思います。
完全に僕の経験と持論ではありますが、このnoteが、
「まだ動いていない小さな会社」
のみなさまに、なにかしらのヒントになってくれると僕はうれしいです。
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