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#827 漫画論66|ゴーマニズム宣言

そろそろ、この漫画を紹介しましょう。

「平成の奇書」と呼ばれ、日本のみならず世界中に影響を与えたと言っても過言では無い、時代を変えた漫画「ゴーマニズム宣言」を紹介します。


ゴーマニズム宣言とは?

作者のよしりんこと、小林よしのり先生は、1970年代後半に週刊少年ジャンプで「東大一直線」でデビュー(こち亀と同時)し、瞬く間にデビュー作が大ヒットし、低迷期を経て80年代中盤にコロコロコミックの「おぼっちゃまくん」で大ヒットし、そんな中で92年から同時連載で始まったのが「ゴーマニズム宣言」なんですね。

序盤は割とライトに、身近な「怒り」を紹介するだけの漫画だったんですが、これまで誰もが声をあげることができなかったタブーに踏み込むと、あれよ、あれよと言う間にフォロワーと敵を同時に増やし、とにかく大ヒット。
1994年に「ゴーマニズム」が、「同情するなら金をくれ」と並んで流行語を取ってるくらいなので、当時の人気が伺えます。

僕がゴー宣の存在を知ったのは、中学校か高校か忘れましたが、その頃にはすでに「新コーマニズム宣言」に移行しておりました。
で、高校に入ってリアルタイムでは新ゴーマニズム宣言の8巻が出ていたあたりですかね?
大学生の従兄弟の家で読んでいたんですが、そこでちょっと「面白いかも・・・」と思い、近所のGEOで旧・ゴーマニズム宣言を買い、そこでハマってリアルタイムで追いかけましたね。

今も家にあります。途中以降の奴は売ってしまったのですが・・・

ここで読んだ内容はかなり僕の中で影響を与えています。
今の自分の人格形成とかに、メチャクチャ影響してると思ってます。

それだけに強烈なパワーを秘めた漫画でした。
メチャクチャ面白いです。


ゴーマニズム宣言の魅力

1. これまで知らなかった世界を知ることができた

この本でかなり僕は今まで知らなかったカルチャー、概念、近現代史を学ぶことができました。
自主規制部分なんてメチャクチャ興味を持って、「封印作品」とかその辺も結構ハマって読んでしまいましたし、「従軍慰安婦」「南京大虐殺」とかに関しても考え方が180度変わり、政治への関心が凄く強くなりましたね。


2. リアルタイムで物語が動いている

この「無印」「旧」と呼ばれている、1992~1995年くらいまでゴーマニズム宣言を読んでた人達は、マジで面白かったと思います。
よしりんがオウムを疑って世間が動いたり、薬害エイズ問題に火をつけたり、戦争論で日本の自虐史観に風穴を空けたり・・・と、リアルタイムで日本が動いていくのはメチャクチャ面白かったと思います。
僕が読みだした時は911とかイラク戦争開戦とかその辺でして、流石に国外の話だったのでそこまで時代が一緒に動いている感は無かったのですが、それでも面白かったですね。


3.とにかく共感できる内容

まずは内容が共感できるんですけど、それを「漫画」という媒体で表現し、更にはユーモアを交えた不謹慎極まりないパロディやジョークを入れたりして、エンターテイメントとしても完璧なんです。
この正論を伝わる表現で、説得力ある形で提供すること。
これはマジで真似しようと思ってできる内容ではないので、本当に凄いですね。

この後に人種差別などに関して言及した「差別論」、薬害エイズ問題に関わる運動について語った脱正義論、そして大東亜戦争について語った戦争論etc…と、まだまだ切り出して紹介できるテーマは多いです。
あと、この僕のnoteで、マガジンを「〇〇論」に分けているのは、これらの影響ですね。


ゴーマニズム宣言 印象的なストーリーBEST10

1. 序盤(1巻)

1巻はまだプロトタイプ感もあり、身近な怒りや、プロレス、音楽業界などオールジャンルで身の回りの怒りを語っているんですが、その中でも「差別」「HIV裁判」とのストーリーがメッチャ重いですし、印象的なのですが…この2つは切り分けて「差別論」「脱正義論」で語りましょう。

1巻はまだテーマも重くなく、一番平和です。
「パンツを見せろ!」とミニスカート女性にブチ切れる回は笑います笑
「ミニスカをはくならパンツを見せろ!見せないならはくな!でもはけ!全員はけ!」みたいな滅茶苦茶な理論ですね笑


2. 統一教会批判(2巻)

このストーリーで「統一教会」という地獄の集団を知り、当時マジで恐ろしいと思いましたが、まさかこの「統一教会」から数十年後にとんでもない悲劇が訪れることになるとは思ってもおりませんでした。よしりんが問題提起したこの時点で問題視し、粛清すべき団体でしたね…
宗教は本当に恐ろしいです。


3. カバ焼きの日(2巻)

そして皇室をパロディ化した、こちらは連載誌のSPAで掲載が見送られて話題になった作品です。
「雅子さまがこんな事したら面白いだろうな」という内容で、特に思想的なものも無かったんですが、やはり皇室イジリはタブーだったんですね。
但し、結果的にこの作品が影響して、人間関係が繋がったり、よしりんも皇室に関して関心を寄せたり、色々切っ掛けになった回でしたね。


4. 自主規制(3巻)

これはメチャクチャ面白いです。是非皆さんに読んで欲しいですね。
とにかく「保身に走る出版社の行き過ぎた自主規制が文化破壊をする」というテーマを実体験をもとに赤裸々に語るという、かなりチャレンジングな作品です。

この手の「言葉狩り」「自主規制」は90年代で謎に勢いを増してきており、僕の家にあった80年代にリリースされたガラスの仮面とかで「きちがい」「めくら」って書かれている表記が、文庫版とかだと全部修正されていたりします。


5. 新右翼&解同との交流(4巻)

1巻で「差別」について描いたものが膨らみ、新右翼の代表や、部落解放同盟の代表と色々と話したりして、この辺も色々と勉強になりましたね。
よしりんの発想とかは良い意味でエグいですね。
そんな感じですが、この辺の詳細は次回以降の「差別論」で紹介します。


6 .HIVの裁判編(5巻)

こちらに関してもなかなかエキセントリックなんですけど、この辺も「脱正義論」でまとめて紹介しましょう。


7. 死闘編突入(6巻~7巻)

そしてこの辺からが凄いです。
とにかく目立つよしりんが気に入らない言論者たちが、よしりんを批判、批判、批判!
そうした批判に対し、徹底的に論戦をふっかけるという事をやっています。
もう完全によしりんの主観で書いてるんで、相手はボロクソなんですが・・・笑


8. 第一秘書の離脱(7巻)

そして、スキャンダラスな「噂の真相」という雑誌の攻撃で、第一秘書のプライベートを暴かれて、秘書は退職します。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い的な感じのバーリトゥード(なんでもあり)状態で、見苦しい批判をされて・・・という感じで、なかなかエグイ展開でよしりんも苦悩します。


9.オウム死闘編(8巻)

そして何と言ってもこれでしょう。
当時日本を震撼させたオウム真理教について、よしりんは早くから「テロ組織」であることを公言していたら、「とりあえず殺そう」という感じだったことが発覚したという、改めてトンデモ集団だったことが明らかになりました。
暗殺されそうになった漫画家というのもすごい話ですよね・・・


10.SPAとの決別(9巻)

で、そんなオウムに殺されそうなよしりんに対し、SPAではオウムを擁護するというとんでもない展開になり、失望したよしりんはSPAからSAPIOに移籍するという話です。メチャクチャですよね・・・


まとめ

以上、そんな感じで全9巻、マジで面白いです。
実話で勉強になるというのもありながら、物語としても面白い。

以降も「新・ゴー宣(15巻まで)」「差別論」「脱正義論」「戦争論(3まで)」「台湾論」までは持っているんですが、以降は持っていないんですね(持ってたのもあったんですが・・・)

正直ここ数年のよしりんの考え方は「??」というのもあったりなのですが、共感できる内容も多いですし、一概に良い悪いとは思ってないですが、それでもやはりこの時期から、新ゴー宣15巻くらいまでは最高に面白かったので、また改めて紹介します。

てなわけで次は差別論を書きましょう。
ただゴー宣が続くとテーマが重くなってしまうので、また緩い漫画も交互に紹介していこうと思っています。
しかし、前回が瑪羅門の家族だっただけに、凄い落差になってしまいましたが・・・笑

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