#994 アルバム論72|勝訴ストリップ / 椎名 林檎(2000)
前回のアルバム論にて、椎名林檎のデビューアルバムの「無罪モラトリアム」を紹介しましたが、かなりのPV数を記録し、公開して1週間弱で、歴代の全投稿記事のTOP30に入るくらい見て頂けております。
そもそもこのnoteの人気が無いというのもありますが・・・いずれにせよ、無罪モラトリアムが世代を超えて支持されているアルバムである事が分かりますね。
そんな感じで本日は無罪モラトリアムの勢いがある中リリースされた2ndアルバム「勝訴ストリップ」を紹介しましょう。
勝訴ストリップとは?

勝訴ストリップは2000年3月31日、前作リリースから僅か1年1ヶ月と言う短いインターバルでリリースされました。
今考えるとこの短期スパンでのリリースは異常ですが、当時の音楽業界はセルアウトな世界だったので、どのアーティストもそうしたリリースラッシュを迫られていたのである種致し方なかったのでしょうが・・・
それでもこの短期リリースが功を奏し、このアルバムは250万枚のダブルミリオンを達成!
そして椎名林檎もトップアーティストの仲間入りをしましたね。
僕はこの時期は完全に林檎フリークになっており、話題のシングルの「本能」と、2枚同時リリースした「ギブス」「罪と罰」も抜かりなく購入しており、凄くワクワクしながら本作を購入しましたね。
ハイスタのLove Is A Battlefieldと当時に購入した記憶があります。
そんな感じでワクワクして購入した本作ですが、前作よりロック色が強くなった印象があり、メチャクチャ大好きでした。
無罪モラトリアムも好きですが、個人的にはこの勝訴ストリップの方が好きだったりします。
この年にリリースされたCDでは一番このアルバムを聞いた気がします。
Relaxin'も相当聞きましたが、多分このどちらかのアルバムが2000年の個人的ベストアルバムでしたね。
勝訴ストリップ 歌詞カード







勝訴ストリップ 渾身の全曲解説
1. 虚言症
アルバム1曲目は前作の「正しい街」にも若干通じる所がある、そこまでイケイケな曲と言うよりかはちょっとしたロックバラードで始まります。
僕はこの勝訴ストリップは好きすぎてベースでも弾きたくなり、バンドスコアを買ってしまったので、一通りこのアルバムの曲はベースでチャレンジしたんです(難しすぎて弾けない曲もありましたが・・・)
そんな感じのこの曲は、亀田師匠のゴキゲンなベースから始まる感じでして、この冒頭のイントロのベースラインはまだ弾ける気がします。
とにかくこのアルバムは全体的にレベルが高すぎるが故にちょっと印象が弱くなっておりますが、普通に良い曲ですね。
高校時代に作ったとは思えないレヴェルの高いオープニングナンバーでこのアルバムは始まります。
2. 浴室
全体的にロックテイストな曲が多いこのアルバムなんですが、この曲は打ち込み系でちょっとデジタルな特異な感じな曲だったりします。
林檎はこの曲が一番このアルバムで好きと当時のインタビューで語っておりましたが、その後も歌い続けているのがその証左でしょう。
この曲も割とベースが主張しており、この曲のベースラインも今でも弾ける自信があったりします。
あとこの曲の思い出で言うと、大学時代ですね。
大学の頃100回くらいコンパに行ったんですけど、その時にカラオケに行った際に、僕は大抵「林檎歌ってよ」と女子チームにリクエストしていて、或る会で一番可愛かった娘がこの曲を歌っていて「いいセンスしてるな」と思ったという、そんなメロウな思い出もありますね笑
3. 弁解ドビュッシー
林檎の変態さと言うか、ロックンロールが爆発している曲ですね。
大学時代に一緒にバンドを組んでいたドラマーがハードコア大好き野郎だったんですが、その男が唯一持っていたアルバムがこの勝訴ストリップで、そのアルバムの中で「この曲は最高」とべた褒めしていました。
リフとかが重く、ラウドな感じで洋楽っぽくて、好きな人はかなり好きな曲ですが、ロックファン以外にとっては割とノーマルな曲でしょうね笑
4. ギブス
5thシングルです。
「罪と罰」と同時にリリースして、こっちの方が売れたみたいですね。
この曲は重厚なロックバラードで、とにかく重く、暗く、ヘヴィーな曲ですが、それでもキャッチ―でかなりカッコよくて売れたという辺りが、僕の中でイエモンのJAMが重なります。
この曲のPVもなかなかカッコいいですね。16歳の僕には目の場所に困り、刺激が強すぎましたが・・・笑
この曲は歌詞にカート・コバーンが出てきますが、Nirvanaとかも当時周りは皆聞いてたりしたので、その辺でもシンパシーを感じていたような記憶もありますね。
高3の学祭で椎名林檎をコピーした時、ヴォーカルとギターはこの曲をやりたがったんですが、この曲のベースラインは割と単調なので僕が嫌がってやりませんでしたね笑
5. 闇に降る雨
ギブスのアウトロがそのまま繋がってこの曲がフェードインするんですが、交響楽団(?)的な方々が加わる、クラシックな感じのシャレオツな曲です。これを22歳で作ったという事実に対して、改めて林檎の天才っぷりを感じてしまいますね。
曲は本人曰く「演歌」調の曲なんですが、普通にメロウでカッコいい曲です。シングルで切っても違和感ない曲ですね。
そしてPVは初めて見ましたが、曲の雰囲気にマッチしたPVですね。
6. アイデンティティ
この曲もメッチャ好きでしたね。
このアルバムでかなりロックな曲で、この曲は是非ライブバージョンを聞いて欲しいです。
ドラムの入りからカッコいいんですけど、ギターのリフがユニゾンになっていくイントロがAメロまで続く所なんて、正にロックのお手本的な曲です。そしてBメロ、そしてサビも最高にロックな感じで、カッコいいです。
この曲はレコード会社の人達から「様々な言葉で各々の」意見を言われて、その中から「正しい」とか「間違い」とかを「全てを見極めなければならない」という状況に対して、「何処に行けばいいんですか」とアイデンティティを考えるという感じで、改めて天才すぎてヤバいですね笑
この曲は割とメジャーだったのもあって学祭でもライブでやりました。
イントロ~Aメロのベースラインは割とノーマルなんですが、Bメロとサビのベースは割とブリブリで弾きごたえがあり、ラスサビの「君を信じていいんですか」の所はかなり主張していて最高に弾いていて気持ちよかったです。
そしてこの曲のPVは当時から違和感でしたが、今見て改めて違和感です笑
こんなカウボーイハットでサボテンなゴキゲンな感じのPVじゃないんです笑
(あえてだとは思いますが…)
7. 罪と罰
この曲はギブスと同日発売となった6thシングルで、セールス的にはギブスに負けてしまったのですが、僕はこの曲の方が好きでした。
このアルバムでもコアになっており、アルバムの中心に置かれています。
何といってもベンジーがこの曲をカッコいいと認めてギターを弾いているという時点で死角は無いのですが、亀田師匠のベースもメチャクチャカッコいいですし、ドラムもヴォーカルもカッコいい、ライブで映える曲です。
この曲のベースも弾いていて最高に楽しいですね。
終始ブリブリで弾きごたえがあるんですが、ラスサビで転調した2回目のサビの「不穏な悲鳴」のところのベースラインが最高に大好きで、最高にテンションがあがりますね。もうこればっかり弾いてました。
PVもカッコいいですね。ベンツを2,000万円かけて真っ二つにする辺りにアートを感じました。
8. ストイシズム
この曲はこのハードでヘヴィーなアルバムにおいて箸休め的な感じのインタールードにも近い感じな曲ですね。
歌詞もオフィシャルですと下記のみだったりします。
あなた
きれい
すてき
きらい
つよい
よわい
まぁちょっと休憩がてらで聞いておきましょう。
9. 月に負け犬
このアルバムのベストソングですね。
この曲は本当に素晴らしいと思います。
未だに少し弱っている時に聞いたら、ウルっとしてしまう位の名曲ですね笑
とにかく構成が最初から最後まで素晴らしく、非の打ち所がない名曲と思っていますが、言語化するとロックであり、メロウであり、メロディアスな所が好きなんだと思っています。
全体的なグルーヴ感はライブで盛り上がりますね。
で、Bメロとサビの繋がりが凄く好きですね。
歌詞といい、メロディといい、構成といい、本当に素晴らしいですね。
此の河は絶えず流れゆき
一つでも浮かべてはならない花などが在るだろうか
無い筈だ
僕を認めてよ
明日くたばるかも知れない
だから今すぐ振り絞る
只伝わるものならば 僕に後悔は無い
その後の2番のベースだけになる所も、間奏も、「吐く息が」の所も、終わり方も全てが最高です。
この曲のベースもメチャクチャ弾いていたので未だに覚えていますが、良い感じに難しくてかなり試練の場となりましたね笑
それまでハイスタとかしか弾いてなかったので、亀田師匠のベースのお陰で大分レベルアップできたと思っています。
10. サカナ
この曲は僕が知る限り、椎名林檎で最もベースが難しい曲ですね。
上で「亀田師匠のベースでレベルアップできた」と書いておきながら、この曲はマジで弾けずにリタイヤした記憶があります笑
Aメロは簡単で、Bメロから難しくなり、サビはもう完全にお手上げです笑
このサビのベースを弾ける人は変態ですよ笑
そんな感じでとにかくベースが変態的な曲です笑
11. 病床パブリック
この曲はこのアルバムでも一、二を争うロックな曲で、この曲も大好きですね。
かなりベースの主張が良い感じで、この曲も良く弾いていました。
割とこの時期のライブの鉄板曲だった印象が強く、結構多くのライブで演奏していたんですけど、下剋上エクスタシーのライブが最高にカッコいいです。
村石さんのドラム、そして西川さんと林檎が手を挙げてイントロのギターを弾き、亀田師匠が機械の様にベースを刻む辺りが最高ですし、間奏のキーボードソロも良いし、ラスサビ~アウトロまでも最高に盛り上がります。
ライブで最高に栄える曲ですね。
そんな感じで下剋上エクスタシーの完パケ動画を発見したのでおいておきますが、これは全部カッコいいので是非見て欲しいですね。
12. 本能
そして4thシングルの本能です。
多分一番売れた曲で林檎がブレイクした曲といっても過言では無いでしょう。
何といってもナース姿でガラスを割りまくるというコンセプトがかなりセンセーショナルであり、そこから人気に火が付いた印象があります。
コンセプトといい、PVといい、歌詞といい、なかなかエロチシズムに溢れており、当時の僕にはかなり革命的でした。
この曲か、幸福論(悦楽編)を聞いたのか、どっちが先かを忘れてしまったのですが、この辺で僕は林檎のファンになったのでこの曲にはメチャクチャ思い入れはありますね。
この曲もライブでやったので、ベースは多分今でも弾けると思います。
イントロのハイポジションで弾く所以外は簡単なので、入門編には良いかも知れません。
13. 依存症
そしてアルバムのラストを飾るこの曲も壮大なロックバラードで、この曲も最高にカッコいいですね。
ギブスにも匹敵するロックバラードですが、僕はギブスよりこの依存症が好きだったりします。
とにかくメロディが本当に素晴らしい。彼女は天才です。
そして歌詞はものすごくディープでハード!
あたしがこのまま海に沈んでも
何一つ汚されることはありませぬ
それすら知りながら あなたの相槌だけ望んでいる
あたしは病気なのでしょう
とにかくメチャクチャ愛している人に依存している、とにかく切ない曲ですね。
そしてこの曲は総演奏時間を55:55にしたいが故にアウトロがメッチャ長いんですけど、このアウトロの長さが余韻になり、良い感じだったりします。
まとめ
そんな感じで無罪モラトリアムに続いてなかなかの長文で書いてしまいましたが、やはりこれを25年前にやっていたと考えると、改めて椎名林檎というアーティストがいかに天才だったかが伺えますね。
僕が知らないだけだとも思ってますが、このクオリティに匹敵できるアーティストはいるんですかね?
22歳の女性で、ここまでカッコよくて泣けるロックンロールを体現できたアーティストは他にいないはず!
そんな感じでこの時期の林檎がやはり本当に大好きだったので、ちょっと3rdアルバム以降で大人な雰囲気になってしまったのがその反動で少し寂しかったりだったのですが・・・
そんな感じで2ndと3rdの間にリリースされた異例の傑作集である「絶頂集」を次回は紹介しましょう。
