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#1463 漫画論104|20世紀少年

ビッグコミックスピリッツの漫画を中心に紹介しておりますが、本日は90年代後半~2000年代に爆発的にヒットして、恐らく読んでなかった人間はほとんどいなかったと思われる浦沢直樹の代表作「20世紀少年」について紹介しましょう。

僕が浦沢作品で一番好きなのはYAWARAですが、20世紀少年も14巻位まではメチャクチャ好きでしたね(後述)


20世紀少年とは?

20世紀少年は浦沢直樹による長編サスペンス作品で、1999年から2006年まで連載され、その後の完結編として21世紀少年が発表されました。
1970年前後の少年時代を過ごした主人公たちが描いた空想が、現実の世界で世界規模の危機として蘇るという壮大なストーリーが特徴で、日本漫画史を代表する名作とも言われているようです。

主人公の遠藤ケンヂはロックスターを憧れていたものの、夢破れて父親の酒屋を継ぐも経営難でコンビニのフランチャイズを受けて、四苦八苦しながら経営するどこにでもいるような中年男性です。
そんなある日、小学校時代の友人・ドンキーが謎の死を遂げたことをきっかけに、ケンヂは少年時代に仲間たちと書いた「よげんの書」という、世界征服計画の空想ノートが現実に再現されていることに気づきます。

その計画を実行しているのは「ともだち」と呼ばれる謎の人物であり、それはよげんの書の内容を知る、確実に同級生の誰かなのですが、そんなともだちは宗教団体のような組織を作り、信者を増やしながら世界を支配しようとしていました。

そんな感じでケンヂとその仲間達 vs ともだち軍団という対立構造の物語なのですが、時代が行き来する感じが秀逸です。
ケンヂ達が小学生だった1970年代と、物語が始まる1990年代、そして連載当時から少し未来の2010年代・・・という感じで、少しずつ「ともだち」の招待が分かってくる感じで、サスペンス、SF、社会ドラマが融合した非常にスケールの大きな作品です。


20世紀少年の魅力

1. 緻密で壮大なストーリー

最大の魅力は、長い年月をかけて展開する緻密なストーリーです。
そして浦沢直樹の前作「MONSTER」にも象徴するような、伏線が鬼の様に張り巡らされており、1巻の時点で未来を小出しにしたり、少年時代の何気ない出来事が大人になってから重要な意味を持ったり、その点と点が繋がる展開が非常に面白いのですが、反面「え???」みたいな内容も多かったりで、その辺がなかなか難解であり、読者を選んだりしました。


2. 「普通の人」が主人公

主人公ケンヂはヒーローではなく、普通の中年男性です。
ギター好きの元ロック青年で、コンビニで切り盛りしながら平凡な生活を送る、そんな人物が世界を救うために立ち上がる姿は、多くの読者の共感を呼びました。
「子供の頃の夢が大人になって現実になる」というテーマも普遍的で、多くの人の心に響きましたね。
他のマルオやヨシツネといった友人たちも、普通だけど立ち上がる、というのが非常にドラマティックで良かったですね。


3. 昭和文化へのノスタルジー

1970年代の日本の少年文化が丁寧に描かれている点も魅力です。
1969年のアポロ11号の月面上陸や、1970年の大阪万博など、実際の出来事が描かれており、「駄菓子屋」「秘密基地」「空き地」「万博ブーム」「ロック音楽」などの要素が、昭和世代の読者に強い懐かしさを感じさせましたし、一方で若い世代にとっては「未知の時代の冒険物語」として楽しめます。


4. 恐怖を感じさせるリアリティ

『20世紀少年』の悪役「ともだち」は、非常に現実味のある存在です。
宗教団体から始まり、カルト的組織となって信者は暗殺を行ったり、テロを行ったりと・・・どこかで聞いたような組織になり、更には国政政党になるんですね。
余談ですが2009年に今は無き民主党が政権を奪取し、「悪夢の民主党政権」という地獄を僕らの世代は経験したのですが、党首の鳩山由紀夫が「友愛」とほざくのを見て、僕等はこの作品のように世界は終わると思ったものでした笑

こうした描写は現実の社会にも通じる部分があり、「あり得そうな恐怖」を感じさせてくれましたね。


5. 実写映画化の完璧すぎるキャスティング

実写化のメンツがメチャクチャリアルで良かったですね。
ケンヂが唐沢寿明、オッチョがトヨエツ、ユキジが常盤貴子というのも素晴らしかったですし、ケロヨンが宮迫とかそういう細部まで何気に熱いのが良かった。
そして、三部作という大規模な映画化は日本では珍しく、原作のスケールの大きさを象徴しています。
と偉そうに言っておきながら僕は見たこと無いので・・・機会があれば見たいと思います笑




20世紀少年で印象に残っているキャラクターBEST10

10位 ともだち

本作を盛り上げた「ともだち」は、本当は悪い奴なんですが、世論を上手く捜査して世間的にはカリスマになっているという辺りがまさに現実世界に通じるものを感じました。
で、今回改めて状況を整理しようとWikiを見たんですけど、そこで結構なかなかセンセーショナルなことが書いてあって、「・・・そうだったの?」と思ってしまいました。
小学校時代に死んだってのは、お前だったのか・・というか何と言うかで、このタイミングで初めて内容を理解できたという笑
やはり難解すぎましたね・・・笑


9位 史上最悪の双子、ヤン坊マー坊

ケンヂ達が過去のエピソードを回想する際、トラウマレベルの悪行を行ってきたガキ大将ですが、それが双子で×2だったと考えると、なかなかハードコアないじめっ子たちでした。
で、大人になってエリートになってるのも憎らしいんですよね笑
最後の最後は改心していい奴になった記憶もありますが、とにかく印象に残るキャラクターでしたね。


8位 チョーさん

伝説の刑事と呼ばれたチョーさんです。
2000年くらいの時点で知りすぎてしまい、既にともだちの一味になっていた相棒のヤマさんに「絶交(殺害)」されてしまいました。
ケンヂがようやく最後に分かった答えに早々に気付いた辺りが伝説の刑事と呼ばれた所以でしょう。


7位 万丈目胤舟

久々に名前を思いだしましたが、とにかくこいつも悪い男でした。
ともだちの側近であり、のちにカルトから国政政党になる公・・・もとい参・・・改め友達民主党、通称友民党の党首となった男です。
前述の通り、鳩山由紀夫がイメージに近いでしょう笑


6位 神様

いい奴なのか悪い奴なのか分からない感じで、結局どうだったか忘れましたね笑
なんとなくこの順位にしましたが特に思い入れは無いです笑


5位 ヨシツネ

元々は冴えないサラリーマンだったのですが、血のおおみそかという色々あった事件以降は反政府組織のリーダーになった男でした。
15年でここまで老けるか・・・と思いましたが、まぁその辺を突っ込むのは野暮ですね。
とにかく存在感が無いようで、しっかりとあるキャラクターでした。


4位 ユキジ

浦沢直樹の描くヒロイン、という感じのちょっと癖のあるヒロインでしたね。
ケンヂに思いを抱いていたのに、結構まったくラブコメとして進展しないあたりが個人的には良かったですね。この作品に恋愛は不要なので・・・
元々はイケイケで登場するんですが、血のおおみそかで一気に年を取って落ち着いた年配の女性になったのが哀しかったですね笑


3位 カンナ

中盤からこの漫画の主人公的な感じですね。
「ともだち」と「ケンヂの姉」の娘というかなりハードな立ち位置で生まれるも、ケンヂ派として日本の為に、いや世界の為に清濁併せ吞んで奮闘するチャンネーでした。
若くしてカルマを背負ってしまった、大変な生い立ちだったので最後は幸せになって欲しいですね。


2位 オッチョ

ケンヂの親友にして相棒ですね。
元々は「ともだち」の最有力候補でしたが、信頼できる仲間になりました。
頭脳明晰で腕っぷしも強いのはチート過ぎるので、収監されたり色々とハンデを付けざるを得ない感じだったのでしょうか?
ヨシツネ同様、血のおおみそか以降で急激にジジイになったのは違和感でしたが笑
終盤で亡くなった子供に力を貰うのは屈指の名シーンでしたね。


1位 ケンヂ

そしてやはり主人公のケンヂですね。
もう語り尽くした感もありますが、普通の中年ながら正義の味方となり、ロックスターになり夢を叶えた感じでしたね。


まとめ

そんな感じですが、最初にともだちの正体がフクベエと判明する時がピークで、その辺までは熱中して単行本も買いながら読んでいたのですが、以降はなんとなく惰性で読んでいましたね・・・
MONSTERと同じ感じでした。

あと今思い出しましたが、単行本の中に「ひみつ集会のお知らせ」のメモの投げ込みがあった時はメチャクチャ怖かったですね笑

とは言え、序盤はマジでメチャクチャ面白かったですし、浦沢先生の天才差を証明する作品であったことは疑いないでしょう。

そんな感じで次回も引き続き、スピリッツの漫画を紹介していきましょう。

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