#1478 漫画論105|土竜の唄
まだ連載中の作品ではありますが、前回ヤングサンデーについて紹介した時に軽く触れた「土竜の唄」について紹介しましょう。
「土竜の唄」とは?

土竜の唄は、高橋のぼるによるヤクザ潜入捜査をテーマにした漫画です。2005年に週刊ヤングサンデーで連載開始し、その後週刊ビッグコミックスピリッツに移籍し、2026年3月現在で既刊94巻が発売されており、なかなか長期連載としてアフロ田中シリーズと共に、20年くらいスピリッツを支え続けています。
物語の主人公は、問題だらけの警察官・菊川玲二(きくかわ れいじ)。
彼は正義感はあるものの、暴力沙汰や素行の悪さで警察内部でも厄介者扱いされていました。
そんな玲二に与えられた任務は、暴力団への潜入捜査。
警察官としての身分を消され、犯罪組織に入り込み、内部情報を集める潜入捜査官――通称「モグラ」として活動することになります。
玲二が潜入するのは、構成員8千人が所属する広域暴力団で、危険人物が多く、「日本一凶暴なヤクザ」と恐れられている数奇矢会です。
そんな玲二はヤクザの才能があったようで、少しずつ信用を得ながら、ボスである轟周宝を逮捕しようと奮闘するのがあらすじです。
潜入捜査はハードなテーマであり、常に危険とトラブルが連続するのですが、コミカルかつ痛快に描いた作品で、青年漫画の人気シリーズとして知られています。
「土竜の唄」の魅力

1. ヤクザ漫画なのに「ギャグが強い」
本作は暴力団の世界を描いた漫画ですが、シリアス一辺倒ではありません。
むしろ、コメディ要素が非常に強いのが特徴です。
ヤクザ同士の抗争なのにバカバカしい展開になったり、漫画とは言えやりすぎでは・・・と思う極端なキャラクターが登場したり、下ネタや破天荒なギャグが多かったりで・・・ありそうでなかったヤクザ漫画ですね。
この「危険な世界 × 笑える展開」のギャップが大きな魅力で、読者からは
「ヤクザ漫画なのに笑える」「熱いのにバカバカしい」といった評価を受けており、より広くの読者に愛されております。
その一方、コアな任侠漫画ファンには刺さらなかったりもありました。僕の親父に紹介しましたけど、奴はハマらなかったですね。
2. 個性的すぎるキャラクター
「土竜の唄」の人気を支えるのが、強烈なキャラクターです。
ウシジマくんとかでもそうでしたが、ヤクザを扱う時は実在しなそうな名前をつけるルールがありそうなので、まず名前が攻めているのが特徴です。
で、あとはキャラクターもなかなか狂っているキャラが多く、漫画とは言えやりすぎなキャラも多かったですが、それはそれで良かったですね。
こうした「濃すぎるキャラ」が次々と登場するため、読者の印象に強く残ったのも人気の理由と言えるでしょう。
3. 男の友情・任侠ドラマ
本作はギャグが多い一方で、熱い人間ドラマも大きな魅力です。
特に玲二が2巻で速攻五分の兄弟になるクレイジー・パピヨンとの兄弟仁義はなかなか熱いですし、僕も同時期にこの漫画にハマっていた友人を兄弟と読んでますからね笑
そんな感じでギャグとシリアス以外にも、こうした熱い展開もあったりするのが良いですね。あと13巻とかはSEXしてるだけだったりしましたが、それもそれでよかったと思っています笑
4.実写版が良かった点

実写がメチャクチャ良かったですね。
僕が人生で最後に映画館で見たのがこの実写版だったと思っております。
しかも今の奥さんと当時デートでよりによってこの映画を見たという、センスの悪さを炸裂してしまっておりますね笑
生田斗真の玲二もですが、堤真一のパピヨン、岡村の猫沢とか、結構いい感じのキャスティングだったのを覚えてますし、何と言ってもこの手のアホ映画をクドカンという天才がいい感じに料理してくれましたね。
シリーズ化されており、全部で3作リリースされたようですね。
「土竜の唄」の印象に残るキャラクターBEST10
10位 酒見署長・赤桐一美・マトリの独歩課長

玲二を潜入捜査官に任命したトリオですね。
ヤクザになった玲二に対して、時に手厚く、時にクソテキトーにサポートをする憎めないオジサンたちです。
この国からMDMAなどの違法なクスリを撲滅すべく、清濁併せ吞むオジサンたちでして、なんとなく「踊る大捜査線」のスリー・アミーゴズにも近いイズムを感じます。
9位 若木純奈

玲二とは同期か何かで、お互い相思相愛の存在で、玲二はヤクザで指名手配になってしまうので、なかなか会えなくなってしまうのですが・・・それでもお互いを思う間柄ですね。
たまに奇行に走ったりしますが、基本的にはヒロインとして物語を盛り上げる存在です。随所で作品に華を与えてくれるキャラクターです。
特に前述の通り、13巻はマジでSEXして終わりますからね笑
刃牙の性(SAGA)を見てるようでした笑
8位 蛇嶋

元々は闇カジノ「トラジャガー」の責任者だったのですが、玲二にカジノでイカサマされて、そのくせにパピヨンに詰められて、降格されて・・・と可哀想なキャラクターでした。
しかもパピヨンに虐待に近い暴力を受けていて、鼻がおかしいことになってしまいましたね。
一時期は玲二の下についていたんですが、やっぱり内心ムカついていたようですね笑
7位 轟周宝

本作のラスボス的な感じですが、とにかく悪い広域暴力団の数寄矢会の会長です。悪いだけじゃなくて頭もキレる、カリスマ性を持ち合わせたトップですね。
意外と早く玲二もボディガードになるんですが、そこからが実に長いという笑
潜入捜査もなかなか辛抱が必要ですね笑
6位 猫沢

この猫さんは、関西を拠点とする日本最大の暴力団・蜂ノ巣会の構成員で、数奇矢会との火種を探しているんですね。
で、玲ニと結構色々なシーンで揉めるんですが、謎の猫ダンスを踊ったり、サウナで拉致されたり、どうも憎めないキャラでしたね。
5位 クロケン

クロケンも漫画とはいえふざけすぎなフォルムのキャラですね。こんな豹のタトゥーのヤクザ実在したらクソ怖いですよね笑
最初は蜂ノ巣会で、猫沢の部下的な感じで登場するんですが、身体能力が高くてメッチャ強いです。
ただ、パピヨンはもっと強いという感じで…
途中から仲間になって頼もしかったですね。
4位 阿湖正義

数奇矢会の四天王の1人で、阿湖義組の組長です。
人格者を装いつつも、御法度と言われている薬物を影で扱っていたり、使えなくなった部下を平気で切り捨てたりする、まさにヤクザというキャラですね。
とは言え最後はしっかりとケジメをつけるあたり、任侠道を見せてくれたのは流石ですね。
3位 月原

元々は阿湖義組の若頭補佐であり、阿湖組長の側近的だったインテリヤクザで、裏でMDMAのシノギをする悪い奴だったんですが、玲ニに騙されて相棒契約を結んでしまい、取引に失敗して追われてしまう可哀想な役回りでしたが、なかなか悪どく、頭の回転も早く、魅力的なキャラでしたね。
2位 クレイジー・パピヨン

初登場時は阿湖義組の若頭でして、なかなかのハードコアパンクなヤクザで、とにかく何をやっても華があるキャラでしたね。
おそらく作中で一番人気のあるキャラクターでしょう。
玲ニとの絆は本物で、兄弟に尽くす感じは見ていて羨ましくなりますね。あの金目に撃たれても玲ニを守った12巻あたりは本当に泣けました。まさかサイボーグで復活するとは思いませんでしたが…
そんな感じのグッドキャラクターだったので玲ニが潜入捜査官であることはなるべくバレてほしくないと読者として思ってましたね。
やはり一番笑ったのは女刑事を手ではない身体の部位でビンタして、パンダを泣かせたことですね笑
1位 菊川玲二

そんな感じで紹介し尽くした感もありますが、主人公の玲二です。
玲二はヤクザの世界でかなりブイブイの仕上がっていき、ヤクザの才能がかなりあるんですが、そこでヤクザに染まらずにしっかりと正義の心を持っている辺りは素晴らしいですね。
まとめ
そんな感じの土竜の唄ですが、とにかくコメディタッチのヤクザ漫画という何気にブルーオーシャンを攻めており、エンタメとしてここまで支持を集めているのが素晴らしいですね。
なんか変な館に行ったところまで読んで今は止まってしまっているので、また改めて読みたいところです。
