【衝撃】「ゲームが“生活習慣病”に? 子ども・若者時代の新リスクと向き合う」
デジタル時代の新しい生活習慣病・ゲーム依存がもたらす社会的リスク─今高城治先生インタビューより
https://blog.mdpi.jp.wordpress.sciforum.net/2025/08/22/gaming_disorder_1/
⚫️デジタル時代の“新しい生活習慣病”?
ゲーム依存が子ども・若者にもたらす社会的リスク
1. “ゲームだけ”では語れない時代
現代の子どもたちは、スマホ・タブレット・オンラインゲームを、友だちとのやり取りと同じくらいの日常に取り入れています。そこに、少しずつ「ゲームが生活をむしばむ」リスクの風が吹いています。たとえば、今高 城治先生(獨協医科大学・小児科学教授)のインタビューでは、「不登校の増加とゲーム・長時間オンライン接触の関連」を感じて研究に入った、と語られています。
2. ゲーム依存=“新しい生活習慣病”?
生活習慣病といえば、成人に起こる「高血圧」「糖尿病」などの疾患をまず思い浮かべるかもしれません。しかし2022年のレビュー論文では、子ども・若者における=インターネットゲーム障害(IGD)を「新しい生活習慣病」と捉える立場が提唱されています。  「習慣」が「生活に影響する病」になるという視点を、少し揺さぶられます。
3. リスクのメカニズム:脳と報酬系の話
ゲーム時間が長くなると、脳の報酬系(=快感・満足を司るドーパミン回路)や、理性・抑制を司る前頭前野の働きが滞る可能性が指摘されています。論文では、IGDが「報酬系枯渇」「前頭前野–報酬系の連携不良」を起こしうると記載されています。  また、発達中の脳だと可塑性(変わりやすさ)が高いため、早期に長時間ゲームに暴露されると“土台”がゆらぐ可能性も。
4. 趣味か障害か、その“線”をどう引く?
「ゲーム=悪」というわけではありません。2024年のレビューでは、ゲームがストレス軽減になったり、楽しみの一部になったりする側面も肯定されています。問題は「生活に支障が出ているかどうか」「12 か月以上、学校・家庭・社会生活に影響を与えているかどうか」という点です。インタビューでもこの“境界線”が強調されていました。
5. 社会構造も影響している
屋内時間が増える、1人1台端末が普及する、スマートフォンを子どもが持つようになる――こうした構造変化が、依存リスクを高めてきたと考えられます。また、ゲームの歴史を振り返ると「賭博」「パチンコ」から「スマホゲーム」への転換が、私たちの中にある“依存を生みうる構造”を刷新しています。インタビューでは「AIがゲーム中のやめどきを奪う設計をする可能性」までも指摘されています。
6. 予防にシフトすべき理由
発達期の子どもたちにとって、「治療」よりも「予防」が鍵とされています。生活習慣(就寝・起床・屋外活動・端末時間)を整えることで、ゲーム依存リスクを下げる可能性があるという視点です。そして、家族・学校・地域で“ゲームと付き合うルール”を整えることが、これからますます重要になっていきそうです。
7. ただし、注意すべきことも
研究は進んでいますが、IGDの因果関係・可逆性(どこまで治るのか)・診断基準はまだ発展途上です。日本における研究量も、東アジアの中ではやや少なめという指摘があります。文化・家庭・学校・ゲーム機の種類など、多くの変数がからむため、単純な“ゲーム時間=依存リスク”という図式には慎重さが必要です。
8. 私たちができること
子ども・若者を取り巻くゲーム・ネット環境は今後も変化し続けます。「いつでも、どこでもゲーム」が常態化している今だからこそ、保護者・教育者・地域・ゲーム機器・子ども本人が“ゲームと人生とのバランス”について語る場を持つことが有効です。ゲーム自体を悪にするのではなく、健全に楽しむためのしくみをつくることが、デジタル時代を生き抜く力になるでしょう。
⚫️調査・分析メモ
1. 背景・定義
• 世界保健機関(WHO)は「ゲーム障害(Gaming Disorder)」を国際疾病分類に認定しています。インターネットゲーム障害(IGD)はその関連概念です。
• 日本では、子ども・若者の日常にゲーム・デジタル環境が深く浸透しており、従来の生活習慣病(高血圧・糖尿病など)と似た「生活習慣」レベルのリスク要因としてIGDを捉える研究が出ています。たとえば、Current Status of Internet Gaming Disorder (IGD) in Japan: New Lifestyle‑Related Disease in Children and Adolescents(2022年)では「日本における子ども・若者の新しい生活習慣病としてIGDを概念化」しています。 
• また、Meta‑Analysis of Internet Gaming Disorder Prevalence: Assessing the Impacts of DSM‑5 and ICD‑11 Diagnostic Criteria(2024年)によると、東アジア地域でIGD/Gaming Disorderの有病率が比較的高く、文化・社会背景の影響が示唆されています。 
2. 日本・子ども・若者に特化した論点
• 2022年の論文では、IGDは「発達中の脳(特に子ども・若者)にとって危険性が高い」とされており、報酬系(ドーパミン)・前頭前野・辺縁系などが影響を受けうるとしています。 
• 日本では「不登校」「低年齢化」「生活習慣の乱れ(就寝・起床・屋内時間増)」「スマート端末・1人1台化等の環境変化」などが、ゲーム/ネット依存の芽を育てているとするインタビューの指摘があります。
• コロナ禍+屋内時間増+端末普及によって、ゲーム・デジタル時間が増えたという点。これを「新しい生活習慣病」という観点から捉えよう、という枠組みが強調されています。
3. リスク・メカニズム
• 長時間ゲーム使用によって、報酬系の活動が低下したり、前頭前野・報酬系の連携が悪化して「報酬系枯渇(dopamine reward‐system fatigue)」が起きる可能性があるという仮説。インタビュー内でも「ゲームを長くやればやるほど満足感が低くなる」「成人のアルコール・ニコチン依存と同じメカニズム」と説明されていました。
• 構造的/機能的な脳変化も報告されており、IGD若年成人で灰白質体積の異常や衝動性増加が確認されているという記述あり。 
• また、ゲームを趣味・娯楽として楽しむことと「障害」になるかどうかの境界線も論点。インタビューで「12 か月以上、生活に支障をきたす状態が続く」ことが診断目安と紹介されています。
4. 社会的・構造的視点
• ゲームの歴史をたどると、貴族の賭博→パチンコ・スロットなど「人対機械」ゲーム化→スマホ・オンライン・通信課金モデルへ移行しており、依存リスクが拡大してきたという議論。
• ゲーム産業・通信インフラ・スマホ普及・1人1台端末・屋内時間増など、社会構造が変化しており、「誰でもいつでもゲームにアクセスできる」環境が整ってしまった。
• さらにインタビューでは、AI介入によるゲーム中毒化の将来像も指摘されています(例:プレイヤーのやめどきを狙った設計、課金誘導、行動パターンの読み取りなど)。この点は研究段階とはいえ、警鐘と捉えられています。
5. 予防・介入・課題
• IGDを「治療」するというより「予防」からアプローチすべきという強調あり。発達期(8歳くらいまでに神経系の基盤ができるという記述)で長時間ゲーム暴露されると将来リスクになる可能性があるという仮説。
• また、趣味としてゲームを楽しむこと自体を否定するのではなく、「適度に付き合う」「線を超えない」ことの重要性が論じられています。
• ただし、研究自体は日本では中国・韓国に比べて少ないという指摘もあります。メタ解析でもその文化的・地域的差異が課題として挙がっています。
6. 留意点・未確定な点
• 因果関係が明確ではない、脳変化が「不可逆かどうか」は現時点では不明という記述あり。
• 「ゲーム=悪」ではなく、ゲームの適切な使い方・文脈が重要という論点。
• 子どもの生活背景・家庭環境・学校環境・スマホ・端末環境など多様な変数が混ざっており、単純化できない。
• 診断基準(DSM-5のIGD、ICD-11のGaming Disorder)・測定尺度・研究母集団の違いが存在し、有病率報告にバラツキあり。

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