【書籍】富士山の頂上はどこの県?地図で読む「静岡県の意外すぎる真実」
静岡県はなぜ面白いのか
― 地図から読む「静岡 地図・地名・地理の謎」
本屋でふと手に取った一冊が、思いのほか面白かった。
『静岡 地図・地名・地理の謎』
監修は戦国史研究で有名な歴史学者、小和田哲男氏。
いわゆる「地図トリビア本」だが、静岡県という土地を改めて地図で見てみると、これが実に興味深い。
静岡県という場所は、日本地図の中でも少し特殊な地域なのである。
まず単純に考えてみてほしい。
静岡県には、
富士山がある。
駿河湾がある。
伊豆半島がある。
そして東海道が通っている。
つまりこの県は、山・海・交通のすべてが交差する場所なのである。
富士山の頂上はどこの県?
この本の表紙に書かれている問いが、まず面白い。
「富士山の頂上はどこの県?」
多くの人はこう答えるだろう。
山梨県と静岡県の県境。
ところが実はそうではない。
富士山の八合目より上は、
富士山本宮浅間大社の私有地なのである。
つまり行政区画としての県境は、厳密には頂上まで確定していない。
富士山は日本一高い山だが、
その頂上は「県」ではなく、神社の土地なのだ。
これは世界的にもかなり珍しい話である。
地図を見ると静岡の特殊さがわかる
地図を見ればすぐわかるが、静岡県はとにかく横に長い。
東西は約155km。
その間に、文化も歴史もまるで違う地域が並んでいる。
たとえば、
• 伊豆
• 駿河
• 遠州
この三つは、もともと別の国だった。
つまり静岡県は、
三つの文化圏をまとめた巨大県なのである。
食文化も違う。
言葉も違う。
歴史も違う。
それが一つの県に収まっている。
これが静岡の面白さだ。
日本で一番深い湾が静岡にある
さらに驚くのが駿河湾だ。
駿河湾は日本で一番深い湾で、
水深2500メートル以上ある。
日本の湾でここまで深い場所は他にない。
理由は単純で、
すぐ近くに日本列島を作った巨大な断層帯があるからだ。
つまり駿河湾は、
日本列島の地質そのものが見える場所なのである。
そのため、
• 深海魚
• サクラエビ
• シラス
など、独特の海の恵みが生まれる。
静岡の海産物が豊かな理由は、
単なる偶然ではない。
地形そのものが特別なのだ。
東海道の中心だった静岡
もう一つ、静岡を理解する鍵がある。
それが東海道だ。
江戸時代、日本の物流と政治の中心は江戸と京都だった。
その二つを結ぶのが東海道。
そしてその途中で最も長い距離を占めていたのが、静岡県である。
つまり静岡は
江戸と京都を結ぶ交通の要衝
だった。
そのため宿場町が多い。
有名なものだけでも
• 三島宿
• 沼津宿
• 由比宿
• 興津宿
• 府中宿(静岡)
• 掛川宿
• 浜松宿
などがある。
静岡の町が発展した背景には、
必ずこの東海道が関係している。
地図を読むと、その土地の歴史が見える
この本の面白いところは、
「地図から歴史を読む」
という視点である。
地図をよく見ると、
• なぜ城がそこにあるのか
• なぜ町がそこにあるのか
• なぜ道がそこを通るのか
すべて理由がある。
偶然に見える街の形は、
実は何百年もの歴史の積み重ねでできている。
地図は単なる位置情報ではない。
歴史の圧縮データなのだ。
こんなに面白かったのか、静岡
静岡という県は、富士山のイメージが強すぎて、意外と地理そのものを考える機会が少ない。
しかし地図で見ると、
• 日本一の山
• 日本一深い湾
• 日本最大の街道
この三つが交差する場所だった。
言い換えれば静岡は、
日本の地形と歴史が凝縮された県
なのである。
本書を読んでみると、普段見慣れた地図がまったく違って見えてくる。
旅行が好きな人。
歴史が好きな人。
地図を見るのが好きな人。
そんな人には、かなりおすすめできる一冊である。
地図は、ただの図ではない。
そこには
土地の記憶がすべて詰まっている。
①
富士山の頂上はどこの県?地図で読む「静岡県の意外すぎる真実」
②
こんなに面白かったのか静岡 ― 地図から読み解く歴史の秘密
③
地図を見るとゾクッとする。静岡県は日本地理の縮図だった
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