【数学うんちく備忘録】① ゲームのガチャとネイピア数e

どうも、ぼたもです。

インターネットを漁っていたり 友人と話していたりすると、よく数学の豆知識、というかうんちくを思い浮かべることがあります。そういうとき友人には普通に喋るのですが、話す相手がいない場合は、脳内で浮かんでもそのまま消えることになります。
ということで、「数学うんちく備忘録」というシリーズを始め、全部ここに書いていくことにしました! 超不定期だし、何なら失踪すると思われるので、本当に暇な時に見にきてもらいたいです。


初回のテーマは、みんな大好きソシャゲのガチャシステムについて。
普段ソシャゲをしていて、今引ける回数以内に当たりが出る確率はいくらか考えてみたことはありますか?
当たりが出る確率$${1/n}$$のガチャを引くとき、$${n}$$回以内に当たりが出る確率はいくらか。$${n/2}$$回だとどうか。$${2n}$$回だと?今回はそんな話をしていこうと思います。


現実のガチャとゲームのガチャの違い

気を付けなければいけないのが、現実のガチャガチャとゲーム内のガチャはシステムが異なることです。現実のガチャに入っているのは有限個ですから、例えば$${100}$$個入っているところから$${1}$$個を当てたいなら、$${100}$$回引けば絶対に出るのです。対してゲームのガチャは、$${1}$$回引いても中身が減らず確率が変わることがないため、確率が$${1\%=1/100}$$でも、$${100}$$回引いて出るとは限りません。というわけで、その確率はいくらか調べていきます。

当たりの確率1/nのガチャをn回引いて1回でも当たる確率

まずは、$${n=2}$$の場合から考えてみます。コイントスを$${2}$$回して、少なくとも$${1}$$回は表が出る確率ということですね。$${2}$$回とも裏が出る確率の余事象なので、

$$
1-\left(\frac{1}{2}\right)^2=\frac{3}{4}=75\%
$$

と求められます。

次は$${n=3}$$の場合。$${1}$$回ごとに外れる確率が$${2/3}$$ですから、

$$
1-\left(\frac{2}{3}\right)^3=\frac{19}{27}\approx70.37\%
$$

となります。

一般の場合もこれらと同様です。$${1}$$回の試行で外れる確率は$${1-1/n}$$なので、$${n}$$回外れ続ける確率はその$${n}$$乗、求めたい確率はその余事象です。よって確率は

$$
1-\left(1-\frac{1}{n}\right)^n
$$

という式になります。

具体的な値

$${n=2,n=3}$$の場合は求めましたが、他の値についても見てみます。

もっと大きい値についても見てみましょうか。

どうですか?そう、実はこの値は収束するんですね。というわけで、次は$${n→∞}$$としたときの極限を求めてみます。

n→∞の極限を見てみる

計算式を示しておきます。

$$
\begin{equation*}
\begin{split}
1-\lim_{n\to \infty} \left(1-\frac{1}{n}\right)^n
&= 1-\lim_{n\to \infty} \left( \frac{n-1}{n-1+1} \right)^n \\
&= 1-\lim_{n\to \infty} \left( \frac{1}{1+\frac{1}{n-1}} \right)^n \\
&= 1-\lim_{n\to \infty} \left( \frac{1}{1+\frac{1}{n-1}} \right)^{n-1} \left( \frac{1}{1+\frac{1}{n-1}} \right) \\
&=1-\frac{1}{e}
\end{split}
\end{equation*}
$$

まさかのネイピア数$${e}$$が登場です。
計算すると、$${0.6321205588…}$$となりました。$${n}$$が十分に大きければ、確率はおよそ$${63\%}$$になるということですね。

2n回、n/2回引くと?

まずは$${2n}$$回引く場合。

$$
1-\lim_{n\to \infty} \left(1-\frac{1}{n}\right)^{2n}=
1-\left\{ \lim_{n\to \infty} \left(1-\frac{1}{n}\right)^n\right\}^2
=1-\frac{1}{e^2}
=0.8646647…
$$

$${2n}$$回以内に出ないとかなり運が悪いということですね。まあ、ポケモンの技「だいもんじ」が当たるぐらいだと考えると意外と低いかも?

$${n/2}$$回の場合も同様に計算できます。

$$
1-\lim_{n\to \infty} \left(1-\frac{1}{n}\right)^{\frac{n}{2}}=
1-\left\{ \lim_{n\to \infty} \left(1-\frac{1}{n}\right)^n\right\}^{\frac{1}{2}}
=1-\frac{1}{\sqrt{e}}
=0.3934693…
$$

一般に正の実数$${a}$$について、$${an}$$回引く場合の確率は

$$
1-\lim_{n\to \infty} \left(1-\frac{1}{n}\right)^{an}
=1-\frac{1}{e^a}
$$

となります。

確率が50%を超えるのは、何回引いたとき?

先程の式を用いて、当たる確率が$${50\%}$$を超えるのは、$${n}$$の何倍かを調べてみます。$${1/e^a}$$が$${0.5}$$となるときの$${a}$$ということなので、

$$
a= -\ln{0.5}=0.693147…
$$

となりました。つまり、$${n}$$のおよそ$${2/3}$$ほどの回数以内に引ければ上振れ、それより後だと下振れだといえますね。

$${99\%}$$を超えるタイミングも調べてみます。

$$
a= -\ln{0.01}=4.605170…
$$

ということで、大体$${n}$$の$${4.6}$$倍ぐらいの回数引ければ安心できそうですね。むしろ、ここまで出なかったら逆に$${1\%}$$を引いたと自慢できる(?)

具体例(ポケポケのゴッドパック)

最後に、具体例を見てみましょう。
最近話題のソシャゲ「Pokémon TCG Pocket」通称ポケポケには、$${0.05\%=1/2000}$$の確率で出現する、レアカードしか入っていない「レア封入」が存在します。プレイヤー間では「ゴッドパック」と呼ばれているこのパックについて、今回調べたことを用いて色々計算してみます。当然、全て近似値ですが、$${n}$$が$${2000}$$とかなり大きいため誤差は小さいです。

まずは、$${2000}$$回以内に出る確率。約$${63\%}$$です。

次に、出る確率が$${50%}$$を上回るのは、$${2000\times0.693=1386}$$で大体$${1400}$$回ぐらい。つまり、ゴッドパックは大体$${1400}$$回以内に出れば勝ちです。

私はリセマラで引いていたのを含めて大体$${500}$$回目ぐらいでゴッドパックを引きました。$${500}$$回以内に出る確率は、$${1-1/\sqrt[4]{e} =0.221199…}$$なので大体$${20\%}$$。私は$${20\%}$$に勝ったということです。やったね。

最後に

今回は、ゲームのガチャの確率について色々調べていきました。いかがでしたか?初めてのnoteだったのですが、書いていてとても面白かったです(小並感)

当たりの確率$${1/n}$$のガチャについて、これだけ覚えて帰ってください。

  • $${n}$$回以内に当たる確率は約$${63\%}$$

  • $${n}$$の$${0.69}$$倍ぐらいで出れば勝ち、出なければ負け

  • 天井システムがあるソシャゲは神

それでは、また次回!(失踪フラグ)

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