【飯村樹輝弥 選手】敗戦を糧に、自信を取り戻す東洋王者。進化を証明する再戦へ
飯村樹輝弥 選手ってどんな選手?
★OPBFフライ級王者
★WBOAPフライ級2位
★WBAフライ級7位
★WBOフライ級14位
★IBFフライ級14位
★WBCフライ級19位
所 属:角海老宝石ジム
生年月日:1998年1月7日(27歳)
身 長:164cm
出 身:東京都江戸川区
デビュー:2021年1月16日
スタンス:右ボクサーファイター
プロ戦績:9戦8勝(2KO)1敗(1KO)
アマ戦績:81戦68勝13敗

東洋王者がフライ級世界タイトルマッチを振り返る。試合の焦点とは?
――3月13日の世界フライ級トリプルタイトルマッチはご覧になりましたか?(@両国国技館)
はい、観ました。拳四朗選手(寺地拳四朗/BMB)とユーリ選手(ユーリ阿久井政悟/倉敷守安)の最終ラウンドは、しびれましたよね。
オラスクアガ選手(アンソニーオラスクアガ/帝拳)と京口選手(京口紘人/ワタナベ)の試合も非常に拮抗していて、どちらが勝ってもおかしくない内容だったと思います。京口さんとは、スタイルに共通点があると感じているんです。コツコツとポイントを積み重ねて、パンチのバリエーションも多くて、アッパーやフックを織り交ぜながら構成していくスタイル。「こういうやり方もあるんだな」と、自分の中でいろいろ考えさせられました。
試合を通して、「精度とテクニックで上回っても、印象で流れを持っていかれることもある」と感じましたね。フィリピン人選手と対戦する時に、自分との“ズレ”のようなものを感じることがあるんです。当たったときの音とか、たとえクリンヒットじゃなくても「今のは効いたな」と思わせるような派手さ、表現力の部分というか…。自分はパンチ力やスピードに特化したタイプではありませんが、集中力を切らさず、じわじわと相手を削るスタイルが持ち味だと思っています。そこを今、もっと突き詰めていきたいですね。
カネロ(サウル・アルバレス/メキシコ)のように、ブロッキング一つ取っても「俺は防いだぞ」という表現がある選手もいますよね。自分の場合は、距離で外すのがベストだと思っていますが、表情やリアクションも戦いの中では影響を与える要素になるなと思いました。
SNSでよく見かける、スロー再生でパンチが当たっても平然としている映像って実はすごく大事なんですよ。練習中から意識してやっているからこそ、試合でも自然に出せる。カネロのチームと練習したときも、彼らは当たっても逆にテンションが上がって、グローブを叩いて「もっと来い」ってアピールする。それも練習から染み付いているんだと思います。
――オラスクアガ選手についても、そのような部分が印象的だったんですね。
はい。今回の試合では、中盤から終盤にかけて足を使ってサークリングしていましたよね。これまでのスタイルとは違う一面で、幅のあるボクシングを見せていました。普段は倒しにいくスタイルの選手ですが、ああいった動きを見せたことで、ジャッジには「ボクシングの幅がある」と映ったのではないかと思います。そうした“見せ方”も大切だと、改めて感じました。

王者として変わった意識と世界基準。収穫が多かった前戦について
――前戦はOPBF東洋太平洋王座決定戦でしたが、振り返っていかがですか?
とても良い経験になりました。
相手はパンチ力のあるサウスポーで、緊張感のある試合でしたし、長丁場の中で多くの収穫がありました。強いて言えば、倒しきりたかったですね…。試合前は情報も少なく、謎の多い相手という印象でした。でも、実際に対峙してみると、意外とタフで。映像では集中力に欠ける選手だと思っていましたが、しっかりと準備してきていて、集中力を切らさずに戦ってきたのは印象的でした。
王者になってからは、世界ランキングにも入ったことで、自然と“世界”を意識した練習にシフトしています。今回のフライ級の試合を見ても、世界のトップ選手は本当に強いじゃないですか。後半になってもまったく落ちないし、勝負強さがあるし。
先ほど話した拳四朗選手とユーリ選手の試合もそうですし、矢吹選手(矢吹正道/緑)も判定で勝っていたのに最後は倒しきっていたので、集中力や嗅覚、体力は本当にすごいなと思います。その影響を受けて、自分も「具体的な強さ」にリアリティを持って取り組むようになりましたね。以前は少しぼんやりしていた部分があったのですが、今は明確な目標を持って練習できています。
――他の選手からの影響が大きいんですね。飯村選手は現在5連勝中ですが、プレッシャーはありますか?
特に感じていません。むしろ、自分の変化や積み上げてきたものを試せる場として、試合が楽しみなんです。「こういうことをやってみたい」「こういう姿を見せたい」という気持ちの方が強くて、不安よりもワクワクしています。
もちろん不安な気持ちがゼロではないですが、「この状態でどんな試合ができるのか?」と、試合が近づくにつれて想像が膨らんで、早くリングに上がりたくなってきますね。

OPBF東洋太平洋フライ級 王座決定12回戦
VS ローレンス ドゥアムAG(フィリピン)
出典:ボクシングモバイル
立場を変えての再戦。「意味のある勝利を重ねていきたい」
――今回は、1度対戦しているエスネス・ドミンゴ選手(フィリピン)との試合ですが、意識の変化はありますか?
正直あまりないですね。感覚的には今でもチャレンジャーです。
周りには世界チャンピオンもいますし、日本人にもすごい選手がたくさんいますから。
世界ランキングが上がってきたタイミングも、まずは負けた相手にリベンジしたいという気持ちが強かったですね。
1度戦った時は、トータルで3回ダウンされてしまったんです。最初に倒された時は「やってしまった」と思いましたが、そこからは必死でした。あれは完全に自分のミスですね。集中力が切れていた部分もありました。
だからこそ、前戦のタイトルマッチでは集中力を最後まで切らさず、パンチももらわずに戦い抜くことができました。自分自身の成長を感じられた一戦でしたね。
――ドミンゴ選手の印象をお聞きしても良いですか?
倒す嗅覚を持っているし、フィリピン人らしいずる賢さもある選手だと思っています。そういう相手にどれだけ対応できるか、自分のスキルがどれだけ向上したかを、この試合で確認したいです。
今は、世界をどうこうというよりも、まずは一度負けた相手に勝って、自信を取り戻したい。それが一番大きなモチベーションです。もちろん、ボクシングを始めた時から世界を目指してやってきましたが、その前に、自分が納得できる内容で勝つことが大事だと思っています。
結果は自然とついてくるものだと思っていますし、日本タイトルの時も、東洋タイトルの時もすべて流れの中で戦ってきました。だからこそ、今も目の前の試合に集中し、自分にとって意味のある勝利を重ねていきたいと思っています。

出典:ボクシングモバイル
★U-NEXTでの視聴はこちらから
5月3日(土)17時35分配信開始 17時45分試合開始
https://video.unext.jp/livedetail/LIV0000008970
