物は増えたのに、心が動かない。50代・60代からの、本当に増やしたい「財産」の話
先に、結論から書きます。
人生の後半、本当に増やしたい財産は、
お金でも、物でも、ないのかもしれません。
増やしたいのは、
「経験と、感動」です。
心が動いた時間だけが、
最後まで、手元に残る財産だ——
そんなふうに、言われることがあります。
家の中を、見回してみてください。
物は、若い頃より、ずっと増えました。
でも、ふと思うのです。
最近、心が動いたのは、いつだったろう、と。
今日は、その話をします。
物は場所を取る。思い出は、取らない
少し、考えてみてください。
旅行のお土産で買った置物は、
いつのまにか、棚の奥です。
でも、その旅先で、
道に迷って、ひやひやしたこと。
知らない人に、親切にされたこと。
見たことのない景色に、息をのんだこと。
そちらのほうは、何年たっても、
ふとした瞬間に、よみがえってきます。
物は、場所を取ります。
でも、思い出は、場所を取りません。
心のアルバムに、いくらでも、入ります。
だとしたら、人生の後半に増やすべきは、
棚の上の物より、
心のアルバムの、ページのほうです。
「準備が整ってから」の日は、来ない
ここで、多くの人が、つまずきます。
やってみたいことは、ある。
でも——
「もう少し、体力をつけてから」
「もう少し、お金に余裕ができたら」
「もう少し、上手になってから」
こうして、「整ってから」を待っているうちに、
季節が、何度も、めぐっていきます。
正直に、言います。
準備が完璧に整う日は、たぶん、来ません。
やりながら、覚えればいい。
転びながら、慣れればいい。
始めるのに、資格は、いらないのです。
上手さより、「やってみたい」が先
もうひとつ、肩の力が抜ける話を。
何かを始めるとき、
私たちは、つい「上手にできるか」を気にします。
でも、本当に大事なのは、
上手さでは、ありません。
「やってみたい」「関わってみたい」という、
気持ちのほうです。
たとえば、言葉の通じない国でも、
身振り手振りで、なんとか伝わってしまうことがあります。
伝えたい気持ちが、あるからです。
逆に、どんなに知識があっても、
気持ちがなければ、何も始まらない。
下手で、いいのです。
たどたどしくて、いいのです。
「やってみたい」が、あれば、
それが、いちばんの実力です。
うまくいかなかったことも、財産になる
そして、これが、いちばん面白いところです。
経験と感動、と言いましたが、
感動は、うまくいったときだけの、ものではありません。
道に迷った。
思っていたのと、違った。
恥ずかしい思いを、した。
その瞬間は、冷や汗ものでも、
あとになれば、ぜんぶ、笑い話。
むしろ、旅の思い出話で、盛り上がるのは、
順調だったことより、
「あのとき、大変だったのよ」のほうでは、ありませんか。
うまくいっても、財産。
うまくいかなくても、財産。
やってみたことは、ぜんぶ、
心のアルバムに、残ります。
だから、失敗を、こわがらなくていいのです。

心のアルバムを増やす、三つ
ここから、その場でできる三つを置いておきます。
ひとつめ、呼吸。
「やってみたいけど、こわい」と、ひるんだら、ひとつ。
口から、ゆっくり長く、はあ、と吐く。これを3回。
ためらっているとき、体は、固まっています。
長く吐いて、その固まりを、ゆるめる。
吐く息のあいだに、
「下手でも、いい」と、自分に伝えます。
ふたつめ、ことば。
「整ってから」が浮かんだら、こう置き換える。
「準備は、そこそこでいい。やりながら、覚える」
完璧な支度を、待たない。
心のアルバムは、動いた人にしか、増えません。
みっつめ、笑い。
うまくいかなかった日も、責めない。
「はい、いい思い出がひとつ増えた」と、口角を、少し上げる。
その一言で、失敗は、その場で、
財産に変わります。
たったこれだけです。
一度では変わりません。
でも、ひるむたびに、また、はあ、とひと息。
その繰り返しの中で、心のアルバムのページが、少しずつ、増えていきます。
物より 思い出
上手さより やってみたい
── 脳活呼吸メソッド
───
さて、ここまで読んで、
「私も、心のアルバムを増やしたい」と思った方へ。
その第一歩に、ぴったりのものがあります。
まず、今の自分の状態を、知ることです。
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そして、もうひとつ。
ぜひ、コメントで、教えてください。
あなたの心のアルバムで、いちばんのお気に入りのページは、どんな思い出ですか。
あるいは、これから増やしたいページは、何ですか。
ひとことで、かまいません。
あなたの思い出が、誰かの「やってみようかな」の、背中を押します。
こうしたヒントを、これからも届けていきます。
「ちょっといいな」と思えたら、フォローもしておいてくださいね。
今日、ひとつだけ。
何かにひるんだら、はあ、と長く吐いて、こうつぶやいてください。
「準備は、そこそこでいい。やりながら、覚える」
それだけで、十分です。
この一行が「いいな」と思えたら、スキとフォローで、また会いに来てくださいね。
今日も、ひと呼吸ぶんだけ、機嫌よく。
えもん(笑門)ひろし
