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”センスの問題”って、本当だろうか

「Aさん、センスあるからすぐ仕事できるよね!」
そう言われる場面を何度も見てきました。

逆に、
「Bさん、センスないからいつまで経っても自立しないよね~」
そんな言葉も、現場ではよく聞きます。

Aさん、Bさんの違いは、
本当に”センス”なんでしょうか?

ふたりと関わる中で、気づいたことがあります。
経験年数はほとんど変わらない。

でも、見ている”視点”が違っていました。

例えば、
SCU(Stroke Care Unit:脳卒中集中治療室)で働いていた時のことです。
視床出血の患者さんが入院受け入れが決定しました。

Aさん
・ルーティンの入院準備(書類・情報収集)
・外来記録を確認し、血圧が高値と気づく
→指示簿を確認
→モニター設定
→シリンジポンプ準備
→ルート確保
→降圧剤の準備

Bさん
・ルーティンの入院準備(書類・情報収集)のみ


この差は、どこにあるのでしょうか?


Aさんは、
得られた情報から「次に必要なこと」を考えています。
一方Bさんは、
情報は見ているものの、
その先の行動には繋がっていません。

この違いは、
”センス”ではなく、
「今の情報をもとに、次を考える力」
つまり、思考の差です。

私が看護師になった頃は、
「見て覚えなさい」が当たり前でした。

今は、
「学習者の理解度に応じて、段階的に指導を行う」
という考え方が主流になっています。

でも実際には、
「見て覚える」で育ってきた私たちは、
”教える”ことに戸惑う場面も多い。

正直に言うと、
私自身も最初はできませんでした。
「こんなに教えたのに、なんでできないの?」
「センスないのかな?」
そう思ってしまったこともあります。

でも、今は違います。
Bさんも思考する習慣があれば変わる。
そう思っています。

「じゃあ、次どうする?」
「何を準備しておく?」
そんな問いかけを重ねていくことで、
少しずつ思考は言語化され、行動に繋がる。

リアルタイムでできなくてもいい。
「あの時どう考えた?」
「どうしたらよかったと思う?」
振り返るだけで十分意味があります。

思考は、トレーニングできる。

そして、気づけば、
安心して任せられる存在に変わっていく。

”センスの差”に見えていたものは、
本当は、思考の差だったかも知れません。

問いかけることから、
思考は育つのかも知れません。

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