これ公職選挙法違反じゃないの?
2024年10月の衆議院選挙が、公示日10月15日、投開票日27日で実施された。
選挙運動は、この公示日に立候補の届出をしてから当開票日の前日までが対象となっている。届出前にはできないことになっている。
私の住む自治体でも立候補者の選挙運動が展開されたが、公職選挙法(以下、公選法と呼ぶ)の違反行為ではないかと疑われる事案があったので、報告したいと思う。
”選挙運動”には次のようなものがある、選挙事務所の設置、選挙運動用自動車の使用、選挙運動用はがき、新聞広告、ビラの配布、選挙公報、ポスターの掲示、街頭演説、個人演説会など。
一方で、以下に示すような禁止されている行為がある、買収、戸別訪問、挨拶を目的とする有料広告、飲食物の提供、署名運動、気勢を張る行為、選挙後の挨拶行為など。
これに対して選挙期間以外の平常時の”政治運動”では、現職・候補者・立候補予定者の氏名や写真・似顔絵など、その後援団体の名称を記載した文書図画について掲示することができる。
(疑問1)
例えば衆議院解散の場合、解散の翌日から選挙期日までの間、政党その他の政治活動を行う団体(後援団体を除く。)の政治活動用ポスターは常時掲示できるが、選挙の公示(告示)日に氏名や氏名類推事項が記載された者が候補者となった場合は、個人の政治活動用ポスターは掲示することができず、その日のうちに撤去しなければならない。(2024年の衆議院解散が10月9日だったので、10月10日から10月14日までは掲示できず撤去する必要がある。)
下に示した写真1(10月10日に撮影したもの)の例では、本来撤去しなければならなかったのではないだろうか。

(疑問2)
また選挙期間中である公示日10月15日以降、市町村委員会が設置するポスター掲示場には候補者個人のポスターを掲示することができ、証紙を貼る必要はない。
これとは別に、候補者届出政党のポスターを決められた制限内で、掲示箇所に掲示することができるが、当該候補者届出政党の名称を併せて記載し、県委員会が交付する証紙を貼らなければ掲示することができない。
写真2は10月15日に撮影したものだが、証紙が貼付されていない例で、本来証紙を貼付しなければ掲示する事はできないはずだ。
筆者はこの時点で、所管の選挙管理委員会(以下 選管と呼ぶ)と警察署(以下 警察と呼ぶ)に連絡して対応を依頼した。選管からは取締りは警察で、自分達はできないとのことで、警察は自分達は違反かどうかは分からない、選管に聞かないと分からないとの事だった。
この日以降も証紙は貼られない状態だったので選管に確認したところ、本件については公選法違反に抵触する可能性があり、当該管理者には連絡した(電話がないので郵送!)、また警察署からは、具体的には言えないが適切に処理した、とのことであった。

先ほどと同じ掲示箇所のポスターを10月23日に撮影した写真3では、矢印の箇所に証紙が貼付されていた。いつ証紙が貼られたのかは不明だがこの時点で漸く、公選法上問題なく掲示できる状況であった。

以上、例で示してきたように、実際に公選法への抵触や違反の疑いがあったとしても、この程度では選管や警察が直接的に何らかの取締りをするわけでは無く、相手側に違反を連絡し対応を指示するまでが現実のようである。買収や相手陣営妨害など目に余る違反でない限りは、選管も警察も人手もないだろうし、直接的に介入しないのであろう。
そうであるなら夫々の選挙事務所としては、筆者が報告したようにギリギリで公選法抵触したとしても、口頭で注意を受ける程度で、なるべく労力をかけず、効果が出やすい戦略で選挙戦を闘うことになるのだろう。
このような問題も含めて今、公選法の不具合があると思うので、その改善策について書き連ねたい。
・お金がかかり過ぎ誰もが立候補できる制度でないので、供託金をもっと低額(無し)にすること(例えば小選挙区で300万円、重複となると600万円もかかる)
・掲示板が多過ぎたり範囲が広すぎて人手がかかるので、電子掲示板にして選管にポスター情報を登録すればよいように省人化すること
・立候補から選挙までの期間が短過ぎて、ポスター掲示などの手続きや政策の訴えなどが不十分となるので選挙期間をもっと長くすること
・公開討論会などで、各候補者の政策や考えをお互いに議論することでより有権者が選択しやすいような機会を必須とすること
(了)
