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【実話】私が精神医療の奴隷を止めるまで 第2話 ー産後の不眠で再び向精神薬を服用しましたー

 2018年、私たち夫婦は幸いにも子どもを授かり、初めての育児に追われていました。授乳、ミルク、オムツ、あやす、入浴…産後は勿論、睡眠不足になります。
 しかし、これは子どもを産んで育ててきた人なら、誰もが経験することです。ここで、産後うつや不眠症で精神科に行くと、大変なことになります。産後うつや産後の不眠症は、産後はホルモンバランスが乱れるため、多少はしかたないことです。ある程度時間が経てば落ち着くと聞いたことがあります。
 そんなバタバタした生活を送る中で、真夏の暑い日に寝室のエアコンが壊れてしまいました。私はその日はほとんど寝られませんでした。
 断薬した今なら、「育休中だし、昼間に空調の効いたリビングで少し寝ればいいか」とか「エアコンが直ったらまた寝られるよね」と考え、睡眠薬を飲むことは決して考えません。しかし、当時の私は向精神薬の知識はなく、産後だったこともあり、寝られなかったことを深刻に受け止めてしまいました。私は急いで自宅から行ける範囲の精神科に連絡しました。しかし、ご存じの通り、近年の精神科は満員御礼の人気絶叫系アトラクションのため、なかなか当日の予約が取れませんでした。
 そんな中、一件だけ当日来院を受け付けていた精神科がありました。それが、とんでもないクスリを処方したHのいるASクリニックです。私は自宅に来てくれた両親に息子を預け、すぐにASクリニックに向かいました。
 勿論、ASクリニックのGoogle口コミ評価がすんごく低いことは知っていました。しかし、当時の私は早く寝られるようになりたい一心で、地獄に足を踏み入れてしまいました。そして案の定、その口コミが真実だったと認めざるを得ませんでした。
 まず、建物も内装もとにかく古くて汚かったです。年季の入った緑色のソファーが破けていました。それに、仕切りがカーテンしかなく、診察室の声が丸聞こえでした。
 しかし、施設が古いだけならまだ許容範囲です。一番の問題は、先ほども出てきた精神科医のHです。こいつは本当に悪質で、私はそいつとこのようなやり取りをしました。
H「で、あんた何で来たの?」
私「出産したばかりで、寝られなくて困ってるんです」
H「授乳してるの?」
私「はい、しています」
H「ちっ、授乳してるんじゃ、クスリ処方できないよ。何か寝られなくなった原因はあるの?」
私「産後だからというのと、エアコンが壊れて暑くて寝られないんだと思います」
H「じゃあ、エアコンが直ればまた寝られるようになるんじゃないの?…しょうがないな、睡眠薬を3日分出すよ。これを服用する時は授乳しないようにね」
私「ありがとうございます。副作用とか大丈夫ですか?」
H「何言ってるの?あんた、不眠を何とかしたいんだろ?3日飲んでダメならまた来て」
 こうして、医薬品添付文章における警告欄付きの合法麻薬、トリアゾラムが処方されました。この警告欄については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構HPには、「当該医薬品を使用する際に、死に至る、または重篤な後遺障害が生じるような可能性がある場合、生じた副作用によりきわめて重大な事故につながる可能性がある場合などで、特に注意を喚起し、現場に適切な対応を求める必要があるものに設定されます。」と記載されています。
 もうお分かりですよね?つまり、警告欄のあるクスリは非常にリスクが高いということです。そんなクスリを何の説明もなしに処方するHは本当に医者失格ですね。そりゃ、口コミ評価が星1になるわけです。
 今なら、処方箋に「トリアゾラム」と書いてあった時点で、病院内で破ってやります。しかし、当時の無知な私はトリアゾラムを服用してしまいました。授乳するときは避けていたとは言え、体内にヤバい猛毒を入れた状態で息子と接していたことは本当に猛省します。
 結局、トリアゾラムについては、特に効果も副作用も離脱症状もありませんでした。3日分1日1錠の3錠だけの処方で良かったです。また、夫がエアコンの修理を依頼してくれたお陰でエアコンが直り、私は再び寝られるようになりました。勿論、ASクリニックには二度と行くことはありませんでした。
 それから7ヶ月後、息子の育休明けが2ヶ月後に迫った2019年の3月に、私は再び寝付きが悪くなってしまいました。可愛い我が子と24時間一緒に過ごしてきたのが終わってしまう寂しさがあったのと、愛社精神皆無なのに復職するのが辛いという気持ちがありました。そして、それが体に如実に出てしまったのでしょう。
 今の私なら、育児休業給付金がもらえなくなったとしても育休を限度まで延長し、育休が終わる前に自宅から無理なく通勤できる職場に転職するでしょうし、食事や運動習慣を見直します。しかし、当時の私は再々度向精神薬に手を染めてしまいました。
 実は、今回服用してしまった向精神薬は何と内科で処方されたもので、メイラックスとマイスリーでした。その内科はH市にある4階建てのビルに入っているクリニックSで、2階にありました。精神医療に魂を売った医者のSは、医者の不養生を絵に描いたような人間で、ゴリラと豚を足して2で割ったような見た目も心も醜いクズでした。
 しかし、当時の私は早く寝られるようになりたい一心で、Sから処方されたメイラックスとマイスリーを服用し始めました。すると、マイスリーが効果を発揮し、すぐに寝られる(気絶できる)ようになりました。ちなみに、メイラックスは効果を感じられませんでした。
 そんな処方がその年の8月まで続きましたが、9月に入り、急に吐き気等の症状に襲われました。その時は妊娠していなかったので、勿論、悪阻ではありません。今なら、この症状が向精神薬の副作用によるものだと分かりますが、当時は夏風邪によるものだと思っていました。愚かにも、私はクリニックSで胃腸薬のナウゼリン等を受け取りました。向精神薬の副作用を他のクスリでカバーする悪循環ですね。
 しかし、当時の私も大馬鹿ではありませんでした。睡眠薬をずっと飲み続けることには抵抗があったため、向精神薬に頼らなくても寝られるようなアドバイスをしてくれる医者の所に転院しようと考えていました。
 ここで、減断薬のスペシャリストである内海聡先生等の医師のことを知っていれば、まだ浅い傷で済みました。しかし、当時の私は転院先として、所謂普通の精神科医を選んでしまいました。精神科医の本当の姿を知らなかった私は、「精神科医ならクスリ以外の方法で不眠症を改善する方法を知っている筈だ」と勘違いしていました。無知とは恐ろしいものです。
 そんな私が選んだSKクリニックは、H市の駅から歩いて数分ほどの所にありました。SKクリニックはアクセスは良いものの古い雑居ビルに入っており、クリニックに繋がる階段は非常に急で、当時アラサーの私でも手摺を使わないと足を踏み外しそうになる位でした。そんなSKクリニックの精神科医Sは、初診時に漢方薬の酸棗仁湯(さんそうにんとう)のみ処方しました。しかし、半年間向精神薬を服用してきた私には、酸棗仁湯の効果はいまいちでした。
 次の診察時、Sはベルソムラとマイスリーを処方しました。精神科医にクスリ以外での治療法を期待した私がバカでした。
 ベルソムラはベンゾジアゼピン系ではないため、比較的安全(な訳ありません)だと言われました。ちなみに、ベンゾジアゼピン系とは、催眠、鎮静、抗不安、筋弛緩作用がある向精神薬で、依存性が高いため、欧米では禁止薬物に指定されている薬物です。また、マイスリーもベンゾジアゼピン系ではありませんが、ほぼベンゾと言えるクスリです。私は「またクスリか…」と落胆しつつも、寝付きの悪さは相変わらずだったので、服用してしまいました。
 そんな中、2019年の10月下旬に再び妊娠しました。しかし、受診した産婦人科で、流産する可能性を指摘されました。そりゃ、そうです。第一子である息子の時と比較して、沢山の向精神薬や向精神薬以外の処方薬が体内に残留しているのですから。当時、産婦人科の院長先生とやり取りした会話がこちらです。
院長先生「確かに妊娠しているね。ただ、胎嚢の形があまり良くないから、流産の可能性もあるね」
私「そんな…」
院長先生「流産は今の医学では止めることは出来ないんだ。こればかりは運を天に任せるしかない」
私「先生、私、実は睡眠薬を服用しているんですが、止めるべきですよね?」
院長先生「え?睡眠薬?」
 ここで、院長先生が医学書(クスリの一覧のような書籍)を本棚から出してページを開きました。
院長先生「ほら、ここに『妊娠中に服用することの安全性は確認されていない』と書いてあるでしょ?俺は服用をオススメしないよ。もし、服用を続けるなら、貴方と赤ちゃんの安全は保証出来ないよ?」
私「分かりました。精神科に確認してから、飲むのを止めます」
 この診察のあと、私はSKクリニックに問い合わせ、服用を止めました。幸運なことに、生理3日目くらいの出血はあったものの、赤ちゃんは流産することなく、翌年2020年の夏に誕生しました。ちなみに、ホルモンの変化の影響なのか、寝付きが良くなり、赤ちゃんの妊娠から授乳中は向精神薬は一切飲まずに済みました。
 それから10ヶ月後、2021年の5月に私はまた、育休ロスになりました。しかし、懲りない私はまたSKクリニックに行き、マイスリーのみ処方されました。ここで「早くクスリを飲むのを止めろよ」とイライラされた方、申し訳ありません。この時の私は本当に寝付きたい一心でした。
 ただ、SKクリニックにいくら通院しても不眠が一向に改善しないことにやきもきした私は、再び転院することにしました。ここで精神医療の真実に気付いていれば、恐ろしい出来事を経験せずに済みました。しかし、馬鹿な私はまたもや家から通える所にある精神科に決めてしまいました。
 その年の7月、転院先のYクリニックは古いオフィスビルの一角にありました。クリニックはとても狭く、清潔感はありましたが、殺風景な精神科でした。そこの医師のUは、痩せ型で幸の薄そうな感じの、ボソボソと話をするタイプの精神科医でした。UはSKクリニックのSからの紹介状を読み、馬鹿の一つ覚えのようにマイスリーと酸棗仁湯を処方しました。私は心底ガッカリしました。
 しかし、当時の私もなかなかの馬鹿でした。院長のUは体が丈夫ではないタイプなのか、Yクリニックは週に4回、それも午前中しか診察していなかったため、予約がなかなか取れませんでした。そのため、予約が不要なSKクリニックへの通院もつづけておりました。
 2021年9月、何故かSKクリニックのSはマイスリーに加えて、クロチアゼパムを処方しました。しかしその翌月、私はSKクリニックに行くのをキッパリ止め、それと同時にクロチアゼパムもストップしました。それは、私がSにこう言われたからです。
私「寝付きの悪さがなかなか改善しないので、私、休職して不眠を治したいと考えています」
S「寝つきが悪いだけで休職するんですか?まぁ、(退職したとしても)転職するのも大変ですからね」
私「はぁ!?もういいです。こちら(のクリニック)には二度と行きませんから!」
 ここで休職して向精神薬を全て断薬していたら、悲劇は防げました。しかし、私はマイスリーを服用しながら、会社にしがみついていました。そして、この9ヶ月後、遂に私の体は悲鳴を上げてしまいました。

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