いつまでも家族と会えないのか?知らないと損する接見等禁止の解除
こんにちは、弁護士の髙野です。
皆さんは、家族が逮捕されたという連絡を受けたら、どのように対応するでしょうか?多くの方は、すぐに警察署に駆けつけて面会したいと思うのではないでしょうか。しかし、実際にはそう簡単には面会できないのが現状です。今回は、逮捕された家族との面会を妨げる「接見等禁止」について、そしてそれを乗り越えるために弁護士ができることについてお話ししたいと思います。
この記事の結論は、接見等禁止がついても、家族との面会を諦める必要はないという点です。刑事訴訟法第81条は、逃亡や罪証隠滅のおそれがあるときに接見等禁止を認めていますが、事件と無関係の家族との面会まで一律に禁止する必要があるのかは、具体的に争う余地があります。
逮捕から1〜2日は面会できないことが多い
まず、逮捕直後の状況について説明しましょう。一般の方が逮捕された人と面会できるのは、平日の9時から17時頃までの間に限られます。しかも、逮捕された人が生活することになる警察署でしか面会できません。さらに、東京の場合、逮捕された翌日や翌々日には、その人は検察庁や裁判所に行っていて、日中警察署にいないことが多いのです。つまり、この2日間は一般の方は面会することができません。
接見等禁止とは
勾留決定が出た後は、本来であればご家族を含む一般の方も面会が可能になります。ただし、平日の日中に限られることと、逮捕されている人から見て1日に1回、同時に3名までという制限はあります。しかし、この範囲内であれば毎日面会に行くことは可能です。
ところが、この面会の機会さえも奪われてしまう場合があります。それが「接見等禁止」です。接見等禁止は、勾留請求と同時に検察官が裁判官に請求します。裁判官が接見等禁止の必要があると判断すれば、勾留と同時に決定がなされ、ご家族を含む一般の方との面会や手紙のやり取りが一律禁止されてしまいます。つまり、外部との意思疎通が完全に遮断されることになるのです。
接見等禁止の問題点
勾留も接見等禁止も刑罰ではありません。あくまで罪証隠滅や逃亡のおそれが認められたから身体拘束をされているだけなのです。人は日常的に家族とともに暮らし、食事をし、言葉を交わして生きています。それが突然奪われることは、非常に強い精神的な負担となります。この点は軽視されてはなりません。
しかし、現実には接見等禁止は非常に安易に、カジュアルに認められています。検察官が接見等禁止を請求すれば、裁判官はすんなりとこれを認めてしまうのです。捜査機関自身が事件とはまったく無関係であることがわかっている家族との面会すら、一律に禁止されることになるのです。
検察官が接見等禁止を請求する典型的な事案が二つあります。一つは共犯者がいるとされる事案です。捕まっている人以外にも共犯者がいる可能性があるから、一般の人との面会を許せば口裏合わせが行われる危険があるという理屈のようです。もう一つは、逮捕されている事件の内容を争っている場合です。黙秘している場合もこれに含まれます。事件の内容を争っている人は、認めている人に比べて外の人と連絡を取って証拠隠滅をする可能性が高い、もしくは認めている事件に比べて広く証拠を集める必要があるので罪証隠滅の対象となりうる証拠の範囲が広いというのが理由のようです。
そもそも立会いの警察官の眼の前で証拠隠滅の指示などできるか?
しかし、罪証隠滅のおそれはご家族と本人が警察署で面会することによって本当に生じるのでしょうか。一般面会は立会いの警察官同席のもとで行われます。つまり、会話の内容を警察官に聞かれることになります。率直な疑問として、どうやってその警察官に気づかれずに証拠隠滅のための意思疎通ができるというのでしょうか。犯罪組織に属している者同士での会話ならそれも可能かもしれませんが、事件と無関係のご家族にそれが出来るはずがありません。私は接見等禁止の解除を求める書面において何度も「接見等禁止の解除を認めないのであれば、どのようにして隠滅行為の意思疎通が行われることを想定しているのか明示して欲しい。」と裁判官に求めてきました。しかしこれまで一度も回答は得られていません。裁判官もよくわかってないのではないでしょうか。
接見等禁止の解除を求める弁護活動
このような状況を打開し、ご家族との面会を実現するためには、弁護士の力が必要不可欠です。弁護士は裁判所に対して「ご家族との面会は認められなければならない」と主張する書面を提出し、裁判官にこれを判断してもらうことになります。
裁判官を説得するためには、ご家族との面会を認めたとしても、罪証隠滅の可能性が生じることはないことを説得的に伝えることが重要です。そのためには、逮捕されている被疑者やご家族の、事件に関する話はしない、何かを捨てるよう頼む(依頼を受ける)ことはしない、と書いた誓約書などを用意することが必須となります。
一つの工夫
一つの工夫としては、このような申立を一度出してみることです。たとえ一度目には認められなくても、検察官の反対意見を知ることができます。つまり、検察官がどのような理由で家族との面会に反対しているのか、どのような点で罪証隠滅につながると考えているのか、そのポイントが分かります。それを踏まえて、次の申立ではより具体的な反論ができるようになります。
まとめ
このような難しい状況を乗り越えるためには、経験豊富な弁護士を選ぶことが非常に重要です。接見等禁止の解除申立は、単に書面を出せば良いというものではありません。裁判官を説得するための戦略と、それを実現するための技術が必要なのです。家族が逮捕されるという事態は、誰にとっても大変なストレスとなります。しかし、適切な法的サポートを受けることで、少しでも状況を改善することができます。もし身近な人が逮捕されてしまった場合は、まずは経験豊富な弁護士に相談することをお勧めします。弁護士の力を借りて、一日も早く家族と面会できるよう努力しましょう。
FAQ
Q. 接見等禁止がつくと、家族はまったく会えなくなりますか。
一般の面会や手紙のやり取りは制限されます。ただし、弁護人との接見は別です。刑事訴訟法第39条第1項は、身体拘束を受けている被疑者・被告人が弁護人と立会人なく接見できると定めています。
Q. 家族との面会を認めてもらうには何が必要ですか。
事件の話をしないこと、証拠を隠すような依頼をしないことなどを具体的に示す必要があります。本人や家族の誓約書を用意し、家族との面会で罪証隠滅のおそれが生じないことを説明します。
Q. 一度解除が認められなかったら終わりですか。
終わりではありません。一度申立てをすることで、検察官が何を問題にしているのかが見えることがあります。その反対理由を踏まえて、次の申立てでより具体的に反論できる場合があります。
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