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書類送検ってなに?甘く見ないほうが良いワケ

こんにちは、弁護士の髙野です。
報道で「〇〇が書類送検されました。」と聞くことがありますよね。でもその意味、正しく理解できている人はどれくらいいるのでしょうか。結論から言うと、書類送検は有罪の意味ではありませんが、検察官が起訴するかどうかを判断する重要な段階です。

書類送検は送致の一つの種類

書類送検という言葉は法律上のものではありません。あくまで報道などで使われている言葉。被疑者のことを「容疑者」と報道しているのと同じです。

日本では犯罪が起きた時にまず捜査をするのは警察官です。一方、最終的にその事件を起訴するかしないかを決めるのは検察官です。この人たちは別の組織の人です。
捜査をした警察官が、処分を決める検察官に事件を送ること、これが「送致」です。刑事訴訟法第246条は、司法警察員が犯罪の捜査をしたときは、原則として事件を検察官に送致しなければならないと定めています。

実はみなさん、送致の場面テレビで良く目にしています。灰色のスウェットを着た人が警察署から出てくる映像、見たことありますよね。あれが逮捕されている人の事件が送致される場面です。

これとは別の送致の種類が「書類送検」です。逮捕されておらず、警察が集めた資料(書類)だけ送致されるので書類送検と呼んでいるんでしょうね。
書類送検は、警察が被疑者を拘束せずに、事件記録や捜査資料を検察に送る手続きです。被疑者は逮捕・勾留されず、通常の生活を続けながら捜査が進みます。

書類送検が選ばれるのは、事件が比較的軽微で、逃亡や証拠隠滅の恐れが低いと判断された場合です。例えば、軽微な窃盗、軽い傷害、交通違反などが該当します。

2つの手続きの違い

これらの最も大きな違いは、被疑者の身柄が拘束されているかどうかです。

書類送検では、被疑者は自宅や職場で通常の生活を送りながら、検察官の判断を待ちます。警察からの呼び出しに応じて出頭する必要はありますが、身体の自由は保たれます。

一方、逮捕勾留されている場合は、被疑者は留置場で生活することになり、自由が制限されます。仕事や学校にはいけませんし、スマホをいじることも出来ません。

そして、勾留されていないことの結果として、捜査の時間に法律上の制限はありません(時効を除けば)。勾留されている場合、最大で20日以内に処分を決めなければなりません。このルールが逮捕されていない書類送検されるような事件では適用されませんので、事件発生から処分までは半年や1年かかることもあります。

書類送検でも前科がつく可能性がある

法律相談を受けていると「逮捕されずに書類送検で済んだから大丈夫」という誤解をしている人がいます。書類送検も立派な送致です。検察官が起訴を判断すれば、被告人となり刑事裁判を受けることになります。起訴されれば、有罪判決を受けた場合に前科がつきます。罰金でも前科は付いてしまいます。

送致されても罪が確定しているわけではない

送致に関する誤解は「検察庁に事件が送られたのだから有罪なのは間違いない。」といったものです。法律上、警察官は捜査をした事件はすべて検察庁に送致しなければならない定めになっています。もし罪とならないことが明白であったとしても、捜査が開始された以上、送致もされるのです。

送致の時点では、まだその人が罪を犯したのかは未確定です。報道を目にしてもその点はきちんと理解しておくことが重要です。そういう意味で、あの報道の仕方はとても良くないと思います。

早期の弁護士相談を

できればその前にしてほしいですが、書類送検後でも、弁護士への相談を推奨します。検察官の判断前に、示談交渉や被害弁償、意見書の作成などの準備を進められます。

特に、示談交渉は時間がかかることがあります。被害者との連絡調整、交渉、合意書の作成など、手続きには時間が必要です。書類送検後すぐに弁護士に相談し、活動を開始することが、不起訴を目指す上で重要です。

FAQ

書類送検とは何ですか?

逮捕されていない事件について、警察が事件記録や証拠物を検察官に送ることを一般にそう呼びます。刑事訴訟法第246条の「送致」に関係する報道上の言葉です。

書類送検されたら前科がつきますか?

書類送検だけで前科がつくわけではありません。検察官が起訴し、有罪判決や罰金の処分が確定した場合に、前科の問題が生じます。

書類送検後でも弁護士に相談する意味はありますか?

あります。検察官の処分前であれば、示談、被害弁償、意見書の提出など、不起訴を目指すためにできる活動が残っていることがあります。

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