見出し画像

[書評] 考えすぎない練習

本を読んだときの
感想や読後感というものは、
本の良し悪しだけで決まるのではない。

本と読者の相性などは
言うまでもないし、
そもそも 読む者の そのときの
心身の状態によっても左右される。

だから同じ本でも読む度に
印象が変わることも少なくないし、
だからこそ 面白い本とは
何度読んでも飽きないのである。

今回の本を読み始めたときは、
ちょっと私の状態が
良くなかったようだ。
いつもより多忙なことが影響してか、
前書きの部分は なんとも要旨が掴めない
(2回ほど読み返してみたのだが)。

だが そこはやむなしと
先を読み進めていくと、
ちゃんと頭に入ってきたので安心した。

決して本書が難解すぎるわけでも、
読者を煙に巻くような本であるわけでも
なかったのである。

忙しい人には Audible版も ↓


Kindle で書評集を出しました!!
※ Kindle Unlimited 対象です ※


過去は変えられる?変えられない?

私が好きだった言葉に
「過去と他人は変えられないけれど、
 未来と自分は変えていける」
というものがある。

その言葉に出会ってから長らく
お気に入りだったのだが、
ある日 それを正面から否定する
「過去は変えられる」
という言葉に出会ったのだ。

「起きた "事実" は変えられないが、
 それが "良かったこと" なのか
 "悪かったこと" なのかは
 自分次第で変えられるでしょう?」
ということだ。蓋し名言だと思った。

変えられないのは事実であって、
それをどう解釈するかは自分次第。
それも 後から自在に
変えることができるのだ。

…ということを知った、
あのときの感動が蘇ってきた。
もちろん それに通ずる話が
紹介されているからである。

冒頭に出てくる
「二本の矢」の話自体は
初めて聞いたものだったが、
奇しくも私は違ったルートから
同じ境地に たどり着いていたのだった。

考えない世界の中の考え過ぎ

古今 若者は先人たちから
「最近の若い者は何も考えてない」
と揶揄されてきたものだが、
現代は 生成AI の台頭によって
ことさらに考えない時代に
なってきている気がする。

「人間は考える葦である」
という言葉に感銘を受けて以来、
元々 思索するのが好きな私は
何かにつけて考えるようになった。
いや、考え過ぎているといってもいい。

今なお 思索するのが好きであるのは
それが奏功することが多いと
思っているからだが、その反面
余計なことまで考え過ぎるという
デメリットも抱えているのが難点。

そんな自縄自縛な自分を
正当化したいという
本能的な防衛反応なのか、
正直言って私は
考えない人が好きではない。
より正確に言うならば
"考えているように見えない人" である。

だが 自分が思考の中で悩めば悩むほど、
考えなしで楽しく
生きているように見える彼らが
羨ましくも疎ましくもなってしまうのだ。

図らずも仕事に追われる中で
余裕がなくなっていた私も、
それに近い心理状態に
なっていたところだった。

考え過ぎているからこそ

そういう性質が
関与しているのかは分からないが、
妻の言うことには
活字の本を読んでいるときの私は
眉間に深いシワを刻んでいるという。

おそらく この本を開いたときも、
同じように険しい顔だったのだろう。

だが 本書を読み進めていくうちに、
少しずつ表情も心も
ほぐされていくような感覚があった。

それは まさに日頃から
考え過ぎている私へ向けて、
本を通して筆者が
語り掛けてくれたからだろう。

この本は、決して考えることを
否定しているわけではない。
ただ、考えることが
万能なわけでもない。

考えるべきことは考えればいい。

それでも世の中には
考えても仕方のないことや
考えなくてもいいことは、
私が思っている以上にある。
それを忘れてはいけないのだ。

私が常々意識している
「人間は考える葦である」と
「考えても仕方ない」のバランス感覚。
これが この本の
伝えたかったことなのだろう。


内容としては、
問いかけ形式の思考実験が多い。
自省や哲学を齧っている人間だと
既視感もあるかもしれないが、
その独特な比喩を交えた
思考実験を通して
自分自身で考えることにより、
理解が深まるようになっている点が
ユニークだった。

なんだか禅問答をしているような
感覚になる本である。

こんな人にオススメ!
・考え過ぎて息苦しさを感じている人
・思慮深く、いつも悩みを抱えている人
こんな人には合わないかも…
・考えるより感性を大事に生きている人
・学術的な根拠に準じた内容を期待する人

Amazon でチェックする 
Audible をチェックする


お読みいただき、
ありがとうございました。


メンバーシップで
いっしょに楽しく活動しましょう!
有料記事もお得に読むことができて
オススメです! ↓

共同運営マガジンも展開してます ↓

はじめましての人は ぜひどうぞ ↓

X でも毎日 発信しています
楽しく交流していきましょう ↓

※ Amazonアソシエイトに参加しています。


今日のオススメ(勝手に紹介)

※ 勝手に紹介しているので、
 迷惑だったら ご連絡ください。

いいなと思ったら応援しよう!

Naseka@令和の哲学者 いつも応援いただき ありがとうございます。いただいたチップは、新たな学びの糧として 書籍代や有料記事購入に活用させていただきます。