見出し画像

[書評] タイムマシン

SF というジャンルも
映画自体も取り立てて
熱を上げているわけではないのだが、
バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)だけは
何回見ても面白い。

初めて見て
面白さを知ってからというもの、
金曜ロードショーで放送される度に
必ず見ている気がする。

BTTF は全3部作であるわけだが、
私が特にお気に入りなのは
断然 PART2 である。

何が面白いのかって、
1980年代(日本でいえば昭和である)
当時の人々が30年後(2015年)には
こんな未来が訪れているだろうと
考えていた世界が描かれているのが、
たまらなくワクワクするのだ。

現実は それから10年経っても
一般車両は空を飛んでいないし、
ホバーボードだって普及していない。

かと思えば スマホなんて端末が
ひとり1台持つのが
当たり前の時代なんて
想像できなかったようだし、
意外に FAX が現役である点なんかは
当たっていたり。
(アメリカ事情はしらんけど)

さて この BTTF にしても時間旅行には
タイムマシンが付き物なわけだが、
現代日本人の中で
それを初めて知ったのが
「ドラえもん」である割合は、
いったい如何ほどであろうか。
或いは キテレツ大百科の
航時機も含めたら、
相当の数を占めるのではなかろうか。

「何事も原典に触れなさい」とは
私が高校時代の恩師からいただいた
大切な言葉だが、その意味で 原典に近い
この本を読んでみたのである。


Kindle で書評集を出しました!!
※ Kindle Unlimited 対象です ※

※ Amazonアソシエイトに参加しています。


未来は どんなに素晴らしいのか

他のみなさんが どうかは知らぬが、
私は基本的に未来は今よりも
良くなっていくだろうと信じている。
これは "予測" ではなく "願望" である。

なぜなら まだまだ何十年と
生きていく予定なのに
未来が今より悪くなるなんて、
考えるだけで憂鬱ではないか。

私は本質的には悲観主義者であるから、
もしそんなふうに考えたら
生きる気力が萎えてしまうものだ。

現代社会が抱える種々の課題は
技術と人類の知恵の発展によって、
少なくとも今よりは いくらか
マシになっているはず。

進化の速度には程度の差はあれど、
そうやって人類は日々進化してきたのだ。

人類は言うほど賢くない

…と心から信じられたならば、
私もいくらかハッピーに
過ごせただろうに。
残念ながら私は、
そうではないことを知っている。

世界史が好きだから 古代ローマから
中世欧州世界を知れば
人類が常に進歩するものだとは
断言しかねるし、
私自身 中年に差し掛かってきて
「最近の若い者は…」と
思うことも増えてきた。
(もちろん最近の若い者にも
 強みがあることは理解しているが)

「昔は良かった」と
「最近の若い者は…」を
言い出したら年寄りの仲間入りだが、
歴史の一部分を切り取って
断片的に見れば たしかに
「昔の方が良かった」といえることはある。

実際にタイムマシンがない
現代においては
未来がどうなっているかは
所詮 予想を語ることしかできないわけだが、
要するに 未来予想においても
現代に比べて良くなっているのか
悪くなっているのかというのは、
予想する者の価値観によるところが
大きいということだ。

食うか食われるか

そこで今から100余年前の
作者が予想した 80万年先の未来は
どうかというところであるが、
どうやら 私にはあまり明るい未来とは
思えない世界のようだ。

無気力で飽きっぽい子どものようで
知性をあまり感じさせないイーロイ人と、
それを家畜の如く捕食するモーロック人。

現代の比喩を超えて文字どおりに
「食う側」と「食われる側」に
人類は二極化して進化していくらしい。

なるほど、世界に先駆けて
産業革命を経験して
資本主義が加速していた
ヴィクトリア朝の勢いを
感じさせる世界観である。

イイ線いってるかもしれない

スマホや AI が発展している
まさに現代で、
私は しばしば失礼ながら
「こいつら 何も考えてないんじゃないか」
と思ってしまうときがある。

仕事をしていても分からないものを
自分の頭で考えたり
肌身離さず持っている端末で
調べたりすることもなく、
「教えてください」
「教えてもらってないから
 分かりません」
と悪びれることもなく
訊いている若者を見ると、
未来を悲観したくなってくる。
(これを公に言うと
 老害だと思われることも承知している)

これが気軽にインターネットに
アクセスできなかった時代ならば、
ある程度 仕方ないと思えないこともない。

そのインターネット云々は、
せいぜい ここ30年くらいの話だ。

そうすると、たかが30年ほどあれば
人類が骨抜きになるには
十分過ぎる年月だといえるだろう。
(サンプル数が極端に少ないことは
 重々理解しているが)

もし このままのペースで
80万年経っていったら、
あながち イーロイのようなところに
収束していくのも不思議ではなさそうだ。

昔の人の未来予想を見て面白いのは、
荒唐無稽な想像物だけでなく
割とイイ線をいっている予想も
あったりすることだと思っている。

この本に描かれている未来と
これまで人類が歩んできた歴史、
そして現代社会を比較して
自分なりの未来予想をすると、
その人の世界観が表れて面白そうである。

本書を読んだばかりだということも
多分にあるかもしれないが、
私は人類の "知性" の進化に関しては
あまりポジティブな想像が浮かばないなぁ…

こんな人にオススメ!

・タイムトラベルものが好きな人
・人間の知性について考えたい人
・未来の世界について考えてみたい人


お読みいただき、
ありがとうございました。


メンバーシップで
いっしょに楽しく活動しましょう!
有料記事もお得に読むことができて
オススメです! ↓

共同運営マガジンも展開してます ↓

はじめましての人は ぜひどうぞ ↓

X でも毎日 発信しています
楽しく交流していきましょう ↓


今日のオススメ(勝手に紹介)

※ 勝手に紹介しているので、
 迷惑だったら ご連絡ください。

いいなと思ったら応援しよう!

Naseka@令和の哲学者 いつも応援いただき ありがとうございます。いただいたチップは、新たな学びの糧として 書籍代や有料記事購入に活用させていただきます。

この記事が参加している募集