[書評] Dreams -ドリームス-
今でこそ それなりに主体性を発揮して
仕事にも私生活にも
充実させることができているが、
元々 私はどちらかといえば
引っ込み思案な人間だった。
人見知りで自分から
声をかけるなんてことは考えられず、
いつも相手から話しかけられるか
言葉を交わさざるを得ない
機会に迫られて
なんとなく友人が増えていくばかり。
そんなウジウジナヨナヨしていた
自分を思い返せば、
どうして今のようにハッキリ物申して
行動できるようになったのだろうか。
そんな風に考えて振り返ると、
きっとこの作品がキッカケだった。
別の野球の本を読んだ勢いで
読み返したくなったのだが、
読んでいるうちに
当時の自分を思い出したのだ。
Kindle で書評集を出してます!
※ Kindle Unlimited 対象です ※
非常識の詰め合わせ
かれこれ30年以上生きてきて
いろんなマンガやアニメを見てきたが、
後にも先にもこの作品の主人公
久里武志ほど
主体性と我の強さで
上回る人物を見た記憶がない。
連載開始は1996年だから
高校球児と言えば
坊主頭が暗黙の常識だった時代に、
茶髪で試合中にはガムを噛み、
暴言を吐くのは当たり前。
ときには乱闘も辞さない武闘派ときた。
ただ単なる不良が主人公の
野球マンガというわけではなく、
彼には彼なりの哲学と理論を
持って生きている。
こと野球に関しては
誰よりも真摯であり、
練習量も知識量も思考の深さも
圧倒的である。
20世紀に入りデータ分析や
科学的なアプローチも
常識となった現代野球を知る者の目には
当たり前に認識していることも、
30年も前ともなれば
球界や社会を席巻していた
常識というものは
今とは大きく異なっていた。
そんな時代において
当時の先端をいく理論的な野球を
展開する本作には、
私のような素人はもちろん
プロ野球選手ですら
驚いたこともあったという。
そんな心身ともに卓越した彼は
まさに非常識の詰め合わせのような
人物である。
ゴリゴリの主体性
少々メタ的な見方にはなるが
大人しく理屈を説いて
受け入れられるなら
主人公をこんな欲張りセットに
する必要はないわけで、
とにかく観衆や相手チームはもちろん
自分のチームの部長や仲間たちにも
なかなか受け入れられない。
言わば彼らは非常に保守的で
"常識的" な考えの持ち主であり、
そんな彼らにとって久里少年は
全く違う星の生き物であるかのような
常識が通じない相手なのだ。
だが彼らの野球部は
他校から声のかからなかった
落ちこぼれの集まりであり、
そんなメンバーが
常識的に振る舞ったところで
順当に敗者となるのがオチである。
(久里がここへ流れ着いたのは、
実力ではなく人間的な問題だったが)
そこで共にプレーするうちに
見るに見かねた久里の主体性が
大爆発するわけである。
ときには暴言で、ときに痛みも辞さず、
常識という枠に収まってしまった彼らを
新たなステージへと引きずり上げる。
そして試合のステージも上がるにつれ、
相手チームにも同じような熱量を持つ
ライバルたちが現れる。
その結果は言うまでもなく、
互いの意地と信念をぶつけ合う
ガチンコ勝負である。
その高い熱量の激突を見ると、
いきおい読んでいる側までが
その放出されるエナジーに感化される。
彼らの言葉と生き様を見たら
大抵のネガティブは
吹っ飛んでしまうだろう。
それこそ頭をハンマーで
かち割られるくらいの衝撃である。
この作品を読んでたら、
とてもじゃないが
ウジウジなどしていられなくなる。
私もそうした彼らの熱量に打たれて、
知らず知らずのうちに
前向きなマインドセットに
変わっていったのだった。
成せば成る
ただ当時の私は
純粋に野球マンガとして
この作品を読み始めたわけで、
その面においてもしっかりと面白い。
野球マンガといえば やれ
「魔球○○」とか「△△打法」とか
荒唐無稽な必殺技が鉄板であるが、
この作品にもたくさん登場する。
確かに素人目には
現実離れしたプレーに思えるのだが、
意外と他の作品のそれに比べると
しっかりと理論立てて
描かれているように思う。
この作品の連載当時は日本人が
(ましてや高校生が)
160km/hのボールを投げられるとは
考えられてなかったし、
メジャーリーグで
投げて打っての大活躍をする
日本人が表れるなんて
誰も想像していなかっただろう。
だが今ではご存じのとおり、
マンガの中だけの馬鹿げた活躍が
現実のものとなって
連日ニュースでも報じられている。
それを考えれば たとえ無理に思える
魔球の類だったとしても、
何十年後かには
現実になっているのかもしれない。
「Dream Comes True」と言うと
平凡に「夢はきっと叶う」と
訳してしまいそうだが、
主体性を強く持っていれば
「成せば成る」とも言い換えられる。
すなわち "叶う" のではなく、
自らの手で "実現させる" のだ。
後半に進むにつれて
さすがの私もやり過ぎ感を
覚えるところもあるが、
それすら成せば成るのではないか。
年を経て読み返す度に、
プロ野球の常識も
自分の意識も変化を実感するのが
楽しい作品である。
こんな人にオススメ!
・野球マンガが好きな人
・本気で野球を上達したい人
・ネガティブや常識にとらわれた
自分を変えたい人
こんな人には合わないかも…
・素行不良や常識外れが嫌いな人
・型に押し込めようとする人たちが大嫌いな人
お読みいただき、
ありがとうございました。
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本気で仕事のことを考え続けていると、いずれ意識せずとも全ての思考が仕事のこととリンクするようになる。これを「全集中の呼吸・常中」という。この領域まで来ると、意識して頑張る以上の結果が "頑張ることなく" 得られるようになるのだ。まずはそのレベルになるまで鍛錬あるのみ。
— Naseka@令和の哲学者 (@philosopher_018) August 30, 2025
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