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[書評] みどりのマキバオー

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家 として、
自らを定義しています。

春といえば、競馬のGⅠシーズン開幕。
5月といえば、府中(東京競馬場)での
GⅠラッシュ。
そして5月の最終週といえば、
競馬の祭典 "日本ダービー(東京優駿)"

大学生の頃に
競馬ゲームと動画サイトを入口に
競馬の魅力にハマってからというもの、
暦の感覚は もっぱら
JRA のレースカレンダーとセットで
身体に染みついている。

私が競馬に求めるものは、
スポーツとしてのパフォーマンスと
人馬を取り巻くドラマである。

故に目の前のレースだけでなく、
競馬史を遡ることも
また楽しみのひとつ。

心に響いたレースは 毎年季節が近づくと
振り返りたくなるのだが、
今回紹介する作品もまた
毎年読み返したくなる作品である。


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ギャグとシリアスの二面性

週刊少年ジャンプを読んでいるのが
少年だけではないというのは
( "心は少年のまま"
 とか言う声は無視する)
周知の事実であるわけだが、
いくら30年近く前の作品だとはいえ
あの雑誌で競馬の作品を
取り上げるというのは
なんとも意欲的というか
挑戦的だったというか。

もちろん熾烈な生存競争に晒されるから
淘汰されることを前提に
放り込まれたのかもしれないが、
これほどしっかりと生き残ったのだから
そのポテンシャルたるや見事である。

小学生も読む雑誌と
いうことでの配慮なのか
純粋に作者の好みだったのかは分からぬが、
多分にギャグ…それも下ネタ成分が多い。
(たぶん作者の好みなのだろう)

これだけであれば正直 読むに堪えない
小学校低学年向けの作品で、
競馬という比較的大人向けなテーマとの
アンマッチもあり
人気も出ることはなかったかもしれない。

ところが ひとたび
レースのことになると
(たまにアホなお馬さんはいるものの)
至って真剣、シリアスである。
それこそ少年マンガの王道である
激アツに燃える展開が多い。

もちろん私が心を掴まれたのも、
後者の要素である。

ただ、あまりに読み返し過ぎて
下ネタの流れまで
頭に入ってしまったことだけは
如何ともしがたいが。

競馬が持つドラマ性

毎レース圧勝をかますような
主人公(馬)では、
現実ならともかく
マンガでは面白みに欠ける。

このあたりはメタ的に言えば
作品を面白くするための
工夫なのかもしれないが、
勝ったり負けたりの展開が続く。

それこそ現実世界における
ディープインパクトのように
連戦連勝とはいかない。

だが 競馬というものは
大レースにもなれば
15頭以上の競走馬が
しのぎを削るわけであり、
彼ら(馬)や彼らに跨る騎手などの
関係者たちには
様々な人生のドラマがある。

その時々で勝ち馬が違うからこそ、
それぞれの陣営が抱えるドラマが
引き立っていく。

随所に感じる作者の競馬愛

そして この作品
最大の魅力ともいえるのが、
現実の競馬を通じているからこそ分かる
作中の端々に差し込まれるオマージュだ。

単なる人名・馬名のもじりに留まらず、
実況のフレーズなどにも
有名なレースの面影を感じられる。

何より私の中では
語らずにはいられないのが、
クラシック三冠目の菊花賞。

あのゴールシーンの名実況は、
本当に競馬にロマン感じて
愛していないと絶対に出てこない。

「サラブレッド」という
寛容的な表現にも使われるほどの
ブラッドスポーツの世界で生きる彼らは、
自分だけでなく
親兄弟の想いも背負って走っている。

親の無念を子が晴らし、
兄の無念を弟が晴らす。

もしこの作品を 競馬の持つドラマ性に
興味のない人が読んだなら、
きっと荒唐無稽な作品の世界に
愛想をつかしてしまうかもしれない。

なにしろ馬がしゃべるどころか、
二足歩行で堂々と闊歩する世界なのだ。
(加えて そこに得意の下ネタである)

でも 笑わせるところは笑わせながら、
燃えるところでは 読者の心を
しっかりと燃え上がらせてくれる。

あの白いシャドーロールの三冠達成は、
競馬マンガ史上に残る
最高の名場面であり続けることだろう。

こんな人にオススメ!
・競馬ファン
 (特にロマンやドラマを愛する人)
・競馬に興味がある人
・アツく燃える展開が好きな人

こんな人には合わないかも…
・下ネタが苦手な人
 (小学生男子レベル)
・馬が人語を話して二足歩行する世界を
 受け入れられない人

お読みいただき、
ありがとうございました。


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