社労士試験の選択式で「知っているのに抜ける」人へ。足切りが怖いときに見る3つのズレ
社労士試験の勉強をしていて、選択式がいちばん怖いと感じる人は多いと思います。私もそうでした。
択一は、悪いなりにも積み上げている感覚がありました。でも選択式は、1科目だけで一気に崩れる怖さがあります。しかも厄介なのは、まったく知らない問題で落ちるだけではないことです。解説を読むと、「これ、見たことある」「この言葉、知っていた」「落ち着いて読めば分かったかもしれない」と思うことがあります。この「知っているのに抜ける」が続くと、かなりしんどいです。
勉強していないわけではない。テキストも読んでいる。過去問にも触れている。それなのに、本番形式になると空欄が埋まらない。私は、この状態をずっと「知識が足りないからだ」と思っていました。もちろん知識不足もあります。でも、最後の年(5年目です)に見直してよかったのは、知識量そのものよりも、選択式で落ちるときのズレを分けて見ることでした。
今日は、選択式で「知っているのに抜ける」ときに見ていた3つのズレを書きます。
1. 空欄の前後を読む前に、選択肢へ飛んでいる
選択式で焦ると、先に選択肢を見たくなります。空欄を見て、すぐに候補語句を見て、「これっぽい」「この言葉を見たことがある」「なんとなく近い」で選んでしまう。
でも、選択式は言葉そのものを知っているかだけではなく、前後の文脈に合うかを見ないと外れやすいです。特に社労士試験では、似たような言葉が並びます。「対象者」なのか、「要件」なのか、「手続」なのか、「数字」なのか、「目的」なのか。選択肢を先に見ると、知っている言葉に引っ張られます。
私が最後の年に少し変えたのは、空欄だけを見るのではなく、空欄の前後に印をつけることでした。空欄の前に何が書かれているか、空欄の後ろで何を説明しているか、主語は誰か、制度の目的なのか手続なのか例外なのか。ここを確認してから選択肢を見るだけでも、「知っている言葉に飛びつくミス」は少し減りました。(地味ですが、本番の数分の差はここで生まれていた気がします。)

2. 似た言葉の違いを、自分の言葉で言えない
選択式で落ちるとき、私はよく「似た言葉」にやられていました。どちらも見たことがある。どちらもテキストに載っている。どちらもそれっぽい。この状態で選択肢が並ぶと、最後は雰囲気で選んでしまいます。そして解説を読んでから、「ああ、そっちか」となる。
ここで気をつけたいのは、「見たことがある」と「違いを説明できる」は別だということです。なぜAではなくBなのか、どこが違うのか、どの言葉が決め手なのか。これを一言で言えないと、次も同じように迷います。
私は、選択式の復習で全部をきれいにまとめようとしていました。でも、それだと重くて続きませんでした。最後の年は、似た言葉で迷ったら、1行だけ残すようにしました。
「Aは対象者、Bは手続」
「数字は覚えていたが、誰に適用されるかを読んでいなかった」
「目的条文の言葉に見えたが、今回は要件を聞かれていた」
このくらいです。きれいなノートではありません。でも、次に同じ迷い方をしないためには、十分なことが多かったです。

3. 解説を読んで「分かった」で終わっている
選択式で一番もったいないのは、解説を読んで分かった気になって終わることでした。解説は読みやすいです。正解を見たあとなら、流れも自然に見えます。でも、本番では正解が見えない状態で選びます。だから復習では、「なぜ正解だったか」だけではなく、「なぜ自分はその選択肢を選べなかったか」を見た方がよかったです。
私は、間違えた問題に対して、次のように分けていました。
言葉を知らなかった
似た言葉と混同した
空欄の前後を読んでいなかった
数字だけ覚えていて、対象者を見落とした
解説を読むと分かるが、自分では引き出せなかった
この分類をすると、次にやることが変わります。言葉を知らなかったなら覚える。似た言葉と混同したなら違いを1行で残す。前後を読んでいなかったなら解き方を直す。引き出せなかったなら翌日か数日後にもう一度空欄だけ見る。全部を同じ「復習」で処理しない。ここが大事でした。

足切りが怖いときほど、ミスの理由を短く残す
選択式の足切りが怖いと、どうしても教材を増やしたくなります。白書も不安、労一も不安、社一も不安、数字も不安。その気持ちはかなり分かります。ただ、不安なまま教材を増やすと、見る場所が増えて、かえって何を直すべきか見えにくくなることがあります。
私がもう少し早くやればよかったと思うのは、間違えた問題をたくさん集めることではなく、落ちた理由を短く残すことでした。たとえば、「言葉は知っていたが、空欄後ろの要件を読めていなかった」。この1行だけでも、次に同じ問題へ戻るときの見方が変わります。
選択式は怖いです。でも、怖いから全部を広げるのではなく、怖いからこそ、まず1問だけズレを言葉にする。私はその方が、忙しい社会人受験生には続けやすいと思っています。

まとめ:落ちた「理由」を1行だけ残す
選択式の足切りが怖いときに見ていたのは、次の3つのズレでした。
空欄の前後を読む前に、選択肢へ飛んでいないか
似た言葉の違いを、自分の言葉で言えているか
解説を読んで「分かった」で終わっていないか
そして、間違えたら理由を1行だけ残す。これだけでも、次の1問の見え方は変わると思います。
その「1行を残す場所」として、間違えた理由をあとで見返すための無料ツール、ミス問メーカーを作っています。きれいなノートを作るためではなく、「なぜ抜けたか」をあとで見返すための場所です。選択式の足切りが不安な人は、まず1問だけ記録してみてください。
社労士試験の勉強法メモは、プロフィール内の「社労士試験、5年目で変えた勉強法」マガジンにもまとめています。
この記事が少しでも「役に立った」と感じたら、ぜひ「スキ」と「フォロー」をいただけると嬉しいです。選択式は最後まで怖い科目ですが、ズレを1つずつ言葉にしていけば、本番で戻れる場所は少しずつ増えていきます。
