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287話 フアナ 栄光の影の女王 Juana — The Princess in Glory’s Shadow 【イベリア編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~



栄光のイスパニアの影に沈んだ王女 フアナについて語りたい。

 

カスティリャ王国 エンリケ4世の娘 フアナ王女である。

 


以前の物語で、フアン王女と書いてあるところがあるが、


今後はフアナ王女で統一する。


 

Ⅰ 生まれた瞬間から「王の娘ではない」という疑惑


フアナが生まれたとき、 宮廷はざわめきに満ちていた。

「王の娘ではない」 「ベルトランの子だ」 「王妃の不義の証だ」

その噂は、 彼女がまだ揺り籠にいる頃から王国を駆け巡った。


フアナは、 生まれた瞬間から「王女」でありながら、 その地位を否定される影の中にいた。

彼女の人生は、生まれ出た最初の呼吸からすでに疑いの中にあったのである。


 

Ⅱ 叔母イサベルが拒んだ婚姻を、少女フアナが背負う


本来、 ポルトガル王 アフォンソ5世に嫁ぐはずだったのは

叔母のイサベルだった。


しかしイサベルは拒んだ。



イサベルは自らの未来を自分で選んだのだ。



その結果―― イサベルが拒んだ婚姻を、


まだ十代の少女フアナが背負うことになる。

「あなたはポルトガル王妃となるべきだ」

「あなたが王国の均衡を保つのだ」




フアナは、自分自身でその選択をする以前に、



イサベルが捨てた未来に飲み込まれていた。






以前の物語で、これがイサベルとイスパニアの繁栄のきっかけであると述べている。


・・・が、このイサベルのわがままの犠牲となったのが、このフアナだったのだ。

 


Ⅲ 父王の死と、王位継承の戦い


1474年、父王 エンリケ4世が亡くなった。


その瞬間、 王国は二つに割れた。

  • フアナこそ正統な王女だ

  • イサベルこそ真の王だ


フアナは、 自分の正統性を証明するために戦場へ向かうことになる。


フアナにはポルトガルが、イサベルにはアラゴンが付いている


 



彼女自身は剣を取るわけではない。


しかし、彼女の名のために軍が動き、 彼女の名のために血が流れた。

少女の肩には、 王国の重さが乗せられていた。

 

 

Ⅳ トーロの霧の中で、運命は決まった


1476年、トーロの戦い。

霧が戦場を覆い、 旗が揺れ、 騎兵の蹄音が地鳴りのように響く。

自分の正統性を疑う者が多い中で、それでも彼女を信じる者がいた。

 

その忠誠は、彼女にとって救いだったろう。


 

戦いそのものは、ほぼ互角だったといってよい。

が、その霧が晴れたとき、 残っていたのは―― イサベルとフェルナンドの旗だった。


戦いはイサベルの勝利として結果が駆け巡っていた。



 

フアナの王位請求は、 この瞬間に事実上終わった。



彼女が戦場にいない霧の向こうで、すでに彼女の未来は静かに閉じられていた。

しかし、彼女は折れなかった。

 

 


Ⅴ カスティリャはイサベルへ、アラゴンはフェルナンドへ


トーロの敗戦後、 カスティリャ王国はイサベル女王で確定し、

その後の栄光に向かっていく。






が、もし、イサベルが予定通りにポルトガルに嫁いでいたならば・・・



カスティリャの女王はフアナだったのだ・・・



 


イサベルはフェルナンドと結婚し、 カスティリャとアラゴンは統合される。


この統合こそが、 後の「スペイン王国」の誕生であり、



栄光のイスパニアの始まりだった。






その後、日の沈まない帝国になっていく。

 




しかし・・・・その栄光の背後には、 フアナの沈黙があったのである。

 

仮の話はしても仕方がない・・・





けれど、もし、イサベルではなくフアナが女王ならば


カスティリャとアラゴンは統一することはなく・・・

 





つまり・・・・その後のスペインは誕生しないのである・・・・

 









その後イサベルは栄光の道を駆け上っていく。


 




・・・フアナに栄光が訪れた形跡は








ない。

 

 

 

Ⅵ ローマ教皇による「婚姻無効」




フアナは、ポルトガル王 アフォンソ5世と結婚したが、



その婚姻は後にローマ教皇によって無効とされた。


 





「この婚姻は成立しない」



「王位請求の根拠は消える」





フアナは、 王女としての地位も、 王妃としての地位も、 すべて奪われた。

 






彼女の人生は、 どこまでも否定によって形作られている。

 


 

 

Ⅶ 晩年は修道院で


フアナは、 ポルトガルの修道院で静かに暮らした。

祈り、 読書、 沈黙。

彼女は、 自分がかつて王国の中心にいたことを語る相手もいなかった。





彼女の人生は、 イサベルの栄光の背後で静かに消えていった。





彼女を支えていたのは、自分自身の内側にある静かな光だったのではないだろうか

 



 

 

Ⅷ 栄光はどこにあったのか


フアナの人生を振り返ると、 そこには「栄光」という言葉は見当たらない。

 



しかし―― それでも彼女は、 自分の人生を恨まなかった。


歴史を呪わなかった。




彼女の栄光は、 沈黙の中にあった。



 



そう・・・自分の内側にだけ灯る、 小さな、静かな光。



祈りの中で、 読書の中で、 沈黙の中で、 彼女はその光を守り続けた。



それは、 栄光とは呼べないかもしれない。






手紙には「La Reina(女王)」と署名し続けた







これは、彼女が自分の人生を否定していなかった証であろう。

 


 

 

イサベルの栄光の後ろに隠れた、フアナの人生を語ってみた。







これでよかったのだろうかとも思ったりはするけれど。



 

 





 

この静かな晩年を見て思うのは、



 

 

フアナは、おそらく幸せだったのだろう。である

 

 

 





人生の幸せというのは・・・

 

 


 

 

栄光とは

 

 

 

 

 

 

 

関係が

 

 






 

 

 

 

ない

 






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