279話 覚悟した時の望み The Hope Born at the Moment of Resolve【エジプト編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
ラガシュカイネルは、そのまましばらく泣いていた。

が、ある程度泣いて落ち着いたと見える。
真っ赤な目のまま、剣を拾うと仕舞った。
もう王ではないのだと思うと力が抜けた。
部屋の片隅に、一人だけ官僚がいるのにようやく気が付いた。

「そなたは・・・」
「はっ、ナムルと申します。」

「そなたも逃げるなりせよ。」
「儂は、もう王ではない。」
「何を仰せられますか。王は王でございますぞ」
「そ・・・そうか・・・?」

「王陛下・・・死を覚悟されたのでございましょう・・」
「うむ・・・まだ生きておるがの・・」
「死ぬほどの覚悟をされたのでしたら・・・」
「最後に、されたいことをなされてはいかがでございましょう」
「ん・・・やりたいこととな・・・」

「何か、覚悟されたときに望まれたことを」
「覚悟・・・された・・・望み・・・?」
「・・・であれば・・・・ネフェル何とかに逢いたいだな・・・」
「ネフェル何とか?」
「なんじゃったかな・・アメンラーの王妃・・・」

「あ、ああ・・・そのネフェルで・・・ええ・・・と」
「ネフェル・・・・たしか・・・・ネフェルイアリア・・・」

「あ、ああそんな感じ・・・」
「ネ・・・ネフェルイウリアだったかの」

「ああ・・それです・・・そうでした」
ラガシュカイネルは、声を出して笑った。

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