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10話 占い Fortune-Telling: What Awaits the Two of Us 【波打際編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~  

駅の近くに、古びたビルがある。
かつては町の中心としてにぎわっていたのだろうが、今は雑居ビルとして静かに佇んでいる。
エスカレーターの奥、衝立で仕切られた小さな占いコーナー。

セオリが袖を引いた。
「見てもらおうよ」
貼られた料金表をちらりと見て、ナビオはうなずいた。

中に入ると、美魔女風の占い師がにこやかに迎えた。
「いらっしゃい。高校生かしら」
名前と聞きたいことを小さなメモに書かされ、水晶玉の前に置く。
占い師は「この町も変わったわねえ」とか言いながら、指先で水晶玉を軽く撫でた。
「何から行きましょうか」

占い師

「健康運から」
高校生カップルなら恋愛運に決まっている。
ド直球が恥ずかしくてつい口をついて出た。
「うん、健康ですよ。病気の心配もありません」
そう言ってから、占い師はセオリを見た。
「子宝にも恵まれます」

――恋愛より先に進んでしまった。

学校のこと、美術のこと、家族のこと。
いろいろと見てもらったあと、占い師がふと水晶玉から目を上げた。
「……別料金になりますけど」

ここまで聞いて断るわけにもいかず、ナビオはうなずいた。
占い師はナビオの後ろを見上げるようにして言った。

「天狗様ですね……」

天狗が守っている――そう告げられた。

再び水晶玉に視線を戻すと、いよいよ恋愛運。
内容は二人が思わず顔を見合わせるほど良いものだった。
ナビオは恥ずかしそうに、セオリは嬉しそうに微笑んだ。


二人が帰ったあと、占い師は横に置かれた小さな神像に目を向けた。
言わなかったことが一つある。



――女の子の後ろに見えていた者のことを。




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