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海の涙


今年の家族旅行は、
シーグラスが拾える海へ。

綺麗な砂浜を思い描いていた。

少しだけ整備された海水浴場に到着。
監視塔の人は、居眠り中。

海には誰一人泳ぐ者はなく、
白いビニール袋だけがクラゲのように
プカプカ浮いては沈んでいた。

夏なのに、プラスチックで作られた軽そうなソリを引いて歩いている管理人。

シーグラスがある場所を尋ねると、

「あ〜、あのガラスの?あっちの海岸にあるよ。」 
管理人はそう答えた。

言われた場所へたどり着く。

ここ?


イメージと違うんですけどー。

心の中でそう叫んだ。

辺りは、ゴミでいっぱいだった。

砂浜にはペットボトルの蓋、
プラスチック容器、網、
何やら怪しい瓶まで落ちていた。

これらは全て自然には消えないモノだ。

流木や石ころも流れ着いていた。
ゴミも一緒に流れ着く場所なのだろう。

それが、今ある海の姿だった。

気分が沈み、心の中で涙が流れた。

その時、

少しだけ綺麗なモノが目についた。

硬くて角はなくデコボコの形。
曇った水色でザラザラした触感のモノ。

「あった!」

それを手のひらに乗せて、家族に見せた。

「ほぉ〜。」
小さな目が少し輝いた。

それから、白、緑、水色、様々な形の
シーグラスを見つけた。

「シーグラスって何でできているの?」
次女が聞く。

「ガラスや瓶の欠片だよ。」
他にもイメージが湧くように話をした。

宝探しをするかのように拾い集める子ども達。

ふと、ギュッと胸が痛んでやるせ無い気持ちを感じた。

シーグラスって海の涙みたい。

嬉し涙。悔し涙。悲し涙。
大好きだった人との別れの涙。
淋しさを埋め尽くす涙。
幸せな瞬間を味わう涙。

目の前にある海は、
どんな涙を流しているのだろうか。

シーグラス
ガラスや瓶の破片。

海の中で途中で割れたの?
魚に当たったら痛い?

様々な思いが頭の中をよぎった。

私が分かることは、
ガラス瓶、プラスチックが悪いわけではなく問題は、ゴミをゴミ箱に捨てないことだ。

「ゴミは消えないんだよ。
見てごらん、捨てると海が汚れるね。
ゴミはゴミ箱に捨てようね。」

海を見つめて聞いていた長女がこう言った。
「海が汚い。魚も可哀想。」

海水浴場の方を振り返ると、
管理人は、ソリにゴミを乗せて運んでいた。

それから私達は、袋一つ分のゴミを拾い集め車に乗り込んで海を後にした。

海の涙を拾った。
シーグラスを見るたびに思い出す。


私達、一人ひとりの手で未来は変わる。

次に訪れる時には、
ちがう景色が見られることを信じている。

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