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やわらかい手がほどくもの

看護をしていると、
言葉だけでは届かない場面がある。

どんなに説明しても、
どんなに声をかけても、
相手の心がまだ固く閉じたままのことがある。

そんなとき私は、
言葉の前にあるものを
大切にしたいと思う。

近づき方。
声の温度。
目線。
間の取り方。
そして、
そっと触れる手のやわらかさ。

人は不安なときほど、
体にも力が入っている。
心がこわばると、
体もまた、かたくなる。

だからこそ、
肩にそっと手を置くこと、
背中をやさしくさすること、
その小さなぬくもりが
言葉以上に伝わることがある。

「大丈夫ですよ」
「わかっていますよ」
「ひとりじゃないですよ」

そんな思いは、
案外、手のひらから
先に伝わっているのかもしれない。

昨日、言葉では否定しながらも、
やわらかく関わっていくうちに
ふっと笑顔になった患者さんがいた。

ああ、やっぱりと思った。

人の心は、
力で開くものではなく、
安心でほどけていくのだと。

看護は、
ただ必要なことをこなす仕事ではない。

その人の緊張をゆるめ、
不安を少しでも軽くし、
ここにいて大丈夫だと思ってもらう仕事でもある。

やわらかい手は、
ただ触れているだけではない。

その奥にある
「あなたを大切に思っています」という気持ちまで、
一緒に届けているのだと思う。

私はそんな看護を、
これからも大事にしていきたい。

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#やさしい看護
#患者さんとの時間

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