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風を入れる


不登校の当時を思い出すと、わが子の気持ちを考えることに忙しく、自分の気持ちの何がどう辛いのかを理解できていなかった。

わが子がどうしたら登校できるのか
時間が経つともう何も考えられなくなった。


わが子が不登校になってから何年経ったのだろう。

ここまでくると、もうどうにかなるだろうという諦めになる。

ここまでの時間もプロセスとして必要だったのか、だだの惰性な時間だったのかもわからない。

諦めたら願いが叶うということがある。
私の葛藤が消えたのはきっとこの時だ。




私が蓋をしていた


ここを開けなければ変わらなかったと、後からわかった。

その箱の中身が悪いとか、そういうことではない。

あくまでもわが家の場合
これが多くの不登校家庭の中で、どれくらい当てはまるのかはわからない。


わが家は平均的、以前は勝手に思っていた。

その基準は、私と夫の実家や本やメディアで見る家庭像。

私はそこに寄せていくことにこだわっていたのに、今思えば全然寄せることができていない。

というか寄せるって何?と思ってしまう。


入れ物やかたちはどうでもいいこと
人と比べること自体がナンセンス。


私はとにかく不登校解決に向けて、あれこれ試していた。

もうない、そう思うまでも何年かかかった。

でもその年月は決して無駄ではなかったと思っている。

突破口を探したい気持ちが無くなり、そのかわり別のポイントに気付くことで、すぐにではないにしろ最終的に状況が変わってきた。


✻ ✻ ✻


私は勤めていた会社の若い男性に、ちょっと激し目タイプの長男のことを時々ボヤいていた。

あるときの彼の言葉に私の感情の “蓋” が開いた。


「○○さん(私のこと)、僕もそうだったな…おふくろを泣かせたこともありましたよ~」

べつに普通の会話なのに
一気に気持ちが楽になった。


私が欲していたのはこれだ
わが子の気持ちを代弁してくれるような男性(夫)に
こんな風に共感して欲しかったのだ。


私は二人の息子のうち
この時は特に、激し目高校生の長男のことがわからなかった。

夫は優しそうで落ち着いているタイプ
長男とはタイプが全然違うように見える
だから父親である夫もわからなかった。

わからなくても分かろうとする大人の男性(父親)から、もっと接してみて欲しい。


長男は目の前に迫る進学や就職の・・
つまり社会の入り口に立っている。

家庭での学びを卒業して
社会へ出る不安が大きくなっている。

そんな気がした。


きっかけは不登校であったとしても、私と学校で何とかするのはもう限界なのではないか。


以前の私は、夫は仕事が大変だったから家事育児を一手に引き受けて、良い妻になろうとしていた。

それが良くなかった
仕事で疲れていても、もっと子供たちにも関わらせる。

それも私の役目だったのかもしれない。


そう言えば次男が小学生の時、家族の紹介文に「おとうさんは働く人」と書いたのを思い出した。「優しい人」とかそういうのじゃないの?と思う。
別に間違いではないと思うけど、何か機械的な感じ。


社会での仕事が得意な彼にとって、家庭は皆んなの感情が集まる難しい(?)コミュニティ。そこは私の方が得意だと思っていた。

その役割分担が、夫と息子たちを分断させていた。


私が何でモヤモヤするのかは、一緒に考え心配する場所に夫がいなかったから。


毎日日付が変わるころに帰ってくる夫
お互いに疲れているから
嫌な話はあまりしたくない

私は感情を都合の良い方に向け
自分の気持ちを無いものにしていた。


許した私がいけない

いけなかったのは
私が子供たちの情報の中継をしたこと。

子ども達が幼い頃、朝早く家を出て深夜に帰る父親とは1週間会わない
そんなこともあった。

夫は遅い夕食を取りながら気になるスポーツニュースを見ている。

今日あったことや必要な連絡を、私はその時にする。

大まかな話をして、あとはテレビから目を離さない夫を横目に食器を片付ける。

週末の時間は皆で共有したけれど、家族間の感情を通すパイプが
うまく繋がっていなかった。

それでもみんなが頑張っていた


必要な時には、テレビを消して話をするべきだった。


帰宅後の夫にとっての
スポーツの試合結果 私の気持ち・・・かも知れなくて

これを許してはいけなかったんだね。


それぞれの立ち位置が変わる


それに気づいてから、夫との話し合いが始まるけどスムーズにいかない
それでも私はしつこく訴える。

夫が登場せざるをえない出来事も起こってくる。

子どもたちが段々大人になってきて、変わっていく状況が実感できた。


母と息子たちの息苦しい空間に新しい風が入り始め、私が頑張り続けることがなくなってきたから、わが子らも敏感にそれを感じ取った。

間違った時点から時間を取り戻すには、そこからもまだ努力が必要ではあった。でも取り組みの方向性が変わったことによって、皆の立ち位置が変わってきたのは事実。

夫にバトンタッチして、私の出番はここまでになった。

息子たちは私を追い越している

長い時間をかけてここを通過したと思った時、私が一応役目を果たしたという気持ちになった。

ここでやっと、重かった荷物をおろすことができた。




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