XGの人気を測るバロメーターは何か
Spotify月間リスナー約591万人。
SNSフォロワー数1,200万人超。
ワールドツアー40万人動員。 (2026年3月時点)
XGの人気を語るとき、さまざまな数字が使われる。
しかし、いつも少し疑問に思う。
果たして、どの数字がXGの人気を最も正確に表しているのだろうか。
Spotifyだろうか。
SNSだろうか。
それともライブ動員だろうか。
考えてみると、その問い自体が少し間違っているのかもしれない。
なぜなら、それぞれの数字は「人気の大きさ」を測っているのではなく、「ファンになる過程」の異なる段階を測っているように見えるからだ。
フェスは人気を測る場所ではなく、人気を作る場所
先日、XGはロンドンで開催されたCapital's Summertime Ballに出演した。
披露したのはわずか3曲。
XGだけを見に来たわけではない観客が大半だったはずだ。
それでも出演した理由は何だろうか。
おそらく目的は、既存ファンを喜ばせることではない。
新しい人に見つけてもらうことだ。
フェスは人気を測る場所ではない。
人気を作る場所である。
「なんだ、このグループは?」
そう思った人が次の行動へ進む。
そこからファンになるプロセスが始まる。
Spotifyは“広がり”を測る指標
フェスで興味を持った人は、まず楽曲を聴く。
今ならSpotifyがその入口になることが多いだろう。
検索する人もいれば、おすすめ表示やプレイリスト経由で辿り着く人もいる。
Spotify月間リスナー数が示しているのは、
どれだけ多くの人に楽曲が届いているか。
つまり「広がり」だ。
一方で、Spotifyには受動的な側面もある。
偶然流れてきた曲を気に入ることはあっても、その人が必ずしもXGのファンになったとは限らない。
だからSpotify月間リスナー数は重要な指標ではあるが、それだけで人気を語ることはできない。
YouTubeは“理解”を深める場所
XGの場合、Spotifyの次に大きな役割を果たしているのがYouTubeだと思う。
MVはもちろん、
Dance Practice、
ライブ映像、
ドキュメンタリーコンテンツなど、
楽曲だけでは伝わらない魅力が詰まっている。
「曲が好き」から
「このグループはすごい」へ。
YouTubeはその橋渡しをしている。
ライブはファン化の転換点
そして多くの人にとって、ライブは決定的な体験になる。
チケットを購入し、
時間を確保し、
会場へ足を運ぶ。
そこには明確な意思が必要だ。
だからライブ動員数は単なる認知ではなく、実際に行動した人の数を示している。
XGの1stワールドツアーは約40万人を動員した。
この数字は単なる人気の証明ではない。
「見てみたい」と思った人が、「会いに行きたい」と思うようになった結果でもある。
ALPHAZ会員数は熱量を示す指標
ライブの先にあるのがALPHAZだ。
ファンクラブに入会する。
コンテンツを追い続ける。
チケット先行に申し込む。
これはSpotifyを再生するよりも、SNSをフォローするよりも能動的な行動だ。
もちろん海外では日本ほどファンクラブ文化が一般的ではない。
だからALPHAZ会員数だけでグローバル人気を測ることはできない。
それでも、この数字には意味がある。
それは、
「どれだけ深く支持されているか」
を示しているからだ。
実際、AVEXの決算資料では近年、ALPHAZの有料会員・無料会員の増加が重要な成果として紹介されている。
企業側もまた、単なる認知だけではなく、ファンコミュニティの成長を重視していることがうかがえる。
人気のバロメーターは一つではない
こうして見ると、
Spotifyは広がり、
YouTubeは理解、
ライブは行動、
ALPHAZ会員数は熱量を示している。
それぞれ測っているものが違う。
だからSpotifyが増えたから人気が上がったとも言えないし、減ったから人気が落ちたとも言えない。
人気とは一つの数字で表せるものではないからだ。
むしろ重要なのは、それぞれの指標が次の段階へつながっていることではないだろうか。
認知され、
興味を持たれ、
理解され、
ライブへ足を運び、
ファンになる。
つまり、それぞれの数字は競合するものではなく、ファンになる旅路の異なる地点を示しているのだと思う。
そして、その旅路に新しい人が加わり続ける限り、XGは成長し続ける。
3曲の先にあるもの
XGの人気を測るバロメーターは何か。
その答えを一つ選ぶことはできない。
なぜなら、人気とは数字ではなく、人がファンになっていく過程そのものだからだ。
そしてCapital's Summertime Ballで披露された3曲も、その過程の入口だったのかもしれない。
あの日初めてXGを知った誰かが、Spotifyを開き、YouTubeを見て、次のライブチケットを探している。
もしそうなら、あの3曲は単なる3曲ではなかったことになる。
そして、だからこそ、これからの数々のフェス出演も楽しみでだ。
フェスは既存ファンのための場所であると同時に、新しいファンとの出会いの場でもある。
その先にどんな景色が待っているのか。
次の数字がどうなるのかではなく、その数字の裏側でどれだけ新しいALPHAZが生まれるのかを楽しみに見守りたい。
XGを見ながら考えたことの記録
▶「Xtraordinary Genes」を読む
