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WHITE STAGEに立った日 〜XGの音楽がFUJI ROCK に響いた瞬間〜

2026年7月25日、XGがFUJI ROCK FESTIVAL '26のWHITE STAGEに立った。

日本最大級のロックフェスへの出演。
それだけでも大きな出来事だった。

しかし、ライブを見終えたあと、私の心に残ったのは「フジロックに出演した」という事実ではない。
「XGの音楽が、あの場所に自然と溶け込んでいた。」
そのことだった。

最初の音で、空気が変わった

ライブは、いきなり曲から始まらなかった。
生バンドが奏でたのは、『THE CORE』のオープニングを飾る『XIGNAL』を思わせるような音。
そこから一気にロック全開のインストゥルメンタルへ。
「始まる。」
そう思った瞬間、音が止む。

そして静寂の中で、7人が一人ずつ、語りかけるように言葉を紡いでいく。

追記:
新曲のアカペララップ『THE VISION』らしいですね!

夢を見る力。
未来を信じる力。
プレッシャーを美しさへ変えること。
7人で積み重ねてきた時間。
音楽へ還ること。
想像し続けること。

その言葉は、これまで歩んできた時間を振り返るようでもあり、これから先へ進む決意のようでもあった。

そして最後に、MAYAが会場へ叫ぶ。
FUJI ROCK. You ready?
I guess it's time to shake it up again.

そしてCOCONA。
Who's still sleeping on XG?
I guess it's time to wake ’em up again.

その瞬間、『WOKE UP』が鳴り響く。
鳥肌が立った。

あれは一曲目ではない。
宣言だった。
「フェス仕様」ではなく、「その場所で最も響く音」

今回のライブを見て、改めて感じたことがある。
XGの武器は、ダンスでもラップでもない。
音楽そのものだ。

もちろん、ダンスもラップもトップレベルだと思っている。
でも、それらを支えているのは「音」の強さだ。

今回のFUJI ROCKでは、生バンドが参加した。
KeyboardのDocskim、GuitarのHayane、DrumsのGyun、そしてBassのNoogiと、コーチェラ、さらには東京ドームでも共演してきたバンドメンバーだ。
しかも彼らは、単なるライブサポートではない。
『THE CORE』をはじめ、過去の作品やライブアレンジにも関わり、XGの音楽そのものを一緒に作ってきたミュージシャンたちである。

だから演奏は決して自己主張しない。
それでいて、ライブ全体を豊かに織り上げる。
重低音が身体に響く。
ギターが空気を切り裂く。
ドラムが心臓を打つ。
かつてハードロックやヘビーメタルを聴いていた頃の感覚が、ふと蘇った。
東京ドームでも感じたあの格好良さが、さらにロックフェスという空間で生きていた。

今回のXGのステージは、音だけでは完成していなかった。
 ステージセット
 衣装
 メイク
 照明
そのすべてが、WHITE STAGEという場所に向けて設計されていた。

WHITE STAGEという空間の中でも、ここまで作り込まれた世界観を持ち込むステージは印象的だった。
しかしXGは、最初から一つの世界観を作り上げていた。
ステージ上に展開されたセットは、単なる背景ではない。
7人が立つことで完成する、一つの空間だった。

そして衣装は、全員がオールブラック。
スタッズをあしらった衣装。
ロックの象徴とも言える要素を取り入れながら、決して過去のロックを再現しているわけではない。
そこにXGらしい近未来感や洗練された美しさが加わっていた。

メイクも、普段の華やかさとは少し違う。
ロックフェスの空気に合わせた強さ。
ステージ上の存在感を最大限に引き出す表情。
 音楽
 衣装
 ビジュアル
すべてが一つの方向を向いていた。

それは「ロックフェスだからロックっぽくした」という単純なものではない。
XGが持つ世界観を、フジロックという場所に最適化した結果だった。
だから、違和感がなかった。
むしろ、
「最初からここに立つことを想定していたのではないか」
そう感じるほどだった。

会場全体に広がったXGの世界観

そして、その世界観はステージの上だけではなかった。
今回のFUJI ROCK FESTIVAL '26では、限定グッズも展開された。
そこに描かれていたのは、XGを象徴するオオカミのモチーフ。

しかし、普段のXGのイメージとは少し違う。
メタルバンドのツアーTシャツを思わせるようなデザイン。
力強いグラフィック。
ロックフェスの空気に自然に馴染む無骨さ。
それでも、一目見ればXGだと分かる個性がある。
ここにも、今回のステージと同じ考え方があったように感じる。

「ロックフェスだからロックに寄せる」のではない。
XGが持っている要素を、FUJI ROCKという文化の中で最も美しく響く形へ変換する。
すべてが一つの世界観でつながっていた。
だからWHITE STAGEに立った瞬間だけではなく、会場に足を踏み入れた時から、XGのFUJI ROCKは始まっていたのだと思う。

曲を削るのではなく、再構築する

セットリスト(後述)も見事だった。
今回のFUJI ROCK FESTIVAL '26 WHITE STAGEで披露されたのは16曲。
その内容は、XGのこれまでの歩みを凝縮したような構成だった。

限られた時間の中で『GRL GVNG』『UNDEFEATED』『IYKYK』などはShort Ver.として披露された。
しかし、それは単純に短くしたわけではない。
AメロからBメロ、フック、ブリッジ、そして再びフックへ。
曲として最も伝わる形へ再編集されていた。
初めて聴く人にも伝わりやすい。
それでいて物足りなさは感じない。
「もっと聴きたい。」
そう思わせる絶妙な設計だった。

約1時間で16曲。
これだけの楽曲を詰め込みながら、ライブ全体には不思議な一体感があった。

ジャンルを超えたのではない

今回のセットリストは実に幅広い。
 HIPHOP
 R&B
 House/Garage
 Pop
 Rock/Punk Rock
普通なら統一感がなくなってしまう。
でも、そうならなかった。
それは、観客がジャンルを聴いていたのではないからだ。
「次はどんなXGが見られるのだろう。」
そう思いながら聴いていた。

だからジャンルが変わっても違和感がない。
これこそが、「X-POP」の姿なのかもしれない。
どんなジャンルも、XGというフィルターを通すことで、一つの音楽になる。
今回のライブは、それを目の前で証明してくれた。

曲間にも、音楽があった

今回特に印象的だったのは、曲間の演出だ。
『ROCK THE BOAT』では、Aaliyahの『Rock the Boat』を思わせるフレーズから始まり、自然にXGの『ROCK THE BOAT』へつながる。
過去へのリスペクトを感じさせながら、自分たちの音楽へ昇華していく。

『SOMETHING AIN'T RIGHT』の前には、
Be loved. Be free. Be whoever you want to be. Be wild. Be fierce.
というメッセージが流れる。
「愛されよう。」
「自由であれ。」
「あなたらしくあれ。」
「大胆であれ。」
その言葉を受けて始まる『SOMETHING AIN'T RIGHT』は、ただの一曲ではなく、一つのメッセージになっていた。

『IYKYK』では、2000年代を知る人なら思わず反応してしまうm-floのラップを挟む演出。
若い世代には新鮮に、長年音楽を聴いてきた人には懐かしく響く。

『4 SEASONS』ではライブならではのアレンジ。ボーカルの魅力を最大限に示した。

『IS THIS LOVE』はPIANO Ver.から始まり、JURINのラップを境に一気にバンドサウンドへ変わる。
その展開も見事だった。

どの曲も、「音源を再現する」のではなく、「ライブだからこそ届けられる音楽」として再構築されていた。

O.R.Bで見た景色

ライブ終盤。
『LEFT RIGHT』で終わると思った。
そう思った人は少なくなかっただろう。

しかし、そこから『O.R.B』。
この流れが最高だった。
パンクロックの勢い。
生バンドの重低音。
そして会場。

ストリーミングで見ていて、一番感動したのはこの瞬間だった。
WHITE STAGEの観客の手が一斉に上がる。

おそらくALPHAZだけではない。
初めてXGを見る人も。
何年もFUJI ROCKに通い続けてきた人も。
音に身体を委ね、自然と腕を上げていた。

あれは「盛り上げよう」として生まれた景色ではない。
音楽が、人を動かした景色だった。

最後は『SHOOTING STAR』のRock Ver.。
最後までロックスピリットに満ちていた。
ロックを演じたのではない。
ロックフェスという文化への敬意を、自分たちの音楽で表現していた。
それは音楽だけではなく、ステージに立つ姿そのものにも表れていた。

WHITE STAGEに立った日

ライブ後、SNSでは、
「イイ意味で予想と違った。」
「完成されたライブだった。」
そんな感想が数多く流れてきた。
XGの音楽が、ちゃんと届いたことがうれしかった。

Capital's Summertime Ballではポップに。
FUJI ROCKではロックに。
しかし、それは観客に迎合するためではない。
その場所で、自分たちの音楽が最も美しく響く形を選び抜いているだけなのだ。

だから、どんなフェスに立ってもXGであり続ける。
観客に合わせて姿を変えるのではなく、その場所に合わせて自分たちの音楽の魅力を最大化する。
それが、X-POPなのだと思う。
WHITE STAGEに立った日。
それは、XGがFUJI ROCKに出演した日ではない。
ジャンルも、世代も、ファンダムも越えて、ただ「いい音楽」が人を動かすことを証明した日だった。

参考:FUJI ROCK FESTIVAL '26 セットリスト(XG)
1.WOKE UP
2.GRL GVNG(Short Ver.)
3.UNDEFEATED(Short Ver.)
4.ROCK THE BOAT
5.NO GOOD
6.PS118
7.GALA
8.SOMETHING AIN’T RIGHT
9.HYPNOTIZE
10.TAKE MY BREATH(including Dance break)
11.IYKYK (Short Ver.)
12.4 SEASONS
13.IS THIS LOVE
14.LEFT RIGHT
15.O.R.B
16.SHOOTING STAR(Rock Ver.)


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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