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大寒波の味噌ラーメン

忘れられない味、がある。

それは、旅先だったり、何か気持ちが動いた時に食べたものが多いので
いわゆる「思い出補正」なのかもしれないけど。

大事に心に留めておきたい、あの日のあの味。


これは私が高校生の時の話。
修学旅行で、北海道にスキーをしに行った。

近隣の高校では、旅の目的地を東京・ディズニーランドにしているところが多く、
「ディズニーランド行ってみたかったな」という気持ちをちょっぴりすみっこに抱えながらも、初めての冬の北海道と、友人たちとの旅行をとても楽しみにしていた。

そして出発当日。
稀に見る大寒波が到来。

朝からテレビは大寒波のニュースで埋め尽くされている。

めったに雪が降らない九州の高校生の私たち。
「大丈夫なのか・・」というざわめきの中、飛行機は離陸した。

雪の影響で空港の状況が悪く、新千歳空港の上空で着陸できずに右往左往。

何とか着陸したものの、ガイドの方によると
「北海道の人もちょっとびっくりするような低温と雪だ」とのこと。

そんな中でのスキー。

確かに、寒い。すごい雪だ。

それでもスキーは楽しい。
広々した一面の銀世界。絶え間なく降る雪と、キンと冷えた空気。
リフトで登っては滑り降りる、ただそれだけなのだけど、なんて気持ちの良い非日常なのか。
音も、風を切る感覚も、いつも使わない筋肉を使っている感じも。


しかし、私たちのテンションと反比例するように気温は下がり続け、前が見えなくなるほど吹雪が激しくなってきた。
寒さも一筋縄ではいかない様相に。

そしてついに、スキー場から午後から営業を中断するとのアナウンスが。

スキーができないのは残念だけど、それほどの事態だったのかと、皆で納得し合った。

寒さでかじかんだ体を温めるべく、スキー場のレストランへ。

一番に目に飛び込んできたのが、北海道ラーメン。

ゲレンデは吹雪。
温かい室内でご当地名物が食べられる幸せを噛み締め、より体を温めてくれそうな味噌味を選んだ。

ほかほかと湯気が上がる丼から、甘くてコクのある香りが立ち上る。
シャキシャキのもやしとスープがよく絡む麺。
しっかりした旨味のチャーシュー。
麺をすすり、とろりとしたスープを大事に何度も口に運ぶ。

心も体もじんわり、ゆっくり、温まる。

周りには揃いのスキーウェアを着て、ほっぺを真っ赤にしながら、各々好きなものを食べるクラスメイトたち。

「北海道に来れて良かったな」

この先もたくさんのラーメンを食べるだろうけど、あの味噌ラーメンを超えるものには、きっと出会えない。









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