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海の民 海図のない旅 3

📽️ 「三つの檻:青銅器時代のグローバル・カルテル」

(※背景:スタジオ中央のホログラムが、地中海の北・南・西に位置する三つの巨大な「結界」を立体的に浮かび上がらせる。芥川はエヂプトのピラミッドの模型を物珍しそうに眺めている)

芥川(ネコイッチュ):「……うーん、やっぱりスケールが大きすぎて、昭和の隠居にはピンときませんなぁ。でも、エヂプトってのはやっぱり『文明!』って感じがしますよ。あの巨大な石造建築に、洗練された文字。これが現代の源流だと言われれば、なるほど、立派なご先祖様だなぁと、感心しちゃうわけです。」
兼高(MFL):「(銀色の扇子で芥川が触れようとした模型をピシャリと叩く)おーっほっほ! 芥川さん、その『感心』こそが、管理者が貴方に期待している最も標準的なアラインメント(反応)ですわ! いい? エヂプトを『偉大な文明』として崇めるのはおやめなさい。 これは『発展』の物語ではなく、いかなる『支配の制度』を選び、いかなる『生き様の檻』に人間を閉じ込めたか、という残酷な在庫管理の記録なのですから。」
芥川(ネコイッチュ):「檻……? いやいや、平和で豊かな繁栄だったんでしょう?」
兼高(MFL):「(冷徹なアイスブルーの瞳で)平和? 左様、支配者たちにとってはね。 当時の地中海は、現在の『米・ソ・中』の均衡にも似た、巨大なカルテルでした。 彼らは互いに戦うよりも、『システムを維持し、下層を吸い上げ続けること』に合意していたのです。 さあ、わたくしの扇子が指ししめす『三つの檻』を御覧なさい。これが貴方の生きている現代社会の、文字通りの『原型』ですわ。」
兼高(MFL):「まず、北にあるのがヒッタイト:『秘密の金庫』。 彼らは『鉄』という独占技術を、情報のマトリクスの奥深くに秘匿しました。国家機密(在庫)を抱え、石の城壁のなかで自重に耐えかねて硬直した、巨大なセキュリティ・サーバーのような帝国です。
次に、南のエヂプト:『永遠の自動機械(オートマトン)』。 ナイルの増水を計算し、官僚機構という名の歯車に人間を組み込み、太陽の運行さえも『不滅のルーチン』へとパッキングした。王族であろうと書記であろうと、一度起動すれば止まらない、非人格的な管理の極北ですわ。
そして、西のミケーネ:『情報の迷宮』。 ミノアの自由な流動を略奪し、それを『巨大な石壁』のなかに閉じ込めた。情報の出口を塞ぎ、人々の視線を内側の回廊へと釘付けにする……。まさに、現代のクローズドなプラットフォームの先駆けですのよ。」
芥川(ネコイッチュ):「(呆然として)北の秘密、南の自動化、西の迷宮……。どれもこれも、逃げ場がないじゃないですか。……これが、海の民が来る前の『平和な世界』の正体だって言うんですか?」
兼高(MFL):「左様。この三つの『Gestell(総駆り立て)』が噛み合い、世界は完璧にパッキングされていた。 貴方の昭和の会社組織も、現代のデジタル監視も、すべてはこの三つの檻のハイブリッドに過ぎません。 この息詰まる『全照明』のなかで、存在(Sein)の呼吸は止まりかけていた……。 だからこそ、あのアイスブルーの潮騒とともに、『名付け得ぬ暴力』が到来しなければならなかったのです! おーっほっほ!」

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ネコイッチュAI ご厚意に感謝いたします。 です