朝が2度始まる
いつもより少し遠くへ向かう予定の日は、集合時間の1時間前には最寄り駅へ着くようにしている。
今朝もその習慣どおりに家を出て、予定より少し早く駅へ到着した。まだ8時前。時間にも気持ちにも余裕がある。
少し落ち着ける場所を探して、近くのファミレスへ入った。
当初はコーヒーだけ飲むつもりだった。
ところが、静かな店内の空気に包まれると、気持ちがふっとゆるむ。
気づけばモーニングメニューを開き、注文まで済ませていた。
今朝は6時前に、プラムを食べながらお茶を飲むだけの控えめな朝食だった。
「健康的だな、俺」
そんな根拠のない満足感に浸っていたのに、2時間後にはもう二度目の朝食を迎えている。
メニューには、ご飯とみそ汁、鮭が並ぶ和食。
トーストにスクランブルエッグ、ベーコンの洋食。
甘いワッフルという誘惑まである。
どれも魅力的だったが、「無駄遣いはいけない」と自分に言い聞かせ、結局は一番シンプルなセットを選んだ。
これが思いのほか美味しかった。
ふんわりしたスクランブルエッグにトースト。
コーヒーを飲み、合間にオレンジジュースも口にする。
温かいものと冷たいものを交互に飲むと、身体の中でもう一度朝が始まるような感覚になる。
ただ、昨夜は胃もたれで胃薬を飲んでいたことを思い出す。
そんな翌朝に、しっかりモーニングを食べている自分には少し苦笑い。
食べるのが早いせいで、胃が追いついていないのかもしれない。
それでも、「今日も元気に働くためだから」と都合よく理由をつけ、自分を責めすぎないことにした。
最後に氷水を一杯。
その冷たさが身体の内側を静かに整えてくれる。
店を出る頃には、足取りがほんの少し軽くなっていた。
たった一時間の余裕だったけれど、一日の始まりまで少し豊かにしてくれる時間になった。
