怖いトンネルのこと
ツクツクボウシと鈴虫が鳴き替わるくらいの時間。日が落ちてからの農道を歩くのは心細い。
真夏に勢力を広げた蔓草は、まだすだれのように道に覆いかぶさっている。ドリルのような形の紫の花が咲いている葉を、手で押しのけながら進む。途中、斜めに降りたところにトンネルがある。ここを通れば、市街地に出られる。

このトンネルがやたらと怖い。照明がなかった頃は、昼間でもまっくらだった。現在は明るく照らされているが、夜に通る人などいない道。日中に畑に行く人のために取り付けられたものだろう。噂ではトンネルが通っている場所は戦時中、ちょうど防空壕があったところだという。
反響する足音と水の流れる音に押されるように早足でいると、記憶のどこにあったのかというくらい昔に見た怖い話を、いきなり、思い出すことがある。
この日は「アサギの呪い」というタイトルを思い出してしまった。ずいぶん昔にテレビで見た気がする。内容ははっきりとは覚えていない。
ある学校に開かずの地下室があった。そこは昔、あさぎという生徒がいたずらで閉じ込められて、そのまま忘れられて死んでしまったといういわくのある場所だった。ある時、いたずら半分で地下室に侵入した女子高生3人が、あさぎに追いかけられる、そんな感じの話だったと思う。
ふと後ろを振り返りたくなる。足音が一つ多い気がする。トンネルはこんなに長かっただろうか。入口付近に誰か立っていたらどうしよう。恐怖心が増えるわかめのように広がる。這いずるくらいの速度で少女たちを追い回すあさぎの姿がフラッシュバックする。
帰宅後に「アサギの呪い」について調べると、いろいろな情報が出てきた。内容は概ね記憶の通りだった。撮影には本物の防空壕を使っていたらしい。もちろん、そんな話は知らなかった。
懐かしい!『アサギの呪い』は実話怪談「ヒカルさんの絵」(アンビリバボーの#2でとりあげました!)をモチーフに作りました。撮影場所は川崎球場と三浦の防空壕跡。
— 長江俊和@『恋愛禁止』放送中! (@nagae211) April 2, 2018
おまけ
これもまた、非常にあいまいな怪談ドラマの記憶。覚えているのは「テケテケを波動拳で撃退する」というオチだけ。見ていた当時も「なんじゃそりゃ」とズッコケた。これはさすがに色々な記憶がごっちゃになっているのではないかと思っていた。
「テケテケを波動拳で倒す」で検索した。あった。
https://x.com/tsumiko_channel/status/1300383830235254785
