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その戦略、あってるの?──『戦略サファリ』読書感想文

書籍データ

感想

世の中に存在する数多の戦略プランニング理論を、10に大きく分類し、整理し、俯瞰してマッピングまでしてくれるという私のような「戦略学習初心者」にとって非常にありがたい本。

密かに戦略立案に対する不信感が心の中で渦巻いていたが、その功罪をしっかり書いてくれる本書のおかげですごく頭の中がすっきりとまとまった。
読んでよかった。

ビジネスパーソンは、はじめの1章と、まとめの12章を読んでから、自分のクライアントの状況に近しい場面に有効とされる戦略について逆引き的に読むのが、本書の良い活用法ではないかと思う。
※p.432の「戦略形成マップ」、p.434の「組織の発展段階における戦略形成としてのスクール」はわかりやすいので一見の価値があると思います。あくまで適応の判断は自分でしないといけませんが。


本書に書かれるそれぞれの戦略のプランニング方法は当然ながらすべてにおいて万能ではなく、それぞれにおいて批判的な部分がしっかり書かれているところが非常に理解の助けになる。

仕事(経営)には正解がないからこそ人は正解を求めたがる。問題が複雑で解決の糸口が掴めない時ほど「こうやれば上手くいきます」にすがりたくなる。

私は主にウェブというメディアを中心に仕事をしているが、クライアントしかり、パートナーしかり、社内しかり、世の中の専門性が細分化しすぎているなと感じることがよくある。
ちょっと隣の分野に触れるだけで、大仰に「越境」と言われてしまうくらいに。

情報に溢れ、メディアが乱立し、技術が一瞬のうちにアップデートしていく世の中にあっては、それに追いつくためには致し方ない部分もあるにしても、一番の問題はその専門性が中に閉じこもる傾向が往々にしてあることかなと思う。

そうすると、自分の守備範囲を守ることがイコール仕事になってしまうことが多々ある。
(極端な例だと社会の利益どころか、クライアントの利益どころか、会社の利益どころか、部署の利益どころか、チームの利益どころか個人の利益が最優先された選択がされていたりして)

それってまったく本質的でないし、すごくダメな状況だなと最近感じることが多い。

すべてを知らなくてもいい。
でも、なるべく広く自分の携わる仕事の状況を理解し、さまざまな影響要素を鑑みてそのプロジェクトが置かれた状況を俯瞰して見られるくらいの知識は必要だ。

そういう意味でも、本書内にある下記の一文には大いに共感してしまった。

賢者はこう言っているようだ。「学習したまえ」「しかし、迅速に、そして劇的に行わなければならない」。これでは、混乱が起きるのも無理はない。

時間は限られる。だから、知識獲得のショートカットをできる本書のような内容は本当にありがたい。

この本の内容から学べるところで言えば、自社の得意とする戦略プランニングの手法が本当に「今のクライアントの状況」に適応するのに最適な方法なのかというジャッジを事前にするために利用するってところかな。
そういうことをできないと、短期的な利益は出ても長期的な信頼は得られないと思うから。
(クライアントの現状課題にフィットする別会社を紹介した方が、実のない空虚なプランを自社で立てるよりどう考えても良い場合がある)


余談だが、翻訳は原文のニュアンスを壊さないように努力してもらっているのか、そういう業界の人が読む前提だからなのか、カタカナ語が多くてなかなか……。

ほぼ冒頭から「戦略上の変化の方法論はいくらでもあるが、特にパースペクティブを変える時は、変化をマネッジすることが非常に難しい」という文章がきて、自分が理解できなさすぎて笑ってしまった。

英語もちゃんと勉強しろってことかな。


この本の詳細について、丁寧にまとめてくださっている方がいました。
とてもわかりやすいので(勝手に)ご紹介します。


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