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表現をさぐる過程の静かな興奮──『モネ 連作の情景』展覧会感想文

会社の有給奨励日を活用し、上野の森美術館の『モネ 連作の情景』展へ。

平日なのにものすごく混んでました。。。
これは休日は無理では?

モネオンリーの展示だったので「楽しめるかしら?」と思っていましたが。

結果、めちゃくちゃ良かったです。

一人に焦点が当てられていることで、画家としての試行錯誤というか、変遷というか、そういう一つ一つのトライが一連の作品から見てとれるのが。

同じ視点からの風景の、自分が捉えたその一瞬をどう表現するか──キャンバスに向かい形にする時の、わくわくと、不安と、興奮と、そんなモネの心情が伝わってくるような気がして。

私はこういう展示の方が単品展示より好きかも、という発見がありました。


あくまで個人の感想ですが、
超初期のモネが描く風景は、とても美しいのですがわりと凡庸に見えます。

ただ、水面や空の質感は抜群。

本人もその自分の強みを理解していて、印象派と呼ばれる方向に向かったのかなと。

光と空気を捉える。
絵を見ると、本当にそれがよくわかります。

描き方で、空気の流れの強弱(風の具合)、密度、湿度、温度、匂い、その場でモネが感じている自然の感触が伝わってくるのがすごい。

強い光を受けた風物は濃密で鮮やかで、穏やかな光を受けた景色は淡く広がる。

一枚の絵の中に、さまざまな別色のタッチが重ねられ、それが調和したり、ハッと見る人の目を惹くポイントとなったり。
ある風景がモネの目を介して、手を介して、解釈を通して一枚の絵になったんだなあと思うと、そして彼はほとんど直感的に色の置き位置を決めるんだろうなと思うと、月並みな表現になってしまいますが、

やっぱり"超天才"って思いました。


晩年、視力が衰えたモネの描く絵は、さらに抽象度を増すように見えます。
しかしそれもその時の"モネの見た"景色ありのままなんだろうなと思うと、なんだかそこにも感じ入るものがありました。

私たちも視覚を通してこの世を仔細に見ているようで実は自分の解釈で捉えているのでしょうし、生涯かけてずっと、どう捉えてどう表現するかの模索を続けてきたモネは、視力の衰えすらもしかすると表現手段を探る味方につけていたのかもしれないなと。

いずれの作品も本人が出来栄えに満足していたかどうかはわかりませんが、"どう表現するか"というモネの試行と思索の一端に触れられた良い時間でした。

なぜかわからないけど、ウォータールー橋の連作が私はすごく好き。
ぜんぶ並んでいるところ、見たいなあ。

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