"動きやすい"組織づくりが肝要──『新規事業マネジメント』読書感想文
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感想
事業開発のネックになるポイントに、いちいち共感
全体的に「うわーそうそう!」と共感しながら読んだ。
まず、思わず苦笑してしまったのが、
「ビジョンや新規事業に関する経営側の方針・戦略がない」という箇所。
この複雑性の高い世の中で、やれ「DXだ!」「新規事業に取り組まないとやらないとやばそうだ!」という気持ちだけで、
「あとは現場にお任せしますはいどうぞ」のプロジェクトが多すぎると思うのだよね(直接的・間接的に聞く話)……。
新規事業開発には、
方針・戦略策定、組織のマインドセット構築、人選。開発とKPIと引き際の計画。そしてポジティブな失敗をしてOK!っていうバックアップ。構築して終わりじゃない、改善や運用のプロセス(むしろ立ち上げよりも継続運用の方が予算必要)。
それらの緻密な計画が必要なのに、スピード感も必要だし、短期的成果ばかり求められるしどうすればいいの? というのが世の中の大半の本音なのではないかと。
立ち上げにはスピード感が必要なのは当然だけれど。
だったらスモールスタートにするとか、要件にあらかじめ縛りをつけるとか、そういうことが必要なのに、「全部やりたい。でも予算も期限もある」って……どのプロジェクトもそこの合意形成に一番時間がかかるように見える。
少なくとも方針だけは決めてください。
事業開発にもっとも大切だと思うこと
この本は、事業領域の性質や不確実性の度合いなどで柔軟にプロセスを変更する必要性があることをきちんと明示しつつ、汎用的な方法論(各フェーズにおいて気にすべき観点)が非常にまとまっていて、プロジェクトの立ち上げの際にはすごく参考になりそうだと思った。
型のない新規事業開発プロジェクトにおいて、誰がどう動いて各所の責任を担保していくかは迷子になりがちだけど、トップはトップの役割を、イノベーター人材はイノベーター人材の役割を、組織全体で動ける仕組みづくりがやはり一番重要。
あと、イノベーター人材の3つの資質を「志向力」「思考力」「試行力」と言い表していてなるほどと思った。これ、これからの教育で目標とすべき3本柱そのものじゃないかと。
