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人生の質を変える教科──『国語教育』読書感想文

ニッチな雑誌ですが、半分仕事・半分趣味で今年一年購読しています。
雑誌「国語教育」のご紹介 - 明治図書オンライン


小学校も専科制の方が……

教科によって教え方の手法・プロセスはまったく異なることは理解していたつもりだけど、改めてその専門性の高さに驚かされる。
きちんとやろうと思えばキリのない教育・教材研究。小学校の先生も専科式にすべきではないかとしみじみ思う(もちろん小学校教諭においても「専門教科」の概念は既にあるし、学校現場においてもそのような授業形態になってきている部分もあるが)。

例えば板書一つを例にとっても。

  • 子どもたちに思考の余地を与えることができるか

  • 「なに?」「なぜ?」を引き出せるか

  • 議論のきっかけになる・結果を参照できる、子どもの思考を可視化できるか

このようなことを緻密に計画立て、授業のリアルタイムの状況を把握しながらまとめ上げていくのが板書のあり方──こういうことちゃんと考えて、実践に挑戦する姿勢のある先生って、超プロフェッショナル。

子どもの教育という普遍的なテーマを扱っていたとしても、時代によって「育てるべき力」の考え方は変化するし、それに伴い理想的といわれる教育手法も変化するし、教材デジタル化など周囲の環境も変化する。

ずっと同じやり方・考え方でいい仕事なんて存在しないんだよなあという感想をここでも抱く。

国語という教科で何を学ぶのか

私は小さい頃から文章を読むのが好きだったので、国語の教科書が配られるとその日に全部読み、テストも問題なくクリアできるタイプの子どもだった。
が、国語の授業はいったい何をやらされているのかさっぱり理解できなかった。いわゆる板書は丸写し、感想といっても何書けばいいかわからないし、意見や議論するとなるとてんで要点が掴めない。そんな子ども。

そんな私に響いた箇所。

「分からない」「できない」という思いは、「何をどうすればいいのか?」「どう考えればいいのか?」「何をどのように書けばいいのか?」というような具体的な「問い」を明確にすることにつながる。
さらにこの問いを解決していくことによって、「そういう意味だったのか…」「なるほど…」という理解につながる。

(2023年6月号|明星大学教授 白石範孝氏)

わからないことをもう少し突き詰めるきっかけとか、とことんまで考える時間があればよかったのかな。

振り返ってみれば、自分の意見がよくわからないままになるとか、的を得ないということに罪悪感を感じて、さらにアウトプットを怖がるようになるという負のスパイラルがあったかもなと思う。
考えをまとめるのにも行動するのにも時間がかかる子だったし(今はその反動なのかめちゃくちゃ効率重視のせっかちさんになったけど)。

先生にはどうか「わからないこと」を肯定して、うまくその先に誘導してあげてほしい。
「それで大丈夫だから、とにかく何か一つでも自分の思いを他の人に伝えようと形にしてごらん」って背中押してくれるだけでいいんだけどなあ。

思考がとっ散らかりがちでまとめるのが苦手でアウトプット(特にリアルタイムの会話)が弱いのは、今までの人生の中でずっと私の課題だ。ちょっとずつ成長してるけど。

物事に対する洞察、分析、理解の能力を高めるのもそうだし、人と意見を上手に交わすスキルもそうだし、人間が知識を得る手段はすべて言葉を介してだし。だから「国語」って、教え方次第でかなりその子の人生の質が変わる教科だと思う。

常に振り返ろう

2023年7月号の福島大学教授 佐藤佐敏氏の記事には、昨今の(国語)教育トレンドとして下記のような記述があった。

かつての教科書の学習の手引きでは、「自ら、学習の見通しを立てたり、学びを振り返ったり、学びを修正したりする」といった手順を示している頁は全くありませんでした。 〜中略〜 昨今は、「子ども一人ひとりにとっての学びの意味」が重要視されており、そのため、教科書に掲載されている学習の手引きの〈振り返り〉活動も、様々に工夫されています。

まさにこの「振り返り」こそ、人生を良くしていくヒントがある行動。
子どもだけでなく大人も、自分の行いを常に振り返らなくてはいけない。

手書き文字を書く機会が著しく減った現代におけるコミュニケーションにおいて、漢字がソラで書けることはさほど重要でなくなってきたように、学習において大切にすべきこともどんどん変化していると感じる。

国語を介して学び取る意味のあることはなんだろう。
人を知る、自文化・異文化を知る、時代を知る、価値観や考え方を知る──そのために言語を知る。

物語や文章の「中身」を理解することも重要だが、国語は外に開く窓だと捉え、自分の人生を豊かにするための興味関心を引き出すツールとして活用できると良いなと。
そういうふうに自分の子どもには伝えていきたいと思う。

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