冬の光、恩寵の光♯11-見知らぬ何かに、呼ばれた気がしたことはありますか
Vertical Grace
— 恩寵の光 —(後編、全10話)
given light — the grace that falls from above
Vertical Grace ― Divine calling
「自分の名を、知っている気がした。」
―― 夜道、街灯、初雪。一片の白が、凍えた孤独を指し示す。
和也の、冬。
第1話 ――
呼ぶ声に / Divine calling / 初雪かな
12月の初め、残業を終え、和也はいつもの道を歩いていた。
駅から家までの帰り道。
街灯の下、ふと空から白いものが舞い降りてきた。
今年の初雪だった。
空はただ静かで、けれど一片が、自分の名を知っている気がした。
立ち止まり、空を見上げる。
ーー誰かに呼ばれた気がした。
手のひらを広げると、一片が落ちてきて、すぐに消えた。
