冬の光、恩寵の光♯7-別れの言葉が、喉まで来たことはありますか
Horizontal Ethics ― Durable courage
「沈黙、距離、喉。――それでも、もう少しだけ。」
―― 言葉にならない痛みを抱えて。ただ静かに、春を信じてみる。
第7話 ――
耐えてこそ / Durable courage / 冬の石
恋人との間に、冷たい距離が生まれていた。
言いたいことはたくさんあるのに、言葉にならない。
別れの言葉が、何度か喉まで来た。
その度に、唇を噛んだ。
それでも美咲は、もう少しだけ、
この関係を信じてみることにした。
道端で霜をかぶり、じっと春を待つ冬の石のように。
冷たい部屋の空気の中で沈黙を選んだ。
その痛みに、指先の感覚が遠のいていた。
雪の下に眠る球根も、今はこの冷たさに耐えているのだろうか。
静まり返った外で、遠くに最終電車の音が聞こえる。
