素敵な彼氏を作りたい 1話
この作品は2024年7月末締切のNote創作大賞に提出した作品です。受賞はできませんでした。
内容については修正せず、作った当初のものを載せております🙇
ジャンルはラブコメ×ヒューマンストーリーです。
📚ログライン
ずっと男性に傷つけられ、嫌な恋愛をしてきた女性が、理想的な彼氏を見つけるのではなく、育てることを思いつき、育成に取り組む話
相手として選んだのは、恋愛経験は少なく外面は非モテだけど、内面は物凄くいいという男性。その2人の育成譚を描こうと思いました。ラブコメのやり取りの面白さと、ちぐはぐしてしまう展開等を、育成するというアイデアの中で描こうと思いました。また、彼氏の内面がいいので、女性の傷ついた心を癒していくという点でドラマ作りができると思いました。
👀反省点
失敗の理由は、盛り上がりの部分で主人公の強い女性像を描きたかったのですが、そこで発揮される知性や勇気やユーモアの資質が描けなかったことや、ヒロインが加害者から被害者を救うという勧善懲悪型の加害者のクズさと、被害者の可哀想な所の描くべきポイントを描き切れなかったことだと思っています。
加害者のクズさは、不倫をしていたことに加え、それをしていることについての理由が非倫理的だったり、道徳的に酷いことだと描いていないことです。被害者は逆にそうされてしまうのは自分が魅力がない女性だからと自分に非があると思い何も言えない、むしろ自分を攻撃してしまうというような所を描いていないのがよくなかった。
素敵な彼氏を作りたい
【あらすじ】 232文字
「自分を愛してくれる人」とずっと一緒に過ごしたいと願っている
が、歴代彼氏に傷つけられてきた小鷹まなかは、“素敵な彼氏”を手に入れるのではなく、“育成する”ことを考える。
一方で、真面目が過ぎるが故に大学に入り振られっぱなし、高校時代の彼女の影響でハイスペックでないと愛されないと信じている黒鉄かいは 小鷹まなかと付き合う中でありのままの自分を肯定できるようになっていく。
そんな2人がぶつかり合いながらも、共に成長し、最高×最強のカップルになっていくまでの物語。
【主要キャラクター紹介】
黒鉄(くろがね) かい
都内国立T大学4年生 部活動でアメリカンフットボールをしているので肌が黒く、180cm 100kg ごっついが腹は出ている 普段は眼鏡をかけていて 特別イケメンではないが、無愛想だが笑うと愛嬌がある
恋愛遍歴は、高校3年生の時に半年1人 大学に入ってからは3人連続で振られた中、ヒロインのまなかと付き合う。
真面目が故に1人で考えすぎる所がたまに傷。好きな映画は「タイタニック」。高校の時に別れた彼女からの影響で、「ハイスペックでないと好きな女性は自分を愛してくれないと思いこんでいる」。一方で部屋が汚い・私服がダサいなど無頓着でずぼらな一面もある。
小鷹(こたか)まなか
都内私立H大学に通う3年生
縮毛をかけたストレートの茶髪に中華系の整った顔をしている
性格は明るく芯が強い。元々チアリーディングをやっていたがヘルニアのため、大学ではチアリーディングのガールズバーに勤務をしている。
恋愛遍歴は、高校時代に1人 大学1年生から2年生までに3名。初彼氏以外は、皆最低。独立志向が強く、素敵な彼氏を見つけるよりも、素敵な彼氏を育てていくことに気づく。
【第1話】 8,599文字
■あるアパート かいとまなかが何かをしている
ナレーション「あなたにとって “素敵な彼氏”ってどんな人だろうか?」
ナレーション「容姿がカッコいいとか」
かいのたるんだお腹をつまんでいるまなか
まなか「まずは“食事制限”をして このお肉を取って」
ナレーション「一緒にいると楽しいとか」
まなか 「この地味な眼鏡をコンタクトに変えて」
ナレーション「自分の話を聞いてくれるとか」
ナレーション「信頼できるとか」
まなかがかいの口角にセロテープを貼り
まなか「下がっている口角はこれで鍛えて」
かい「おい!俺はまなかのおもちゃか!」
にやにやと笑っているまなか
かい「何で こんなことするんだよー!!」
まなかは意地悪そうに答える
まなか「“育ててるの” 素敵な王子様に✨」
かい「そっ 育てる!? 完璧な俺をさらに完璧にするってことかい!?」
とニヤニヤしながら調子に乗って答えるかいを
まなか「その腹みてみ どこが 完璧だよ 眼鏡も陰キャだし、服だってずっーーと一緒だし」と突っ込みをいれる
ナレーション「是非 男性諸君には知っておいてもらいたい 女性にとって 素敵な彼氏と過ごせることが どれだけ幸せなことなのかを」
まなか「私 イケメンと付き合いたい…」
かい「わかった イケメンになるから 頑張らせてください」
まなか「ふーん 努力してね」
かい「はい…でも俺 かっこよくなれるかな…?自信がない…」
ナレーション「そして女性諸君に知っておいてもらいたい 素敵な彼氏は作れることを」
まなか「まなかが いるから 大丈夫 任せといて 」
ナレーション「私 まなか 絶賛“素敵な彼氏育成中”」
②
私達が出会う半年前
■都内 有名チェーン店のカフェ 店内は広く平日の昼時にも関わらずたくさんの人で賑わっている
そこに、お喋りに夢中になっている女子大学生3人組がいる
胸元までかかったストレートの茶髪、スッと鼻筋が通っていて エネルギーが溢れている印象の若い女性ーまなか(大学3年生)ーがぱちぱちと拍手をしている
まなか「ええええええええ いい彼氏だね~ よかったね ゆき~」
まなかからの祝福を受け、嬉しそうに笑っている黒髪ボブのフワフワした印象の若い女性ー雪(大学2年生)ーがさらに調子づき目をキラキラさせている。
雪「この前の大雨が降った日 彼 次の日朝早くから仕事なのに 私が終電で危ないからって 迎えに来てくれたんです 」
景「あんたにようやくいい彼氏ができて 我々先輩は嬉しいよ」
それを聞いているきりっとした目つきのポニーテールの若い女性ー景(大学3年 まなかの高校からの同級生)が喜ぶ
まなかはハンカチを噛みながら涙を流している「それな~」
雪「そのうち まなかさんにも “素敵な彼氏”ができますよ あっ できますって上から目線になってるわけとかでは」
慌てて発言を訂正している雪の頭をまなかがなでなでする
まなか「いいの いいの」「あなたが 幸せなので 先輩お腹いっぱいだよ」
雪が顔を赤らめながら「私 こんなに“素敵な彼氏”ができて幸せもんだ」
幸せに浸ってフワフワと別の世界に飛んでいく雪に景が呆れる
景「あんた ピュア過ぎるから 今まで変な男に目をつけられてきたのよ」
さらにチャイティーラテ を一気飲みしているまなかを景がおちょくる
景「で、こっちはこっちで今日元カレと会うからってもう緊張してるし」
グラスを持つ手が震え、飲んでいたラテを吐き出す
まなか「そっ そっ そんなこと… あるかも…」「…4年ぶりだから…ヨシキ君と会うの…」
まなかの照れた顔がアップに移る
ヨシキ君とは、まなかの4年前の彼氏である
景がにやにやしながら詰め寄って来る
景「ドキドキとワクワクとちょっぴり 不安ってところでしょ 顔に出てるわよ」
顔が赤くなっているまなかが詰め寄って来る景に手を伸ばし静止させる
まなか「分析するのやめて… 」「でもさ もし会って」
まなかが元カレの真似をする
まなか「別れてから ずっと忘れられなくて!」
雪がキャーと叫ぶ
まなか「そのまま あわよくば 復縁しちゃったり!!!!」
雪が「胸キュン💛」と叫ぶ
景は2人のやり取りを「やれやれこの子たちは」と苦笑い
景「でもさ 急に連絡が来るってさ… ちょっと “遊び”かもよ」
まなかは机の上にずでーとずっこける
まなか「かもね… でも会ってみないとわからないから…確かめたいんだ 」
まなかは机に突っ伏したまま遠くを見つめている
景が雪にコソコソ声で話しかける
景「あれ 私 まずいこと言ったかな?」
雪「もう 何で 景先輩は そんなに無遠慮なんですか」
景は頭を抱える
景「ごめん 冗談よ 真に受けないで」
雪がフォローをいれる
「きっと今のまなか先輩をみたらヨシキさん好きになっちゃいますよ」
「前見せて貰った高校時代の写真よりもずっと今の方が可愛いですよ!」
景「そうそう高3の文化祭の写真よりは可愛いわよ」
文化祭でひょっこりはんの真似をして白塗りをしていた時の写真を思い出している雪と景
まなか「あれと比較するな!!」
まなかがそのひょっこりはんの写真を振り払っている
そんなまなかを割り切れない表情で景は見つめる
景
“別れた時は もうこの世の終わりかってくらい 絶望してたから
いくら4年経ったと言っても まだ心の傷は癒えてないのかも”
まなかが神妙な顔つきになる
まなか「今日ヨシキ君にあったら……」
普段からは想像できないまなかの表情をみて 景は自責の念に駆られる
景“そうだった いくら気丈に構えても 中身は乙女だから 何であんな無礼なこと言っちゃったんだろう”
まなか「私…」
景“私の馬鹿…”
まなか「私を振ったこと 後悔させたいの」
景はズデーとなる
「カッコいい」と雪は目をキラキラさせる
景「おいっ ちょと心配した私の気持ちを返せ」
まなかは頬に手をあて首を横に交互に振る
まなか「ガハハハッ 私これだけ可愛くなったんだよーってね」
③
からんからんとお店のドアが開きスタイルのいい若い美女が入ってくる
するとオンライン会議をしているサラリーマンをはじめ、男性客や店員全員が目を奪われがやがやしだす店内
高校生①「おい 見ろよ・・・」
高校生②「すげえ・・・」
景と雪も目を奪われている
雪「えっ 可愛い…」
景「スタイル すっご」
美女の対応をしている店員が顔を赤らめているのをみて
景「わかりやすっ あからか様過ぎよ」
店員が緊張してドリンクを上手く作れないのをみて大笑いする景
景「アハハ おっかしい」
雪の目が泳いでいる
雪「そりゃ あんなに可愛い人の前だと動揺しちゃいますよ」「私の彼も あんな風になったらどうしよう それで好きになって 心移りしたら…」
雪は勝手にしょげだす
景「あんたは ほんっとーに ネガティブなこと想像するわね」
「でもあの店員ったら 面白くてしょうがないわ ねえ まなかっ て・・・」
まなかはスマホで調べ物をしている。そして平然とした様子で
まなか「雪 そうなったら別れて とっとと次の男作りな」
雪「えっー そんなの無理ですよ」
まなか「ゲッ あの人が着ているワンピース3万5000円… ハイヒールは…」
ピコピコと熱心にスマホをいじっている
景「出たよ 本当に何でもすぐに調べるよね」
まなか「だって 気になるんだもん」
景「ふ~ん」(本当はそれだけが理由じゃないくせに)
雪「はぁ~ でも本当綺麗 比べちゃうな……私…」
まなかはスマホの手を止めて雪の方を見つめる
まなか「彼氏 すっごく信頼できるんだよね?」
雪がコック と頷く
まなか 「だったら大丈夫だよー というか 鼻からそんなんでなびく彼氏何て付き合わない方がいいよ」
雪に笑顔を見せるまなか
雪は羨望の眼差しでまなかを見る
雪「私もまなか先輩みたいに 強い女性になれたらいいのに・・・」
すると突然まなかの携帯に「ヨシキ君」と表示され、電話が鳴る。
まなかはスマホの通話ボタンを押して出ようとするがうまく押せずに苦戦している
景がニヤニヤしながら「これが強い女性ね」
④
まなかが電話を持ってトイレに向かうと雪が景に質問する
雪「ずっと気になっていたんですけど まなかさんの“元カレ”ってどういう人だったんですか?」
景「まなかが高校1年の12月にできた彼氏で まなかの2個上だったはず… 」「でも 半年くらいで別れちゃったの…」
雪「何でですか?」
景「わからない…私達女子高出身で 彼他校の人だったから 私もまなかから聞いたことしか知らないのよ」
景はフォークでケーキを思いっきり突き刺し、そのまま雪の心臓の方に向け
「でも まなかが はじめて本気で好きになって、 はじめて振られた人なの」 「つまり “特別な人”って奴よ」
まなかの後ろ姿を見つめる景
景 「悪いこともあったと 思うけど、 綺麗な記憶で加工されちゃってる人なんだと思うんだよね」
④
電話で話しながらお手洗いに向かうまなか
慌てて移動したせいで段差でずっこける
電話越しにヨシキ君が「大丈夫!?」と心配している
まなかの顔が赤くなり“あー恥ずかしい…”
まなか「いてて うん 大丈夫」「じゃあ16時半に時間変更ね 連絡ありがとう」
よしき「こちらこそ時間変更してくれてありがとう 今日会うの楽しみにしてる」
まなかの頬が紅潮し胸の鼓動が速くなる
耳からスマホを遠ざけ切ろうとするが、まなかは咄嗟に耳元に寄せる
まなか「私も今日会えるの楽しみにしてるよ」
しかしスマホは"ツーツー”と切れてしまっている
まなか「あっ 切れてる…」
お手洗いの鏡に頬が紅潮した自分の姿が映る
まなか“…もしかして 私まだ好きなのかな?”
自分の顔をじっ~と見つめる
まなか“う~ん まだ自分の顔には自信持てないな”
髪の毛先を触る
“あの女の人の髪すっごく綺麗だったな…”
⑤
どこかの駅前のロータリー まなかの高校時代
ヨシキ君が 知らない 綺麗な女性と歩いている
高校2年生の まなかが 口に手をあて 大きく開いている目には涙が溢れている
まなんか「ねえヨシキ君、私のいけない所教えてよ …治すから…」
⑥
雪と景は 頼んだケーキを食べながら 話を続けている
景「あんたには まなかが カッコいい女性にみえるかもしれないけど そんなことないわよ」「さっき調べてたのも 自分より可愛いものや綺麗なものを 直視したくないからよ 」
雪が目を大きくして驚いている
景「でも まなかの尊敬出来るところは 自分の気持ちに素直で 努力できる所だと思うの」
景「例えば、あの子
痩せるために ジムに通い出したし」
ジムで腹筋を頑張っているまなかのイメージ
「食事だって オートミールに変えたし」
大好きなチーズを我慢して 渋々オートミールを食べているまなかのイメージ
景「自分が可愛くなることに すっごく貪欲なの」
景が杞憂そうな顔つきになる
景「でもね 時々 何で こんなに可愛くなることに 執着してるんだろーって 心配になることがあるの」
⑦
鏡の前でお化粧直しをしているまなか のカットが入る
⑧
景「高校からの親友だからさ 見てるのが辛いんだよ」
雪「そうなったのって いつからですか?」
景「うーん でもヨシキ君と別れた後から 半年以上ずっと落ち込んでて ただある日急に 明るくなって 可愛くなる―――って」
雪「……別れた原因って 知ってますか?」
景は首を振る
景「それだけはいつも教えてくれないんだよね」
⑨
カフェの外 長身の男性がカフェに入ろうとしている
⑩
雪「私 今 まなか先輩と お料理教室通ってるので 上手く聞き出そうかな...」
雪が名探偵のような真似をする
景「いやー教えてくれないと思うよ・・・誰にも話したくないことのよ」
雪「今日のヨシキさんと会うの リベンジなのかもしれませんね!私こんなに可愛くなったぞーっていう」
景「かもね… 雪はまなかの気持ち想像できる?」
⑪
カフェの入口がカランカランと開き 長身の男が入ってくる
⑫
雪「わかりますよ… だって 好きな人とずっと一緒にいたいから可愛くなりたいし…でも努力すればするほどまだまだ足りないなって」
雪「まるで終わりのない階段を登っているような感覚なんです」
景がフーンと腑に落ちない顔をしているので、雪はさらに説明しようとしている
雪「ほら 女の子は歳によって好きになる男性のポイントが変わると思うんです 小学生なら足が速い人に憧れたり 中学なら イケメンな人がいいって 移り変わるけど でも
男の子はずっと~ 可愛い人が好きじゃないですか だから必死になっちゃうんです」
景「ふーん 私は 女の子が必死に努力しなくても 側にいてくれるのが”素敵な彼氏”だと思けどな」
雪「でも努力は大切ですよ!」「そもそも景先輩はもっと化粧とかに拘った方がいいですよ」
雪の小言にあ~うるさいーと反応する景
⑬
カフェに入って来た長身の男がキョロキョロ誰かを探している男が雪と景の席を横切る
⑭
さらにブツブツ景に文句を言って来る雪
景「あーわかったから もうやめて うるさい」
雪の発言を制止する
雪「景先輩はまなか先輩を見習うようにしてください!!」
プンプンとしている雪だが目を大きく開けて 通り過ぎた男を見つめている
雪 「えっ…」
景「どうしたの?」
雪は口を大きく開けて、眉をひそめている
雪「何でここにいるの……??」
雪と景の視線の先には、 美人な女性と長身の男が仲良さそうに話してのが見える
⑮
お手洗いから出てくるまなか
まなか“あの女の人の化粧ってどうなってるんだろう…”
“メイクの仕方が違うのかそれともリップが違うのか”
”これは よく研究して 雪にも色々教えてあげよー”
雪に、来週彼氏との2か月祝いで大人メイク教えてください!
と言われていることを思い出すまなか
フフフと笑うまなか
そんなことを考えながらまなかは景と雪の元へ向かうと
美人な女性と長身男性が話をしているのが目に入る
まなか“横顔も綺麗だなー 彼氏さんと待ち合わせか”
まなかはそそくさと通り過ぎる
⑯
まなかが景と雪の所に戻ると雪は混乱している様子で景が話を聞いている
まなか「どっどうしたの?」
景「あの男の人 雪の彼氏らしくて…」
景がくいっと首でまなかの後ろを見るように指示する
まなかは振り返り先程の男女を確認する
まなか「あの人が雪の彼氏なの?」
男が女性の手を引きこちらに向かってくる
景「雪、見間違いかもよ 」
まなかが景に被せて付け加える
まなか「彼氏さん社会人でしょ… 普通まだ働いている時間だよ」
時計は時刻15時45分 を指している
しかし、雪は首を振り否定する
美女と雪の彼氏が笑いながら近づいてくる
俯いて涙と鳴き声を押し殺している雪
呆然としている景
凄い緊張感に駆られているまなか
まなか“どうしよう…”
男女が通り過ぎる瞬間に 雪の鳴き声が漏れてしまう
それに気づく雪の彼氏 そして一瞥すると彼氏の瞳孔が開き
雪の彼氏「あっ やばい」
咄嗟に口に手をあて漏れた言葉をかき消そううとする雪の彼氏(長身の男=圭)
美女が声をかける
美女「圭(けい)…何?」
圭「いや 何にも ないよ 外に行こう 」
雪はチラッと彼氏の方を見る
そして
顔をしわくちゃに歪ませる
手を怒りで握りしめる
⑰
急いでその場を去ろうとするが雪は声を絞り出しか細い声で
雪「圭君… その人…誰?…今日出張で遠出だって言っていたよね?」
貞子のような目つきになる雪が問いかける
美女「この子誰?」
圭「えー あー ええっと 誰だろう?」
雪がそれを聞き、涙を流す
それを見た美女が察する
美女「最低ね 舐めないで 」
美女は圭の手を振りほどく
美女が雪に近づき
美女「ごめんなさい 私彼女がいるって知らなくて 今日はお茶するだけの予定だったから」
雪はスカートをギュッと握る
雪“だって私のこと好きって言ってくれたじゃん 料理美味しいって”
雪の手にはマニキュアと可愛い絆創膏がついている
雪“大人っぽい人が好きって言ってたじゃん”
雪のバッグに入っているシャネル N°5(大人向けの人気香水)が見える
美女「ごめんなさい…」
美女からは薔薇のいい香りが漂ってくる
その場を去る美女
雪“ああ 私 勝てないよ…”
圭「ちょっと待てよ 」
圭が美女を追いかけようとするが景が止める
景「待って 違うでしょ」
景の声が震える
圭は、怒りの目つきで雪たちをみる
圭「なあ 何なんだよ お前 ストーカーでもしてたんか 俺のことを なんで お前がここにいるんだよ」
ビクッと震える雪
まなかは圭を睨みつけている
圭「お前って 本当に俺の邪魔ばっかすんだな」
「ずっと 俺の家に居座るしよ 親との仲がなんとかとか知らねえっつうの 迷惑なんだよ」
雪が涙ながらに「たまたま 友達とお茶していたら」
圭「うっせえよ こっちにもプライベートがあるんだよ。いちいち料理作りとかしやがって いつまで俺の家にいるつもりだよ」
雪が手を強く握り肩を震わせている
圭「せっかく 上玉の女と 付き合えるって所だったのに」
舌打ちをする
雪“もうそれ以上言わないで”
圭「男ならお前みたいな幼い女よりもなボンキュッボンの 」
雪“やめてっ”
パンっ
と大きな音が響く
まなか「あんた 最低よ」
まなかに平手打ちされた頬に手をあて、驚いている圭
まなか「雪行くよ… 景お会計しておいて」
「こんなクソ男と関わらない方がいい」
⑫
1っか月以上も前 まなかの家
雪が作った肉じゃがを試食するまなか
まなかが一口食べる
雪が恐る恐る
雪「どうですか?」
まなか「お 美味しい!!めちゃくちゃ美味しい!! 」
雪「本当ですか!? やったー」
まなか「これは彼氏さんの胃袋掴めるんじゃない 短期間でだいぶ料理旨くなったわね」
雪の手にはたくさんの絆創膏が貼られている
雪が号泣し出す
雪「私 今まで努力しても 上手くできたことがなかったから 親からも 何やってもあんたはどんくさい どんくさいって だから料理も途中で諦めるんじゃないかって… でもまなか先輩のおかげで美味しく作れました」
雪が笑顔で嬉しそうに微笑んでいる
雪「こんな私でも 頑張れば できるんだ」
まなか「そうよ 雪はできる子だよ」
よしよしと雪の頭を撫でるまなか
そしてまなかが雪に香水のプレゼントを渡す
まなか「ハイ プレゼント」
中をみると シャネル N°5が入っている
雪「えーー まなかせんぱーい こんなに高いの~」
まなか「大人の女の子になるんでしょ」
雪がうん と首を縦に振りまなかに抱きつく
雪「せんぱーい 好きな人のために努力するのって 楽しんですね! 私 ”無敵”になったのかも」
まなか「そうよ 大好きな人のためなら 女の子は無敵よ」
笑い合う2人
⑬
まなかが雪の肩を支えて移動しているが雪が崩れ落ちてしまう
雪のカバンからまなかがプレゼントした香水シャネル N°5が出てくる
雪がその香水を拾う
雪「私 この匂い大嫌いです… 甘ったるいし 背伸びしないと 似合わないから…」
「ちょっと 大人で ちょっと 優しくされただけなのに 何で 好きになったんだろう…きっと どんくさくて 遊びに向いているって思われたんです 」
まなか「雪 そんな風に 自分のこと卑下するのやめて」
雪「そうじゃないですか 私何て 全然可愛くないし… 馬鹿だし」
「憧れの 東京に来て これから変わるって でも1人で寂しかったし、大人といる自分が 好きだったから… 」
「悔しいです… あんなこと言われても 」
「 作った料理 おいしい おいしいって 食べてくれるの 思い出して も 嬉しいって 思っちゃう 自分が 悔しいです」
まなかが雪を抱きしめる
まなか「うん 嬉しかったよね でも 裏切られたのは悲しいよね」
雪が啖呵を切って続ける
雪「私 何も 悪いこと してない… してないのに… 私 頑張ったのに 何にも 悪くないけど、 可愛くない自分がいけないんです」
まなか「うん うん」
雪を抱き寄せるまなか
ワンワン泣く雪が他の人の目を気にしないように抱きしめる
雪は態勢が崩れ、大泣きしている
⑭
景が会計を終える
景“何で世の中にはこんなクソ男しかいなくて うちの親友達が皆 傷つけられないといけないのよ”
出ていく時に呆然としているクソ彼氏にむかって
景「くそ男 地獄に落ちろ」と中指を立てて出ていく
⑮
景が去り、1人残った雪の彼氏が呟く
圭「何だよ…浮気の1つや2つくらいで… “皆隠れてやっていること”じゃん」
⑯
雪の震える身体をさすりっているまなか
まなか“私はこの“感情”を知っている。 好きだった人に裏切られたこの感情を そして…”
⑰
あるクラブでどんちゃん騒ぎしている若い男女達
男①「ごめん もうこれ以上長居はできないわ」
女「えー すぐ帰って来てよ」
おけとキスをする男①
男①が移動すると別の男②が話しかけてくる
男②「縁り戻せるといいな… まー俺ならお前みたいな奴とは付き合いたくないけどね」
苦笑いをしている男①を呼びかけえる男②
男② 「なあ ヨシキ」
男①=ヨシキ「まあ イージーでしょ あの子俺にぞっこんだから」
⑱
まなか 「ヨシキ君 私知りたいことがあるの…」
どこかの駅前のロータリー
高校2年生の まなかが 口に手をあて 大きく開いている目には涙が溢れている
一緒にいる女性の肩に手を回し遠く離れて行く歩いているヨシキの姿が
⑲
まなかが雪を見ながら
まなか“そして… 女の子がどれだけ傷つき これからの恋愛をしていくことになるのかを”
“ヨシキ君 教えて 私の前から去っていった理由を…”
1話 終了
