素敵な彼氏を作りたい 3話
①
夜渋谷のハチ公前をまなかは電話をしながらガツガツと歩いている
まなか「でも 前 ヨシキ君にあってさー クラブでブイブイ言っている人とかさ 高級車でドライブデート っていうのにやっぱりまだ憧れちゃうんだよねー」
景がスマホ越しに怒鳴りつけてくる
景「馬鹿じゃないの せっかく これから“素敵な彼氏”を見つけようってなったのに」
景が怒り、まなかがスマホから耳を遠ざける
まなか“怒りすぎだよー もう”
まなか「バ先 だから切るね ありがとう」
スクランブル交差点で信号待ちをしながら まなかは はぁ と肩を落とす
まなか“私にとって素敵な彼氏って どんな人なんだろうか??”
ホストの顔が写っているバンが前を通るのをみて
“顔…???ではないな 確かにイケメンだったら 自己肯定感は上がるけど
散々な目に遭ってきたしなー”
“そもそも私はなんで彼氏が欲しいんだろう うーーん”
褒めて貰いたい
可愛いと言われたい…etc
承認欲求に繋がっているのではないであろうか!?
まあでも そもそも素敵な彼氏を作るにはまず私がアン=ハサウェイみたいな素敵なバリバリナイスウーマンにならないとそんな資格はないよな~
②
まなかのバ先はチアリーディングの恰好でお酒やダンスを提供するコンセプトバー
ダンスをしてお客さんを盛り上げている女の子達
まなかが眼鏡をかけた中年サラリーマンにメニュー見せている
まなか「まさる君 今日どれ踊る??」
まさる「うーん、ちょっと考えるわ~」
まなか「えええ 今日踊りたいのに~」
ホールのスミに来ると
頭を抱えふにゃっと崩れ落ちる
お客さんからダンスの注文を貰うとインセンティブで1回500円入り、チェキを撮ると+500円入る仕組みになっている
まなか“今日全滅じゃん お金稼がないといけないのに”
③
他の子たちが踊っているのを見ながらまなかは考え事をしている
“ビジネスの勉強とか留学とかしたいから毎月5万円は貯金して”
“美容代が1.5~2万円”
“交際費が1~2万円”
“交通費が0.5万円”
“その他の費用諸々で1~3万円”
“毎月のカードの支払いが6万円”
ってことは毎月18万円は必要で
このバイトが時給1500円
ダンスを頼んでもらえると1回500円
チェキも1人500円
1日5時間勤務で週4日が限度だから計12万円…
ぐあぁ と項垂れるまなか
“アン=ハサウェイになれない…”
“可愛くなるにはお金がかかりすぎだよ~”
”皆どうやって可愛くなってるんだろう”
少し惨めに思うまなか
“って 今は稼ぐのよ ”
お客さんを観察しながら
“いけそうなオーラを放っている人はどこだ??”
すると奥の席で負のオーラ全開の男の人を見つける
“ゲッ…”
周りをみても他にいけそうなお客さんがいないことに気づき
“くぅ~貧乏暇なし 働くよ~”
別の女の子に声をかける
まなか「あの人に声かけた?」
女の子「かけたけど すっごく怖がるから 避けた方がいいかも」
まなか「それは大丈夫 私は“やんないといけない”から」
女の子が「やんないといけない!?」とキョロキョロする
⑤
まなかが卓につくと髪が整えられておらず眼鏡をかけヨレヨレの服を来ている男の人がグラスを見ながら座っている
まなか「はーい 初めまして 私 まなか っていいます 」
お客さんがすっごい怖そうな顔でこっちをチラ見してくる
まなか“ホントだ すっごい警戒してる”
男の服についている名札をみる
まなか「お名前… よしおさん 今日って1人で来られたんですか?」
よしお「…上司と…来ました」
グラスを見つめたままぼそぼそと答える
まなか“まずは共通の話題を探さないと”
よしおの胸のポッケにに入っているラルフのハンカチを見つける
まなか「その ラルフのハンカチ 可愛いですね 誰かから貰ったんですか!?」
よしおはそれに触り
よしお「…ええ大切…“だった”人から貰いました…」
チーーんと重い空気が流れる
まなか”だったってことは 別れたってことだよね まずいこと聞いちゃったかも”
⑥
すると大きなどすの効いた声が聞こえる
男「おう!待たせた! お まなかちゃん」
まなかの身体を舐めまわすようにみてから
男「ムチムチだね~」
と声をかけてくる小太りで中年の男の人 たっくん
まなか“うっわ キモイ~”と思いつつも顔色かえずに返答する
まなか「はーいー たっくん こんにちは! 部下さん~!?」
たっくん「そうそう お前ずっとこんな感じで固まってたのか」
まなか“あー憂さ晴らしか自慢のために連れてこられたかね”
たっくん「ちょっとは元気になったか こいつな 元カノに酷い別れ方されて ”女性恐怖症”なんだよ ここに来れば 治ると思ったんだけどな」
たっくんがどんと背中を叩く「ほれ 元気出せ」
暴露され恥ずかしい顔になるよしお
まなか「・・・」
そんなよしおの顔を見て、
まなか「そうなんだー じゃあ今日私が楽しませるよ!」
たっくん「おおお じゃあ まなかちゃんに 1曲踊って貰おう」
まなかがやっと今日一曲目と涙を流し喜ぶ
⑤
まなかがakbの会いたかったを踊る そしてよしおと名前を呼ぶ
それを聞いてよしおが元カノとの想い出を思い出す
元カノ「何で これしかくれないの!!! 」
キッとした目で睨みつけてくる元カノがお金を机に叩きつける
元カノ「有名大の院卒理系だから 付き合っているのに あんたからお金を取ったら 何が残るの 誰も あんたみたいな人と 付き合いたいなんて思わないわよ」
辛い記憶を思い出し
よしお“この子も お金を払っているから 話してくれるんだよな”
元カノ「あんたみたいな人を 相手してくれる女性なんて いないわよ」
よしお“誰も俺と話したくないよな…”
目元から涙を流す よしお
⑦
まなかが踊り終わり卓から離れ水を飲みに行くと
たっくん「いやー最高最高!! あれ お前感動して泣いてるのか!?」
それをあからかさまに聞こえるように言うたっくん
たっくん「誰か こいつに一番いい酒入れてやってくれ」
注文を受けた女の子がまなかの方にやってきて
女の子「ほんとあの人見栄っ張りだよね いつもは一番安いカクテルしか頼まないのに」
たっくん「俺みたいに こういう所で羽振りを聞かせられないと 女の子はついてこないよ 」
たっくんが何枚ものチェキを眺めながらよしおにそうだろっと返答を促す
よしお「はい…」と頷く
たっくん「だから 前の彼女に逃げられるんだよ」
グラスを片手に吐き捨てるように呟く
他の女の子が「あんたこそ 金でしか女の子と話せないのに」と吐き捨ている
たっくん「まなかちゃん お金ない男 どう思う?」
まなか「 うーん 将来子供産むとか 自分が仕事できないってなったら 男の人の稼ぎに頼らないといけないので 収入面は気になりますね」
たっくんがガハハハッと笑い「そうだ そうだ」
よしおは黙って 俯きながら聞きながら“俺は ずっと こうやって 惨めに 生きていくのか”
まなか「でも、お金だけあっても目の前の人が 言ってほしくないことを 大きな声で話す人は パートナー 候補にすら入らないですけどね 」
たっくんのコップを持つ手が止まる
たっくん「・・・はぁ~ それ誰の事 言ってんの?」
まなか「別に私は誰がとか 言ってないですけど 」
まなか“自覚あるのか コイツ”
睨み合う2人
するとそこに店長が現れ
店長「ちょっと たっくん そんなに怒んないで また人間ドックで高血圧って言われたら 私心配だよ」
たっくんは 豊満な店長の全身を舐めるように見る そして
たっくん「まあ 健康に悪いな 俺はただコイツを元気にさせたいっていう気持ちで 言っただけなんだよ」
店長「たっくんって 優しいのね せっかくだから あっちの卓で飲み直しましょう」
しょうがないな~と移動たっくんする
⑩
まなかはよしおの卓に移動する
まなか「私 最近 初恋の人と再会したんです でも 会って 彼が 私のこと 想ってくれていなかったって わかったんです」
「髪を染めたり、ピアスつけたり外見は簡単に変えれるけど、 内面を変えるのは難しいって気づきました」
顔をあげまなかの顔をみる よしお
まなか「私 よしおさんのことわからないけど きっと“素敵”でピュアな人だと思うんです そのハンカチ 大切な思い出が詰まっているから 捨てられないんですよね 大好きだったんですよね 彼女さんのこと」
よしおが涙を流す
まなか「もしよかったら よしおさんのお話 聞かせてくれませんか?」
よしおが元カノへ秘めていた想いが溢れる
よしお「どうすれば いいかな?僕って 」
まなかが話を聞いている描写
⑪
時刻が0時近くになる
よしお「まなかちゃんと話したら気持ちが軽くなったよ 最後にチェキ何枚か撮ってくれないかな? 」
財布から2000円を取り出すよしおの手を制するまなか
まなか「言ったでしょ 今日は私がよしおさんを元気づけるって」
それを聞いたよしおは少し照れくさそうに「ありがとう」と呟いた
⑫
スクランブル交差点の前でチェキを見ているよしお
“あんな素敵な子がこの世界にはいるんだな”
背中を伸ばし帰って行く様子
⑬
店長「まなか いくらイライラしても ああいう態度はダメ」
まなか「はい すみません」
店長「 気持ちはわかるけどね たっくん 今まできちんとした彼女がいたことがないから ずっと妬んでたんでしょうね」
そして店長から売上が書かれた紙を受け取るーダンス1回だけの+500円
肩を落とす まなか
“結局 全然 稼げなかったぁあ”
だけど よしおの嬉しそうな顔を思い出すまなか
まなか「まあ明日たくさん働けばいいか!ー 店長!残ってお店の後片付けします!貧乏は暇なしです!」
壁に飾られたまなかと笑顔のよしおのチェキが映り3話目が終わる
この出来事がきっかけでまなかは、内面を変えることは難しいから元々内面がいい人を選び、外見は育てて行けばいいことに気づくのであった。
