新NISAで「オルカン一択」の次に知っておきたいこと。後藤達也氏に学ぶ、ニュースの嵐を読み解く「3つの目」の習慣
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はじめに:なぜ「ただの積立」が不安なのか?SNSの情報の波から抜け出すために必要なこと
新NISAが始まり、多くの人が「オルカン(全世界株式)」や「S&P500」での積み立てをスタートさせました。私たちもその一人かもしれません。
でも、ふとした瞬間に
「ただ積み立てているだけで、本当に大丈夫なのだろうか?」
という漠然とした不安に襲われることはありませんか?

スマホを開けば、「歴史的な円安」「日銀の利上げ」「アメリカのインフレ」といった見出しが飛び込み、SNSでは「今は暴落前夜だ!」「いや、日本株の時代だ」と、人によって正反対の主張が流れてきます。
「投資は自己責任」と言われるけれど、自分には経済を読み解く知識が足りない。
ニュースの意味がわからず、何となく怖いと感じてしまう……。

そんな不安を抱えているあなたにこそ、元日経新聞記者の後藤達也氏の著書『転換の時代を生き抜く 投資の教科書』で紹介されている「3つの目」という考え方を、一緒に学んでいってほしいのです。
投資を通じて得られるのは、お金だけではありません。
株価は政治や国際情勢、人々の価値観の変化を映し出す鏡です。
この「3つの目」を養うことで、これまで他人事だったニュースが自分事としてつながり始め、「情報に振り回される投資家」から「自分で考えて判断できる投資家」へと成長できるはずです。

1.【虫の目】数値の裏側を読み解く。配当利回り・PER・PBRが教えてくれる「企業の正体」
まずは、個別企業を至近距離でじっくりと観察する「虫の目」から始めましょう。
私たちはよく「配当利回りが高い銘柄はお買い得だ」と考えがちです。しかし、そこには落とし穴があります。
■「高い利回り」には理由がある
配当利回りが高いまま放置されているということは、実は「それでも買い手が集まらない原因」が隠れている可能性があるのです。
株式市場には世界中の賢い投資家が参加しており、本当にお得な銘柄ならすぐに買われ、株価が上がって利回りは下がってしまいます。
単に数字が良いからと飛びつくのではなく、「なぜこの利回りなのか?」「過去10年の配当は安定しているか?」と深掘りする視点が重要です。

■ 企業の価値は「帳簿」に載らないものにある
企業の割安さを測る「PER(株価収益率)」や「PBR(株価純資産倍率)」も同様です。
例えば、PBRが1倍を割り込んでいる企業は「帳簿上の資産価値よりも、市場の評価が低い」状態です。これは時に「事業を続けるより、解散したほうがマシ」という市場からの厳しい評価でもあります。
スタジオジブリを例に考えてみましょう。
ジブリの価値は、建物や預金(帳簿上の資産)だけではありません。
「優秀な人材」「ブランド力」「新作への期待」といった、バランスシートには現れない要素こそが、将来の利益を生み出すのです。
「虫の目」とは、単に指標の数字を丸暗記することではありません。
その数字の背景にある、企業の「稼ぐ力」や「将来の期待」を読み解こうとする姿勢なのです。

2.【鳥の目】円安、金利、雇用統計……点と線がつながる「マクロ経済」の捉え方
次に必要なのが、空から全体を見渡す「鳥の目」です。
どんなに素晴らしい企業でも、経済全体の大きな波(マクロ経済)には逆らえません。
例えば、全日空(ANA)がどれだけ経営努力をしても、コロナ禍のように人々が動けない状況では収益は上がりません。
また、円安が進めば外国人観光客は増えますが、日本人の海外旅行は減ります。

このように、一つのニュースが連鎖的にどう影響するかを考えるのが「鳥の目」の役割です。
■ なぜ「米雇用統計」が日本株を動かすのか?
マクロの視点で見逃せないのが、アメリカの経済指標、特に「米雇用統計」と「CPI(消費者物価指数)」です。
なぜ日本で投資をしている私たちが、アメリカの雇用に注目しなければならないのでしょうか?
1:速報性が高い
毎月発表され、景気の変化をいち早く捉えます。
2:FRBの判断材料
アメリカの中央銀行(FRB)が金利を決める際の重要な指標となります。
3:インフレに直結
人手が足りず賃金が上がれば、消費が活発になり、物価も上がります。
「鳥の目」を持つことで、「アメリカの雇用が強いから金利が上がり、それがドル高(円安)を招き、日本の輸出企業の利益を押し上げる」といった連鎖が、パズルのように組み合わさって見えるようになります。

3.【魚の目】「みんなが買っているから」を卒業。心理と需給の波に流されない思考法
最後が、潮の流れや水の流れを読む「魚の目」です。
株価は企業の業績や経済指標だけで決まるわけではありません。
そこには「投資家心理(感情)」と「おカネの総量(需給)」が大きく関わっています。

■ 「期待」だけで株価は動く
例えばAIバブルのように、将来その企業が本当に稼ぐか不透明でも、多くの投資家が「伸びそうだ!」と期待すれば、それだけで株価は急騰します。
魚の目とは、こうした市場の雰囲気やブームを察知する目です。
しかし、一番大切なのは「トレンドに流されないこと」です。
「みんなが買っているから自分も買う」「暴落してみんなが売っているから慌てて売る」といった行動は避けなければなりません。
■ 逆風の時こそチャンスを見つける
「強気相場は悲観の中で生まれる」という言葉があります。
2020年のコロナショックの時、世界中が不安に包まれ投げ売りが起きましたが、その「悲観の極み」こそが絶好の買い場となりました。
魚の目を持つ真の目的は、トレンドから一歩引いて全体を客観的に見ることにあります。
周囲の熱狂や絶望を冷静に眺め、「今は潮の流れがこうなっているな」と理解した上で、自分の判断を守るための視点なのです。

まとめ:あなただけの「判断基準」を一緒に育てていきませんか?
「虫の目」「鳥の目」「魚の目」。
これらを組み合わせることで、複雑な株式市場が立体的に見えてきます。
円安(鳥の目)が企業の利益(虫の目)を変え、それが投資家の期待(魚の目)を呼んで株価が動く――。

この連鎖が理解できれば、毎日のニュースはもう「怖いもの」ではなく、あなたの投資を支える「情報」に変わります。

投資は勝つ人がいれば、必ず負ける人がいる世界です。 でも、これらの知識を身につけようとしている今のあなたは、すでにその他大勢から一歩抜け出しています。

「よく分からないけれど、みんながいいと言うから投資する」状態から卒業し、自分の大切なお金を、自分の意志で、自信を持って運用していけるように。
そのための第一歩として、後藤達也氏の言葉が詰まったこの一冊を、ぜひあなたの手元に置いてみてください。
「なぜ?」が分かれば、投資はもっと面白くなり、未来への不安は確信に変わります。
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