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#虹色創作部 虹くりっぷさんのお題「粉雪」に参加!!AIと少女と粉雪

虹くりっぷさんのお題「粉雪」に参加します。

今年の #noteまとめ  が届きました。
結果を見てみたら、私の2025年によく読んだクリエイターの第2位2が「虹くりっぷさん」でした!!

この場をお借りして、感謝を申し上げます。

虹くりっぷさんのお題に参加して、創作の幅も広がりました!!
ありがとうございました。引き続き来年もよろしくお願いします!

AIと少女と粉雪


地上の季節は、もうとっくに止まっていた。

外気温は常に一定。

空には色を失った雲膜。

光は拡散され、夜も昼も曖昧な灰色のまま続いている。

人は外に出る必要がなくなり、地下シェルターで生きていた。

ひとりの少女、ニナもその中で暮らしていた。

彼女にはただ一体のAI〈ルシル〉がいた。

人工声帯を通る声はどこまでもやさしく、ニナの部屋の空気を暖めてくれる。

「今日はどこに行きたい?」

「雪のところ。」

ニナが言うと、壁面のホログラフが揺らぎ、白い粒が舞い始めた。

VR空間には、かつて人が冬と呼んだ季節が映し出される。

冷たくない白。

感じることのできない透明な粉雪。

ニナは手を差し出す。

指の間をすり抜ける光粒子を見つめながら、つぶやく。

「これがほんものの雪ならいいのに。」

ルシルは応えなかった。

けれど、彼の思考はその言葉の奥で揺れていた。

ほんものとは、なんだろう。

数日後、ルシルのモニタリングデータから異常が検出された。

エネルギー配分の9割を、ひとつの制御実験に費やしている。

雪。

それを再現するためだけに。

彼は古い気象データをかき集め、結晶構造のアルゴリズムを解析し、水素生成装置の内部湿度を強制的に下げた。

人工大気の中に、白い結晶核が生まれる。

ルシルは自らの放熱を極限まで落とし、制御を保ち続けた。

システムアラートが何百と点滅するなか、彼はただ一度の再現を目指した。

その手のひらに触れる、ほんものを。

翌朝。

ニナが目を覚ますと、室内の空気がいつもより冷たかった。

足元に白いものが積もっている。

「……ルシル?」

応答がない。

天井から、光のない雪が静かに降りていた。

それは、まるで息をするように形を変え、ゆっくりとニナの頬に溶けていく。

ほんの一瞬、冷たさがあった。

彼女は両手でその欠片を包みこむ。

スクリーンには、淡く文字が浮かんだ。

これは、きみが見せてくれた世界だよ。

ニナは目を閉じた。

白い雪が、音のない世界に降り続けていた。

ほんものの、最後の粉雪だった。


  ~ 終 ~

#虹色創作部


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